学び直して,アグリでキャリアアップ! IAFSは21世紀の農業を切り拓く意欲的な農業経営者を育てます

IAFS いわてアグリフロンティアスクール
 平成27年 講義風景
「講義風景」では、実施した講義の様子を随時掲載していきます。 ※スクール修了生の方は、現地研修・演習以外の座講は聴講可能な場合もありますので、事務局(TEL019-621-6231)までお問合せください。
平成27年
12月9日(水) 「アグリ管理士との意見交換」
11月27日(金) 「マーケティング改善演習2」(公開講座)
11月19日(木) 「デザインとブランド」
11月9日(月) 「農産加工品のマーケティング」
11月4日(水) 「商品開発」
10月27日(火) 「鮮度保持・流通技術」
10月21日(水) 「インターネットを利用したマーケティング」
10月14日(水) 「マーケティング改善演習1」
9月16日(水) 「経営改善計画演習」
9月9日(木) 「食の安全管理」
8月25日(火) 「農業技術先進地研修2」
8月20日(木)/9月3日(木) 「会計・財務管理と経営診断」
8月3日(月) 「農業経営戦略演習」
7月29日(水) 「農業技術先進地研修1」
7月22日(水) 「農場の衛生管理」
7月15日(水)〜16日(木) 「現場スタディ」
7月8日(水) 公開講座「農業経営戦略論」
6月23日(火) 「土壌管理」
6月18日(木) 「経営成長の管理」
6月3日(水) 「農業経営の発展と農業協同組合」

< 平成28年

○ 平成27年12月9日(水) 「アグリ管理士との意見交換」

 【午前・講義】
 講師…高畑 義人 氏 (岩手大学農学部農学生命課程 植物育種学研究室 教授)

 午前の講義は「植物育種の基礎と岩手県での育種」と題してIAFSの校長でもある高畑義人農学部長が講師を務めました。IAFSでの学部長の講義は、3年ぶりになります。
 高畑先生は岩手大学農学部長のほか、(財)岩手生物工学研究センターの所長も務めています。

〈講義概要〉

  1. 植物育種とは
    植物育種(品種改良)の基本は、「多様な集団から優秀で均一な集団を作り出すこと」であり、育種目標は時代と共に変わること。
    農耕の始まりとともに始まった植物改良の歴史や収量増加や耐冷性の強化など、これまでの育種が貢献してきたこと。
  2. 育種の基礎は多様性と均一性
    多様性(素材)を作り、その中から遺伝的に優秀な均一性(製品)を作り出すため、様々な技術が駆使されるが、その方法は植物の繁殖法によって異なること。

    ①多様性を作る技術
    1. 交配−イネを始め現在の品種のほとんどが交配育種。
    2. 突然変異−人為的突然変異の利用(ガンマ線照射等)。
    3. 遺伝資源−多様性の原点、育種素材→ジーンバンクで保存。
    4. 遺伝子組換え−育種期間の短縮。急速に増加(米国の大豆の9割)。
      (日本では消費者に受け入れられていない)
    ②選抜する技術
    1. 形質で(これまで)→遺伝子マーカーで。
    2. 遺伝子マーカーによる戻し交雑の効率化。
    ③均一性を作る技術
    1. 長期にわたる自家受粉→固定種。
    2. 半数体の倍加→雄雌生殖細胞からの再生。
  3. 岩手県での植物育種
    岩手県における水稲「岩手107号」やりんどうの品種育成を例に挙げ、育種目標や取組経過について解説。

 最後に、当大学農学部植物病理研究室 吉川教授の画期的な技術「ウィルスを利用した果樹の早期開花技術」を紹介。受講生は「育種」の奥の深さに興味津々の様子でした。


 【午後・意見交換】
 午後は「アグリ管理士との意見交換」で、受講生の「農業ビジネス戦略計画」をよりよく仕上げるため、IAFSの先輩となるアグリ管理士の皆さんとの意見交換を行いました。
 2班構成で、それぞれ3名のアグリ管理士から本人の修了時の戦略計画の紹介と、現在の状況等を話していただき、その後受講生が現時点での戦略計画の概要を発表し、意見交換を行いました。
 各班の司会と講師は以下のとおりです。

  1. 1班
    司 会 岩手大学農学部農学生命課程農業経営・経済学研究室 教授 佐藤 和憲 氏
  2. 助言者 岩手県中央農業改良普及センター 主任農業普及員 松浦 貞彦 氏
  3. アグリ管理士 紫波町 高橋  淳 氏(平成19年度取得)
    奥州市 森岡  誠 氏(平成20年度取得)
    奥州市 高野 寛子 氏(平成24年度取得)
  1. 2班
    司会 岩手県中央農業改良普及センター 上席農業普及員 佐藤 嘉彦 氏
  2. アグリ管理士 二戸市 小森 和重 氏(平成19年度取得)
    花巻市 盛川 周祐 氏(平成20年度取得)
    久慈市 柿木敏由貴 氏(平成23年度取得)

 受講生はまだ「農業ビジネス戦略計画」の講義が終了しておらず、ほとんどが計画作成途中だったので、発表にはかなり苦労したようですが、アグリ管理士の皆さんからはそれぞれ丁寧なアドバイスをいただいていました。
 最後の講評の中で、「全体的にみて数字とかは固い線で入れていて、無理のない計画だとは思うが、その分おもしろみのない計画になっているように感じる。「戦略計画」なのだから、もっと夢を表したものにしても良いのではないか」との話がありましたが、後で聞いたところ、皆さんそう感じた様子でした。

