森林更新生態学

担当教官(所属、所在)
橋本 良二 (農林環境科学科 森林科学講座、農学部2号館314号室)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 森林科学講座
   森林管理技術学コース2年次
 森林科学講座
   総合森林学コース2年次
講座科目
選択
前期2単位

授業の目標
 若い林,成熟した林があるように,そこでの森林は長い目でみれば世代交代・再生発達(更新)を繰り返しています。地球規模のマクロな視点で森林を概観したうえで,森林の遷移そして更新の過程について群落面と物質経済面から学ぶのが授業の目標です。森林を活かす専門家になるうえで,どこに眼を着けるべきか,ポイントを要領よく伝えるつもりです。

概要と計画
 授業は大きく3分野からなっています。第1分野では,種組成や生活形などの面で多様な森林植生について統括的に扱います。第2,第3分野では,森林をつねに時間軸にのせて考えます。第2分野では,森林の遷移や更新の過程を生理生態の視点で扱います。第3分野では,物質生産および物質循環系の発達と維持について扱います。

第1回 森林の分布(気候・群系・フロラ)
第2回 群系分類(熱帯多雨林,雨緑林,照葉樹林)
第3回 群系分類(硬葉樹林,夏緑林,針葉樹林) 
第4回 日本の森林植生(水平分布と垂直分布)
第5回 日本の森林植生(気象要因,土地要因,人為干渉)
第6回 森林の遷移(遷移系列)
第7回 森林の遷移(樹種特性,促進要因)
第8回 森林の更新(撹乱と再生,再生の生理生態)
第9回 森林の更新(樹木定着の生理生態)
第10回 森林発達と物質経済(光合成のしくみ)
第11回 森林発達と物質経済(現存量と純生産量)
第12回 森林発達と物質経済(放射環境とエネルギー利用効率)
第13回 森林物質循環系の発達(森林タイプと循環系特性)
第14回 森林物質循環系の発達(森林伐採と環境保全)
第15回 総括(森林造成学へのアプローチ)

教室外の学習
授業に合わせ指針や内容を要約した資料を配付します。予習や復習など自学に役立ててください。配付資料については,試験の際に持ち込みを許すので,日頃から内容の整理に心がけてください。質問は,いつも大歓迎です。教室でも教官室でも随時受け付けますが,教官室へはオフィス・アワーにくるのをすすめます。

教科書、参考書
教科書は使用しない.参考書には,「日本の森林植生」(山中二男,築地書館),「植物の生態」(田川日出夫著,共立出版),「森林生態学」(岩坪五郎編,文永堂出版)があり,図書館に所蔵されています.

授業の形式
配付資料にそって講義をおこないます。配付資料はきれいでわかりやすいものをつくるよう,心がけています。森林や樹木の実際の姿をたくさん知ってもらうため,プロジェクターを使っての授業になります。しかし,やや難しい内容については,黒板を使ってていねいに説明します。

成績評価の方式
毎回,出席をとります。1〜2回,レポートを課します。中間試験と期末試験をおこないます。試験前にあらかじめ,出題範囲や分野について十分説明します。出席状況20点,レポート20点,中間試験30点,期末試験30点,合計100点で評価します。60点以上を合格(優:80点以上,良:79〜70点,可:69〜60点)とします。再試験はおこないません。

履修に当たっての留意点
森林造成学の基礎科目です。オフィス・アワーは月曜日16時30分から18時です。