木質材料の設計

担当教官(所属、所在)
関野 登 (農林環境科学 森林科学、農学部2号館)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 森林科学講座
   森林管理技術学コース3年次
 森林科学講座
   総合森林学コース3年次
講座科目
選択
後期2単位

授業の目標
 木材および木質材料は、環境調和型素材(エコマテリアル)としての要件を備えている。すなわち、地球環境への低負荷、資源の循環利用、人間に馴染む、などの特性を具備している。この半世紀の間、木質材料は様々な進化、発展を遂げてきた。とくに、材料の信頼性を向上させる技術や、廃材・低質材を有用な材料に新生さる技術の発達には目覚しいものがある。本講義では、そのような材料(エンジニアード・ウッド)を設計するための基礎知識を修得することを目標とする。

概要と計画
 はじめに、「木質資源の理想循環系」の中で木質材料の意義と材料開発の歴史を論じる。次に、各種材料の特徴、基本設計の方法および熱圧成形理論を概説する。続く各論では、構成要素(エレメント)の大きな集成材に始まり、エレメントの小さなファイバーボードに至る各種材料に関して、基本的な設計方法や性能、製造方法・装置について論じる。
第1回 木質資源の理想循環系
第2回 木質材料の分類と各種材料の特徴
第3回 基本設計 @接着の基礎
第4回 基本設計 A複合則
第5回 基本設計 B熱圧成形理論
第6回 基本設計 C寸法安定化技術
第7-10回 パネル材料各論 @合板 AOSB Bパーティクルボード C繊維板
第11-13回 軸材料各論 @集成材 APSL BOSL
第14回 複合部材の設計
第15回 予備

教室外の学習
随時、予習の課題を課す。

教科書、参考書
「木材科学講座8 木質資源材料」(鈴木正治・徳田迪夫編、海青社)を教科書として使用する。また、補足資料を随時配布する。参考書は多数あるので、第1回の講義で紹介する。

授業の形式
ビデオ、スライドを多用した視聴覚講義。

成績評価の方式
学期末試験を8割、出席状況を2割の重みで評価する。学期末の試験結果が85点以上を優、70〜84点を良、60〜69点を可、60点未満が不可を原則とし、これに出席状況を加味して総合的に評価する。また、原則として再試験は行わない。

履修に当たっての留意点
 出席を毎時間とる。本講義の受講に際しては、「木質強度学」を受講済みで、かつ、同時期に開講されている「木材材料プロセス工学」を受講していることが望ましい。オフィスアワーは、月曜午後5時から6時。