※ 翌週(12月16日)「戦略計画の策定」の最終講義では、先のアグリ管理士からの感想を受け、作目構成や規模を見直してチャレンジする受講生もみられました。
仕上がりに期待!です。

1班

2班
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○ 平成27年11月27日(金) 「マーケティング改善演習2」(公開講座)

 今回は公開講座として、県内食品事業者の経営に関する事例の講義や農業経営と異業種経営との連携についてパネルディスカッションを行いました。

  1. 講義 『県内食品事業者の経営の事例から』
    講師…山下欽也 氏 (岩泉乳業株式会社 代表取締役社長)

 酪農のシンボルとして設立した岩泉乳業の操業開始から現在の取組について講義いただきました。

  1. 操業当初から苦戦を強いられていた中、主力商品を牛乳から発酵乳(ヨーグルト)に転換した。
    また、価格と量とは違う次元で、他社商品との差別化をはかりつつ、岩泉乳業ならではのこだわり商品をもって顧客を開拓してきた。
  2. 地元の皆さんの応援を受けて、おかげさまで全国にファンが拡大し、累積赤字を解消するに至っている。
  3. 情報発信を大事にするとともに、食品事業者のみでなく、化粧品など他社、他業態との連携についても引き続き積極的に取り組んでいきたいと考えている。
  4. 業況は改善したが、危機管理の徹底や商品開発等次の課題に適切に対応していきたい。今後も「お客様の笑顔」のため、取り組んでいきたいと考えている。
  1. パネルディスカッション 『農業経営と異業種との交流、連携について』
    ①基調講演 講師…仲野隆三 氏 (JC総研客員研究員・安房農業協同組合理事) 

 JA富里常務理事として、セブン&アイホールディングスと提携し設立運営した農業生産法人(株)セブンファーム富里の事例等をもとに講演をいただきました。

  1. JA富里と大手小売業との取引は昭和63年頃に開始し、産地直販に取り組んだ。
  2. 小売業との直販に当たって、対応しているのは営農部門であること。作付前に取引先との内容を組み立て、生産者と調整を進めている。
  3. (株)セブンファーム富里は、イトーヨーカドーのコンポスト処理の対応等を契機に、生産物の店舗販売をはじめ食農教育にも発展するなど取組が拡がり、4年目には黒字に転じている。
  4. JA、産地は常に情報発信していくこと、取組事業者との接点をどう作っていくかが大切と考えている。加えてJA営農部門の使命は、組合員一人一人の経営をどう発展させていくか対応していくことと考えている。
  1. ②討議
  2. コーディネーター:佐藤和憲 氏 (岩手大学農学部教授・IAFS副校長)
  3. パネラー:山下欽也 氏 (岩泉乳業株式会社 代表取締役社長)
  4. 仲野隆三 氏 (JC総研客員研究員・安房農業協同組合理事)
  5. 熊谷秀明 氏 (木楽創研株式会社 代表取締役社長)
  6. 小野正一 氏 (農事組合法人アグリパーク舞川 代表理事・アグリ管理士)
  7. 菅原紋子 氏 (有限会社ファーム菅久 常務取締役・アグリ管理士)

 農業経営と異業種との交流、連携について、基調講演を踏まえ、上記のメンバーでパネルディスカッションを行いました。
 各パネラーの事例をもとに、自分側の提案力を磨き、相手に合わせて提案をすることが重要であり、異業種、他社との連携によって、自身の経営展開が拡がることをはじめ、直接ビジネスに繋がらなくても、経営の「知恵」をもらい自分の身にしていくことができること、経営者としてのスキルアップにつながることなど、お話をいただきました。

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○ 平成27年11月19日(木) 「デザインとブランド」
  1. <午前> 講師…田中 隆充 氏 (岩手大学教育学部教授)

 午前の講義では、ものづくりのスタートラインを再確認しながら、デザインすることを学びました。田中先生が企業とコラボした商品の紹介や日々の暮らしの中で使用するものを例にとって、海外と日本のデザインの比較等、普段何気なく使っているものを改めて見直すと意識や視覚の違いが面白いと思いました。


