環境緑化工学

担当教官(所属、所在)
井良沢道也 ((農林環境科学科) (森林科学講座))

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農林環境科学科
 森林科学講座
   森林管理技術学コース2年次
講座科目
選択
後期2単位
農林環境科学科
 森林科学講座
   総合森林学コース2年次
講座科目
必修
農業生命科学科
 植物生産学講座3年次
講座外科目
選択

授業の目標
現在ほど「みどり」について切望されている時代は無いと思います。自然環境に最も影響するものは森林、原野などの植物群落であり、特に自然林は多くの動物をはぐくみ、気象を和らげ、大気を浄化し、水資源を調整するなど多くの機能があります。二次林や人工林にも自然林に準じた機能を有するものが多い。集落、都市などに人間が創出した緑も、やすらぎやうるおいを提供するなど何らかの機能があります。自然公園や風致地区など自然が多く残る地域できる限り土工量を減じ緑を残すことに努めるべきですし、裸地化した個所は、防災機能が高く周辺と調和する植物群落を再生することが重要です。このように緑化に対する期待は大きく、植物の生理・生態系を理解した上で緑化工のあり方を学びたいと思います。

概要と計画
環境緑化工学では、緑化とは播種したり木を植えたりする行為だけでなく、植物のもつ自活力や復元力を利用して、植物が再生しやすい場を造成したり、より自然的、防災的、景観的な植物群落に導く行為であることを理解することに力点をおく。こうした方向を実現する緑化工の課題として、植物の生理・生態を正しく理解した上で実施することが重要です。本授業では緑化工をめぐる基礎的な知識を養うとともに、最近の緑化工をめぐる課題などについても説明する。また、随時緑化・造園関係の企業の方に技術の動向について話を伺う場も考えている。
第1回〜4回 環境緑化工学の理念及び環境と緑化                  
第5回〜9回 生物的環境と緑化管理            
第10回〜12回 緑化工の実際
第13回〜14回 郷土種を活用した緑化論、緑の再生による地域を目指して 
第15回 期末テスト
        

教室外の学習
予習・復習を必ず行うこと。随時レポートを課するので、自分で調べ考えることが大事である。

教科書、参考書
「自然をつくる緑化工ガイド」(林野庁監修)をテキストとして用いる。他に「環境緑化の事典」(朝倉書店)が現時点でも最も優れたテキストである(図書館には所蔵)ので一読を薦める。他の参考書として「環境緑化工学」(朝倉書店 絶版)、「新編治山・砂防緑化技術」(ソフトサイエンス社)等があり、図書館にも所蔵。

授業の形式
配布資料と板書により授業を行う。パワーポイントを必要に応じて使用する。随時、演習課題を課しレポートを提出する。なお、随時緑化に携わっている専門家による講演も授業の中で予定している。

成績評価の方式
期末試験(70点,資料持ち込み不可),出席・宿題(各15点)により評価し,合計60点以上を合格(優:80点以上,良:79〜70点,可:69〜60点)とする。講義に10回未満しか出席しなかった者は,期末試験の点数に関係なく不可とする。60点に満たなかった人のうち希望する人に対し再試をおこなう。再試も60点以上を合格(可)とする。

履修に当たっての留意点
森林管理技術学コースでは選択であるが、総合森林学コースでは選択必修Aである。シラバスは2006年春時点で作成されたものなので,若干の変更が生じることもある。詳細については第1回目の授業で説明する。オフィスアワー:月曜12時〜13時。メールはirasawa@iwate-u.ac.jp。
7月〜9月に全国の砂防事務所への見学実習「キャンプ砂防」及び夏期実習に多くの学生の参加を望む。質問は授業中を含め随時受け付ける。