森林保護学

担当教官(所属、所在)
未定 (非常勤講師)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 森林科学講座
   森林管理技術学コース3年次
 森林科学講座
   総合森林学コース3年次
講座科目
選択
後期2単位

授業の目標
 森林は地球上における生物資源の宝庫として,人類の生存基盤を支えてきた。今その森林が世界各地で衰退や消滅の危機に直面している。森林の健全性を永続的に保持するための原理と方法をあつかう学問分野が,森林保護学である。持続的供給可能な生物資源としての森林に対して,人間が手を加えながら守っていく,すなわち保全について学ぶことが,本授業の目標である。

概要と計画
 森林に加えられるさまざまな危害からの保護が,本授業の内容である。森林危害には大きく分けて気象災害,生物災害(病害,虫害),人為的災害がある。生物害を中心とし,総合的視野で保護の基礎とその実際について授業をおこなう。

第1回 気象災害(光,温度,水)
第2回 気象災害(雪,風)
第3回 樹病(範疇,病気の概念)
第4回 樹病(病原生物)
第5回 樹病(菌類の生態・生理と感染)
第6回 樹病(主要病害)
第7回 樹病(非寄生性病害;気象因子,立地因子,薬害,大気汚染)
第8回 樹病(森林病害の管理)
第9回 昆虫害(森林昆虫,形態と分類)
第10回 昆虫害(昆虫の生活,個体群)
第11回 昆虫害(大発生,被害と防除)
第12回 昆虫害(主要な害虫種,線虫害)
第13回 人為災害(森林火災,大気汚染)
第14回 人為災害(土壌汚染,薬品害)
第15回 総括(健全な森づくりと管理)

教室外の学習
樹木と他生物との相互作用について関心をもち,自学に努めてほしい。樹木医補資格認定にかかる主要科目であり,樹木医をめざす学生は時間をかけて広く深く学んでほしい。

教科書、参考書
教科書はとくに指定しない。参考書として,森林保護学改訂版(四手井綱英編著,朝倉書店),森林保護学(真宮靖治編,文永堂出版),樹木医学(鈴木和夫編著,朝倉書店)があり,図書館に所蔵。

授業の形式
教室での講義を中心に授業をおこなう。病害,虫害などについて,プロジェクターを用い実態をわかりやすく説明する。

成績評価の方式
毎回,出席をとります。1〜2回,レポートを課します。中間試験と期末試験をおこないます。試験前にあらかじめ,出題範囲や分野について十分説明します。出席状況20点,レポート20点,中間試験30点,期末試験30点,合計100点で評価します。60点以上を合格(優:80点以上,良:79〜70点,可:69〜60点)とします。再試験はおこないません。

履修に当たっての留意点
樹木医補資格と密接に関係する科目。樹木の組織と形態・生理,樹木資源学,森林更新生態学,森林造成学との関連が深く,まえもって受講しておいてほしい。オフィス・アワーは授業終了後1時間程度,2号館315号室で実施します。