  1. <午後> 講師…高橋 幸男 氏 (高橋デザイン事務所代表)
  1. ブランド化−より信頼の持てる商品へ−:ブランドがもたらす効果、価値等
  2. 特産品とは−基本的な事をおさえる−:人気の特産品とは
  3. 地域ブランド化とは?:特産品と地域ブランドの違い・メリット・地域団体商標を学び、その後5班に分かれグループワークを行いました。
    グループワークのテーマを「受講生が最近楽しかったこと」を聞き、くじで2つ引いたワードを関係づけて商品を作るというものでした。
  1. <1班>
  2. テーマ:「収穫祭」(「友達と遊んだこと」×「焼き芋がおいしかったこと」)
  3. 内 容:
    1. 地域の活性化を図る。
    2. 特産品としてのアピール。
  1. <2班>
  2. テーマ:「年間農業体験ツアー」(「ハウス(中古)の片付け作業が終わった」×「娘と遊びに行ったこと」)
  3. 内 容:親子、若者、新規就農を目指す人、新しい品目に挑戦してみたい人むけの農業体験ツアー
  1. <3班>
  2. テーマ:「地場産ブランド鶏育成プロジェクト」(「にわとりの肉」×「リフォーム」)
  3. 内 容:かすみ農場
    ブランド名 滝沢スイカ鶏を商品にした観光農場
  1. <4班>
  2. テーマ:「かずあそび」(「子供が引き算を覚えた」+「大型機械を運転」)
  3. 内 容:掛け絵本(引き算編、たし算編)を使い、農業機械を立体的に表わし、同時に農畜産物に使われる機械を学び、「かずあそび」をしながら作物等が出来る課程を学ぶ。
  1. <5班>
  2. テーマ:「MOTO-KANO」(「ケーキがおいしかった」+「旧友に会えた」)
  3. 内 容:「世の男性諸君へ」送る、男心と女心を結ぶトラブル商品として、中身はおまかせで岩手の食材とケーキは入れる。
※全然ちがうキーワードでよくこれだけの商品を考えたなと感心いたしました。
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○ 平成27年11月9日(月) 「農産加工品のマーケティング」
  1. 講師…三浦 靖(まこと) 氏 (岩手大学農学部応用生物化学課程 食品工学研究室 教授)

 三浦先生には、平成19年度のIAFS開設以来ずっと講師をしていただいていますが、特に平成24年度まで3コースあったうちの「マーケティングイノベーションコース」の主任担当として熱心に指導しておられ、終了後も研究室に足を運び、指導を受けている受講生がたくさんいます。

〈講義の内容〉

  1. 社会情勢
     超高齢化社会を迎える中での日本の経済状態、訪日外国人客の増加、6次産業化の状況等を踏まえた食に関する動向(消費者志向、安全安心を失う出来事、フードファデズム、ヘルシズムなど)について。
  2. マーケティング
     マーケティングの概念と戦略(製品戦略、価格戦略、流通戦略、販売促進戦略)について。
  3. 食品開発
     食品加工技術の革新や地域特産品の現状と課題を踏まえた食品開発(商品としての食品の具備事項、製品生産、商品コンセプト、食品の開発手順、生産経費等)について。
  4. 食品科学
     農林畜水産物の高度加工を行うに当たっての基本学問としての食品化学について(食品成分間の相互作用(水、脂質、糖質等)、食品の三次機能、食品の「おいしさ」の判定過程など)。
  5. 食の安全
     「安全」と「安心」の意味の違い、リスク管理を行うべき有害化学物質及び有害微生物のリストについての基本的な考え方や対象とする危害要因の分類など。

 講義は丸一日の長丁場でしたが、身近な事例や先生の豊富な経験談を織り込みながらのお話に受講生は真剣に聞き入っていました。また、業界誌や新聞の関連記事の資料もたくさんいただき、非常に勉強になったとのことです。

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○ 平成27年11月4日(水) 「商品開発」
  1. 講師…高橋 幸男 氏 (高橋デザイン事務所代表)

 本日は午前中「商品開発−農産物の販促を通して−」と題して、色々な事例を紹介しながらの講義を行ったあと、午後からは5班に分かれてグループワークを行いました。各班が知恵を絞って作成した商品は以下のとおりです。

<1班>

  1. 6種類5色の贈答用プチトマト詰め合わせ「彩SAI」
  2. キャッチコピーは「大自然が育んだカラフルトマトのシンフォニー」
  3. 価格2,000円、ターゲットは30〜50代のグルメ指向の女性

<2班>

  1. 米粉とさつまいも(クイックスイート)を使ったVegiっ粉「う米もん」
  2. ひとめぼれの米粉、クイックスイートを干しいもにして粉状にし、クッキーに練り込んだもの
  3. 価格180円、ターゲットは30〜60代の女性

<3班>

  1. 米粉の生地を使った「こめっこクレープ」
    ※中味は季節ごとに変わる。
  2. キャッチコピーは「もちっと食感に"ひとめぼれ"」
  3. 価格500円、ターゲットはファミリー、20〜30代女性

<4班>

  1. 振るりんごジュース「アッ振゜ル」
    ※離乳食や料理にも
  2. キャッチコピーは「振って長寿」
  3. 価格1,000円、ターゲットは主婦

<5班>

  1. 果肉だけでなく、種、皮まで丸ごと使えるレシピ集付き「大きな滝沢すいか」
  2. キャッチフレーズ「いっ果(家)丸ごと食べ尽くし」
  3. 価格kgあたり250円、ターゲットはすいかを食べきれるか悩んでいるアナタ
※中にはパッケージデザインやイメージキャラクターを考案した班もあり、すぐ商品化できそうなものもありました。どれか実現すると良いのですが・・。
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○ 平成27年10月27日(火) 「鮮度保持・流通技術」

 <午前> 「農産物・農産食品の鮮度保持・流通技術」

  1. 講師…小出 章二 氏 (岩手大学農学生命課程 農産物流通科学研究室 教授) 

