細胞工学実験

担当教官(所属、所在)
西澤直行 (農業生命科学科 食品健康科学講座、農4号館3F)
伊藤芳明 (農業生命科学科 食品健康科学講座、農4号館3F)

対象学生 科目の種別 開講学期 単位数
農業生命科学科
 食品健康科学講座3年次
講座科目
選択
後期1単位

授業の目標
生物は栄養素の摂取やその不足、温度の高低、体に有害なものが侵入してきた時など、さまざまな状況の変化に巧みに対処している。こうした体の応答は、何が、どこに、どのように働きかけて起こった結果であるかを細かく知るには、まるごと(whole body)のままではなかなか難しいことが多い。このような仕組みを簡便かつ迅速に知るうえで、培養細胞を用いた評価方法は非常に有効である。これらの実験や結果への評価・考察を通じて、培養細胞を用いた研究法についての技術・考え方について習得することを目的とする。

概要と計画
本実験では、まず各種の培養細胞の取り扱いを通じて無菌操作や組織培養についての基本技術の習得をおこなう。続いて、内分泌因子や食品成分、または天然生理活性物質に対する細胞応答とその検定法について学ぶ。
第1〜4回 組織培養の基本技術(細胞培養の基本知識、試薬・器具類の準備法・取り扱い法、細胞培養の基本的手技)
第5〜9回 培養細胞を使った生化学実験法(ホルモンによる酵素活性制御についての実験)
第10〜14回 培養細胞を使った生理活性物質評価法(食品成分・天然生理活性物質の生理機能検定試験、細胞増殖アッセイ法)
第15回 まとめと後片づけ

教室外の学習
生化学・栄養化学分野で学習した内容を再確認し、あわせて授業の中でふれる資料や参考図書を利用して細胞生物学に関する知識の習得に努めること。

教科書、参考書
教科書・教材:配布プリント
参考書:「組織培養の技術【基礎編】および【応用編】第三版」(日本組織培養学会編 朝倉書店、【基礎編】および【応用編】)、「動物実験代替法マニュアル 培養細胞を用いた理論と応用」(大野忠夫編著 共立出版)などがある。

授業の形式
各項目について、講義で内容および仕組みを理解したうえで実験に取り組む。実験は個別または少人数グループで行なう。

成績評価の方式
実験テーマ毎に期限を決めてレポートの提出を求める。単位取得のためには全実験への出席および全てのレポートの提出を原則とする。

履修に当たっての留意点
1.グループで作業する内容が主体なので,見ているだけでなく,積極的に作業にあたってほしい。
2.実験は時間割通りでなく,集中形式で行われる。
3.オフィスアワー:質問,履修に関しての相談は随時受付ける。