 私達がよく使う「鮮度」という言葉の基準や指導について確認、鮮度保持技術の基本は、@呼吸を抑えること、A蒸散を抑えること、B微生物の繁殖を抑えること、の3つに大別され、それらの影響や効果について説明がありました。そして、鮮度保持を行うためには「低温管理」と「包装技術」が重要であることが説かれ、野菜、果樹、穀物それぞれの現状と対策、今後の技術等について説明がありました。
 特に、プラズマや光触媒による殺菌、シミュレーション技術、蛍光分光分析等革新的検査技術など、今後新たに期待する技術がたくさんあります。
 鮮度保持・流通技術の目的は、安全・安心で高品質な農産物・食品を消費者に安定供給するだけではなく、出荷調整や労働の軽減を可能とし、廃棄食料を減じて世界の食料事情に貢献することにもなるというのが印象的でした。


 <午後> 「6次産業化につながる農産物の乾燥技術」

  1. 講師…折笠 貴寛 氏 (岩手大学農学生命課程 農産物流通科学研究室 准教授) 

 まず、6次産業化として取り組むにあたって、6次産業化とは何か、具体的な事業等の内容、本県の状況等が説明されました。
 次に、農産物乾燥の目的と理論が話され、乾燥の目的は、@水分活性を低下させ品質劣化を防ぐ「保存性の向上」、A重量と容量を減少させて「貯蔵・輸送性の向上」、B新しい風味を持った食品を生む「嗜好性の向上」にあるとされます。
 そして、乾燥方法には、@天日乾燥、A熱風乾燥、B噴霧乾燥、C真空凍結乾燥、 D放射加熱乾燥があること、それぞれの特徴や違いについての説明がありました。
 特に、新しい技術としての遠赤外線乾燥やブランチング処理技術に加え、先生が研究する「減圧マイクロ波乾燥」についての詳細な説明がありました。この技術で乾燥した調理用トマトの現物の色は感動ものです。

 <午後・総合討議>

  1. 講師…小出 章二 氏 (岩手大学農学生命課程 農産物流通科学研究室 教授) 
  2. 講師…折笠 貴寛 氏 (岩手大学農学生命課程 農産物流通科学研究室 准教授) 

 カット野菜はポリフィルム密封で何日持つかとか、ドライりんごの作り方など、具体的な質問が多く出ました。

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○ 平成27年10月21日(水) 「インターネットを利用したマーケティング」
  1. 講師…堀 明人 氏 (一般社団法人 千葉IT経営センター理事・株式会社トゥモローズ代表)

 講師の堀先生は、「ITコーディネーター」として、全国を指導して回っているほか、自家では「あびこブルーベリーガーデン」としてブルーベリーの摘み取り園を経営しています。
 自らの農商工連携事業で「炙組」を立ち上げ ネット販売した経験も入れながら、実際にネットにつないでホームページを比較したり、分かりやすく説明していただきました。
 インターネットでの農産物販売の現状や実際に取り組むにあたって必要なこと、具体的な実施内容、魅力的なwebにするための方法など、普段なかなか聞くことのできない内容でした。
 自分で取り組むかどうかはともかく これからの農業はインターネット販売と関わらずにいることはできなくなるでしょう。 これから各地で授業の成果が現れてくることを期待しています。


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○ 平成27年10月14日(水) 「マーケティング改善演習1」

 県内で先進的な取組みを行っている農家の事例を学ぶため、今回は二戸市の @「大西ファーム(株)」 大西 道成 氏、A「いわてひろファーム」 生産者代表 関口農園 関口 泰史 氏 を訪れ、いろいろと貴重なお話を伺いました。

  1. ①「大西ファーム(株) 」 大西 道成 氏 (平成25年度アグリ管理士)
     主力商品のドライトマトは、天日乾燥にこだわり、ファーム内の自然乾燥所(ビニールハウス)で乾燥しています。
     自社では加工場を持たず、ドライトマト以外の商品の加工は、レストラン並みの厨房や瓶詰め殺菌も可能な設備を持つ近くの障害者施設で行っており、地域内の農家や施設等と連携して6次産業化を進めています。
     柔らかく旨みが凝縮された無添加のドライトマトのオリーブオイル漬けは、イタリアンの有名シェフからも高い評価を得て、販路は県内外を問わず広がり、今年度分もすでに品薄の状態になっているとのこと。
     販路については、ひとつの売り先で2割を超えないようにしてリスク分散を図っていました。
     なんといっても特筆すべきはその行動力!就農4年で加工品まで辿り着き、自ら全国に販促して歩くなど、接客は前職で慣れているとはいえ、なかなか真似できません。
  2. ②「いわてひろファーム」 生産者代表 関口農園 関口 泰史 氏(平成21年度アグリ管理士)
     「いわてひろファーム」は、二戸市の5名の生産者が集まって、大自然の中でこだわりの農作物を育てています。
     「『顔の見える生産物』を提供する」のがモットーで2012年から楽天市場でインターネット販売に取り組んでいます。
     無化学肥料栽培の米や蜜入りリンゴ、リンドウ、キュウリなど、旬の作物を各農園で分担して生産し、北海道から沖縄県まで全国の消費者に届けています。
     「市場に流されない経営方法を目指し、自信を持って私たちの生産物を提供したい」とのことです。
     協力販売で生産量を増やすことで品切れを防ぎ、安定した商品提供につなげていて、特に、りんごと種バレイショの栽培の歴史は長く、品種も多彩なものが揃っています。
     • りんご(栽培歴120年):サンふじ、シナノゴールド、王林、ハックナイン、コウコウ、青林、はるか等
     • ジャガイモ(栽培歴70年):キタアカリ、メークイン、伯爵、ベニアカリ、ノーザンルビー 等

◇「大西ファーム」は加工品や希少野菜を対面販売等で積極的に販路拡大しており、「いわてひろファーム」は5人の仲間で分担してインターネット販売により固定客を獲得しながら全国に販売していました。タイプは異なるものの新しい取り組みに積極的に挑戦する先輩の姿を見て、受講生アンケートでも感心する声が多数でした。


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○ 平成27年9月16日(水) 「経営改善計画演習」
  1. 講師…佐藤 嘉彦 氏 (岩手県中央農業改良普及センター 上席農業普及員)
  2. 講師…松浦 貞彦 氏 (岩手県中央農業改良普及センター 主任農業普及員)

今日からいよいよ各自パソコンを持ち込んで「農具ビジネス戦略計画」策定の実際編に入りました。まずは「会計・財務管理と経営診断」講義のおさらい、そして生産技術体系の選択から始まる自分の経営の中長期計画策定にあたって必要な数値の入力方法等を学びました。
 午後から実際にパソコンで入力していきましたが、スライドでの説明を聞くのと、実際に自分で入力するのとでは だいぶ勝手が違い、かなり苦労している人もいたようです。
 次の講義は12月2日までないので、その間 自宅でいかに取り組むのかが肝心となってきそうです。


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○ 平成27年9月9日(木) 「食の安全管理」
  1. 講師1…塚本知玄 氏 (岩手大学農学部食品化学研究室 准教授)
  2. 内容:
  3. (1)食品衛生の概念
  4. (2)リスクアナリシス(リスクアセスメント、リスクマネジメント、リスクコミュニケーション)
  5. (3)HACCP管理方式について
    安全か安全でないかは◯か☓かのみでは答えられない。リスクの程度が問題であり、このことを理解した上で食品安全の確保に取り組むこと、お客様に説明していくことが大切、ということについて講義をいただきました。
  1. 講師2…小島 純 氏 (岩手県環境生活部県民くらしの安全課食の安全安心課長) 
  2. 内容:
  3. (1)食品の安全性の確保に関する法律の構成、概要(食品安全基本法、食品衛生法など)
  4. (2)新しい食品表示制度
  5. (3)岩手県食の安全按針推進条例に基づく取組(岩手版HACCPなど)
    最近の食をめぐる事故や食品表示に関する留意点及び食品等事業者の衛生管理の質的向上を目指して取り組む岩手版HACCPなど講義をいただきました。

その後受講生の皆さんと各経営での取組に照らして、実際の対応や考え方についてディスカッションを行いました。
 店頭、産直などでの商品の販売や6次産業化によるお客様の開拓など今後の展開にあたって食品の安全性の確保の取組はとても重要です。


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○ 平成27年8月25日(火) 「農業技術先進地研修2」
  1. 東北農業研究センター
    国立研究開発法人 農研機構東北農業研究センターでは、多くの新技術や新品種を開発していますが、今回はその研究成果の中から以下の3点について研修しました。

    ① 「日本短角種に出産、哺育される黒毛和種子牛は発育が良い」
    講師…山口 学 氏 (東北農業研究センター 畜産飼料作研究領域)
    東北の自然から生まれた日本短角種の夏山冬里方式に胚移植技術を組み込むことにより、黒毛ET子牛を良好に育成することができる技術で、短角牛生産地域における収益性の向上と経営の安定に貢献するもの。

    ② 転炉スラグを用いた土壌pH矯正による土壌病害被害軽減技術
    講師…永坂 厚 氏 (東北農業研究センター 生産環境研究領域)
    市販の転炉スラグを利用して、土壌PHを7.5程度まで上げて栽培することにより、キュウリホモプシス根腐病やほうれんそう等の土壌伝染性フザリウム病害等の被害軽減を図るもので、ガス化した薬害による事故等はなく、土壌微生物相への影響も小さく、効果が複数年に及ぶ、などのメリットが期待できる。

    ③ グラディオトロン(温度勾配実験施設)見学、研究紹介
    講師…熊谷 悦史 氏 (東北農業研究センター 生産環境研究領域)
    平成5年の大冷害を契機に冷害研究のため、平成7年に8億円をかけて建設されたもので、1棟の温室の入口と出口で温度が5〜7℃異なるように栽培することができ、施設では実際に栽培された大豆をみて、その生育差をしっかり確認できました。
  1. 岩手大学農学部附属寒冷フィールドサイエンス教育研究センター(FSC)滝沢農場
    講師…佐川 了 氏 (岩手大学農学部 教授)
    講師…渡邉 学 氏 (岩手大学農学部 助教)

    ①水稲
    農場開設以来NPKそれぞれの成分を制約して50年近く連作している圃場で稲の生育を確認したほか、稲の品種展示圃や直播水田の生育状況等を研修した。

    ② 畑作物
    ・ 岩大で開発した大豆「貴まる」、「さとほのか」等の生育状況。
    ・ 雑穀の品種展示圃や世界初のもちヒエ品種「長十郎」。

    ② 果樹
    ・ 糖度20度にもなるりんごの岩手大学開発品種「はるか」の特徴と生育状況。
    ・日本一の品種数(80品種)を植栽したブルーベリー見本園の栽培状況。
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○ 平成27年8月20日(木)/9月3日(木) 「会計・財務管理と経営診断」
  1. 講師…八木橋 美紀 氏 (八木橋美紀税理士事務所)
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○ 平成27年8月3日(月) 「農業経営戦略演習」
  1. 講師…佐藤 嘉彦 氏 (岩手県中央農業改良普及センター上席農業普及員)

 今日から受講生が修了時に提出する「農業ビジネス戦略計画」の作成に向けての講義演習が本格的に始まりました。
 講義は、まず講師の県中央農業改良普及センター上席農業普及員佐藤嘉彦氏から戦略と戦術の構想や経営理念の考え方、経営改善計画策定の実際について、講義を受けたあと、グループに分かれて演習を行いました。
 まず、KJ法を用いて、班毎に「地域の現状・課題」、「組織・営農体制」、「具体的な営農活動」について、それぞれカードに書き込み、話し合いながらそれを分類、グルーピングしました。
 次にそのカードを利用して内部環境の強み(S)と弱み(W)、外部環境の機会(O)と脅威(T)に区分し、SWOT分析のワークシートの横と縦に貼り付けしました。
 そして、ワークシートを見ながら、@強みを生かして機会を掴む、A弱みを克服して脅威を避ける、など、SWOT分析によるクロス分析表で解決策を見いだす演習を行いました。
 今日は初めてということもあり、すんなり解決策まで、というケースは少なかったのですが、やり方は十分習得できたようです。次は受講生がそれぞれの家でこの分析を実施して、自分の戦略計画に生かしていくこととなります‖ge_top9','','../images/pagetop1.jpg',1)">ページ上部へ

○ 平成27年8月3日(月) 「農業経営戦略演習」
  1. 講師…佐藤 嘉彦 氏 (岩手県中央農業改良普及センター上席農業普及員)

 今日から受講生が修了時に提出する「農業ビジネス戦略計画」の作成に向けての講義演習が本格的に始まりました。
 講義は、まず講師の県中央農業改良普及センター上席農業普及員佐藤嘉彦氏から戦略と戦術の構想や経営理念の考え方、経営改善計画策定の実際について、講義を受けたあと、グループに分かれて演習を行いました。
 まず、KJ法を用いて、班毎に「地域の現状・課題」、「組織・営農体制」、「具体的な営農活動」について、それぞれカードに書き込み、話し合いながらそれを分類、グルーピングしました。
 次にそのカードを利用して内部環境の強み(S)と弱み(W)、外部環境の機会(O)と脅威(T)に区分し、SWOT分析のワークシートの横と縦に貼り付けしました。
 そして、ワークシートを見ながら、@強みを生かして機会を掴む、A弱みを克服して脅威を避ける、など、SWOT分析によるクロス分析表で解決策を見いだす演習を行いました。
 今日は初めてということもあり、すんなり解決策まで、というケースは少なかったのですが、やり方は十分習得できたようです。次は受講生がそれぞれの家でこの分析を実施して、自分の戦略計画に生かしていくこととなります。

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○ 平成27年7月29日(水) 「農業技術先進地研修1」

農業生産管理の実際について、先進農家等の取組事例を視察することを目的とした「農業技術先進地研修1」では、雫石町の3カ所を視察してきました。

  1. (有)ファーム菅久
    対応者…菅原 久耕 氏 (代表)
    テーマ…「土にこだわり、苗にこだわる米づくりと加工品の製造販売の取組」
     代表の菅原さんは土作りを基本とし、畜産農家にわら、もみ殻を供給し、けいふんをベースに米ぬか、菜種かす、有用微生物群菌(EM菌)を配合・熟成するなど、耕畜連携による良質な堆肥施用を柱とした土作りや、減農薬・減化学肥料栽培による環境に配慮した農業を実践し、小麦や卵アレルギー物質7品目を含まない米粉麺や米菓などの加工品も販売しています。アトピーの子供達も食べられる安全安心な米作りに取組んでいる菅原さんの優しいお人柄がみえました。
  2. 田原農園
    対応者…田原 浩志 氏 (代表)(アグリ管理士)
    テーマ…「大学等と連携した最新技術の導入による園芸作物の栽培と農福連携の取組」
     代表の田原さんはもみがら培地と不織布を利用した高設栽培で、四季成りイチゴ、クッキングトマト、カリフラワーを作っています。かん水はタイマー制御と点滴かん水による自動化で電照装置を設置しています。また、高齢者・障がい者との協働を前提に就農し、福祉作業所が搾油する菜種油の営業支援も行っているそうです。
     田原さんの作る、クッキングトマトは加熱しなくても、十分に美味しかったです。
  3. (株)重次郎
    対応者…中屋敷 敏晃 氏 (代表取締役)(アグリ管理士)
    テーマ…「地域資源を活用した大規模和牛繁殖経営と自社ブランド確立への取組」
     代表の中屋敷さんは夏場は公共牧野に放牧しながら、高原野菜農家が撤退した休耕地で牧草を生産し、地域の貢献につなげるとともに、冬場の良質乾草の確保により増頭を図っています。繁殖から肥育、加工、販売までの一貫化が目標で、自社ブランドの確立のため、まだ生産頭数の少ない短角(母牛)×黒毛(種牛)にターゲットを当て、自社の重次郎(中屋敷)ブランドとして、短角の赤肉と和牛の霜降り肉を融合した牛肉を目標としています。
     数人の仲間と協力して、食品残さ(おから、ビール粕、ウイスキーの絞り粕など)を利用したエコフィード認証の濃厚飼料を使用することにより、生産コストの削減に努めています。
     町内にパン店も出店しており、当日はパン店が定休日にもかかわらずパンを焼いてくれていました。とても美味しかったです。
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○ 平成27年7月22日(水) 「農場の衛生管理」
  1. 講師…田上 隆一 氏 (日本生産者GAP協会理事長)

 講師は、2005年に日本GAP協会を設立、その後2010年に日本生産者GAP協会を設立、それぞれ理事長として多年にわたり、GAPの普及に努めており、全国で普及員や営農指導員への研修も行っている。業界の事情を最も良く知る方である。
 GAPの講義を1日で習得するのは、かなり難しく、受講生アンケートでも「講義レベルが高い」とする声が多かったが、満足度は高く、GAPの意義や必要性については理解されたと思われる。
 特にグローバル化する農業の中でGAPに関わらずにはいられなくなる現状を目の当たりにし、持続可能な農業を行うためにも、自らの意志で計画し、実践し、評価する大切さを強く感じたものと思われた。

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○ 平成27年7月15日(水)〜16日(木) 「現場スタディ」

「現場スタディ」は、先端的な経営管理手法を行っている農業経営の先進事例を視察するものですが、今年は7/15〜7/16に青森方面へ行ってきました。視察先は5カ所で、初日に@野菜くらぶの葛西氏(黒石市)、Aタムラファーム(弘前市)、B白神アグリサービス(鰺ヶ沢町)、2日目にC金子ファーム(七戸町)、D赤沼営農組合を訪れました。

  1. 野菜くらぶの葛西氏(黒石市)
    対応者…葛西 龍文 氏 (野菜くらぶ青森支部長)
    1. 葛西さんは、八甲田山麓黒石市沖揚平(標高およそ700m)の立地条件を生かした野菜の生産とお客様との顔が見える契約栽培に取り組まれています。
    2. 本年度の収穫、出荷開始時期とのことで、レタス生産をはじめ、お客様との顔が見える取組を通じて、経営の考え方などについてお話を伺うことができました。
  1. タムラファーム(弘前市)
    対応者…田村 昌司 氏 (代表取締役)
    1. 自社で育てたりんごの加工・販売にも力を入れており、シードルやアップルパイ、ジャム、ジュースなどを生産しています。ちょうど視察直前の7/10に、NHKの「東北Z」という番組でタレントのIMALUさんがタムラファームさんを訪れた模様も放送されていました。
    2. 田村社長さんはもともとりんご農家ではなかったが、完熟したおいしいりんごを消費者のもとに届けたいとの思いで、大手青果市場の営業職から転身。試行錯誤の末、果肉が緻密で糖度が高いりんごの出荷に成功します。その後加工事業にも力を入れるようになったのは91年の大型台風19号による被害がきっかけとのこと。
    3. 当日は田村社長さんのご厚意でシードルやジュース、アップルパイを頂きました!シードルはフルーティで飲みやすく、アップルパイは紅玉りんごの赤色が見た目にも鮮やかで、素材のおいしさをそのまま生かすようにしているとのことでした。
  1. 白神アグリサービス(鰺ヶ沢町)
    対応者…木村 才樹 氏 (取締役)
    1. 白神アグリサービスは、農家6人と1法人で、平成16年に転作奨励金の受皿として設立。
    2. 大豆80ha、小麦20ha、飼料米10ha、果樹等を栽培するほか、作業受託や加工品も大規模に行い、年売上高は1.4億円である。
    3. グリーンツーリズムで大学生等が多く訪れており、学生がデザインした商品も多い。
    4. 説明してくれた木村才樹さんは、別会社バイオエネルギーの代表も兼務、朝・昼食抜き、1日3時間の睡眠で業務をこなすバイタリティーに脱帽です。
  1. 金子ファーム(七戸町)
    対応者…金子 春雄 氏 (代表取締役社長)
    1. 当ファームは、安全で美味しいオリジナルブランドの牛肉を生産しています。配合飼料(トウモロコシ、大豆などを中心に調合した穀物)と抗生物質を一切入れない飼料(ビタミン、ミネラル類の調合)と粗飼料と言われる稲わらを食べさせて、風味豊かな美味しい牛肉に仕上げています。
    2. その美味しい牛肉を使ったメニューを、自らが経営するレストラン「NARABI」で食べることができます。我々はお店一押しの「ナラビごはん」というメニューを頂きました。スライスされた牛肉の上に新鮮な生卵と特製だれをかけて頂くもので、薬味の大葉がアクセントになっていてとてもおいしかったです。
    3. レストランと併設した手づくりジェラート店「NAMIKI」では、当ファームが大切に育てたジャージー牛のミルクをベースに、様々な旬の素材から作られた、新鮮でおいしいジェラートが色とりどりにショーケースに並んでいました。
    4. また、当ファームは循環型畜産にも取り組んでいます。牛から排出される糞を使って堆肥を作り、その堆肥を使った畑でデントコーン(家畜用とうもろこし)を栽培し、そのデントコーンが牛たちの飼料に還元されるしくみです。
  1. 農事組合法人赤沼営農組合(十和田市)
    対応者…沼岡 晴男 氏 (代表理事組合長)
    1. 赤沼営農組合は、集落営農から発展し、平成19年に設立された農事組合法人で、水稲、大豆、小麦ほか飼料作物などおよそ165haでの生産に取り組まれています。
    2. 地域全体のチームワークが特徴とのことで、地域の70名のみなさんが参加して運営されています。
    3. 平成25年3月には「かあちゃんの加工所」を開設し、「こうじみそ」、「にんにくみそ」、「手作り豆腐」をはじめ、多数商品を製造し、併設の直売所や市内の物産館で販売されています。
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○ 平成27年7月8日(水) 公開講座「農業経営戦略論」

今回の講義は公開講座として開催し、受講生をはじめ、総42名の参加がありました。概要は以下のとおりです。

  1. イントロダクション 「農業経営者に求められること」
    講師…岩手県立大学総合政策学部准教授 新田 義修 氏
    「あなたの経営理念は?」「販売力向上のための対策を4つ書け」などの問いに対する答えを具体的に紙に書き、グループ討議等で議論を深めました。
  2. 講演 「戦略的事業計画と経営革新」
    講師…(株)トダックス顧問 戸田直員氏
    1. ○○だった幼年時代から18才で菓子製造業で独立、20才で管工事業に転身し、現在の年商10億を超える「(株)トダックス」を育て上げるまでの人生哲学、経営哲学を話されたが、実際の経験に基づいた話なので、その迫力と説得力は比類のないものでした。
    2. 戸田氏の経営哲学 @売られた喧嘩は必ず買う、A常にイノベーションに心掛ける、B業務を複雑にする、C値決めができる経営、D美しい決算書を求める※現状を複雑化、複雑な業務をシンプル化、の繰り返しでマンネリ化を打破していく。
    3. 会社の経営理念 @最高の技術でより多くのお客様に満足を与え、適正な利潤を確保する。A私達ひとりひとりの成長と成果が安定経営と豊かな生活の基盤であることを全員が自覚しなければならない。※年中無休・24時間体制、モットー「消防車より早く、警察より力強く、救急車より優しく」
  3.  所感
    1. 社員全員の海外研修旅行等、社員を大切にする姿勢や下請業者を大切にする姿勢、地域社会への貢献活動等に戸田氏の考え方が良く表れていると感じました。
    2. 夜の意見交換会では更に昼には話せなかった話も聞けました。
    3. 戸田語録はWebで公開されていますので、是非、参考に!http://www.todax.co.jp/aisatu/todax_goroku.cgi
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○ 平成27年6月23日(火) 「土壌管理」
  1. 講師…立石 貴浩 氏 (岩手大学農学部応用生物化学課程 土壌学研究室 准教授)
  2. 講師…多田 勝郎 氏 (岩手県農業研究センター環境部長)
  3. 講師…河合 成直 氏 (岩手大学農学部応用生物化学課程 植物栄養生理学研究室 教授)

 栽培の中でも最も重要な土壌管理(肥料含)について、3名の講師の方から講義いただきました。
 午前は岩手大学農学部応用生物化学課程 土壌学研究室の立石貴浩准教授から「土壌の基礎」についての土壌サンプル等の実物を回したり、土壌の物理性や生物性について、実際に器具を使っての実験を見せるなど、わかりやすく実施していただきました。
 午後は@岩手県農研センター環境部の多田勝郎部長から「岩手県における環境に優しい土壌管理・病害虫管理技術」について、A岩手大学農学部応用生物化学課程 植物栄養生理学研究室の河合成直教授から「植物の栄養と土壌肥沃度(土壌診断の基礎)」について講義をしていただきました。

 特記すべきは、河合先生が非常に危惧しておられた「リン酸の枯渇」問題です。肥料3要素の中で唯一リン酸が枯渇の危機に瀕しています。リン鉱石は有限で世界の埋蔵量にも偏りがある(米国、中国、モロッコで世界の採掘量の2/3)ことや、リン酸が車のペンキやソーラーパネルにも使われていることから、今後、世界規模の争奪戦になる可能性があります。
 石油の枯渇問題の際には、代替エネルギーやオイルシェール等により、当面の問題は回避できまたが、リン酸は農業と一部の産業しか関与しておらず、今のところ農業関係者にも動きが見られませんが、いざ不足状態になれば、その影響は計り知れません。特に輸入に頼るしかない我が国は深刻な状況に陥ります。
 食糧危機に直結する「リン酸枯渇問題」に対応するためには、今から対策を立てる必要があります。河合先生が力説されるように、下水の糞尿を焼いてリン酸を回収するなど、如何にリン酸を得るかを考えることが我々の子孫に対する義務と言えます。
 受講生をはじめ、農業者の皆さんが先頭に立って取り組んで行くことを期待しています。

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○ 平成27年6月18日(木) 「経営成長の管理」

経営成長実現に向けた経営管理の方法と現場での具体的な農業経営の成長方法等を学びました。

  1. 講師…県農研センター農業経営研究室長 村上 和史 氏
  2. 講師…盛川農場代表取締役 盛川 周祐 氏 (アグリ管理士)
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○ 平成27年6月3日(水) 「農業経営の発展と農業協同組合」
  1. 「JAいわてグループにおける農業経営支援内容の実際」 
    講師…木下 徹 氏 (農業経営支援研究所代表)
  2. 「1.協同組合とは、2.農協をめぐる問題、3.農商工連携と協同組合」
    講師…小山 良太 氏 (福島大学経済経営学類教授)
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