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学部改組の趣旨と新しい構成 |
農学部は従来の産業分野に応じた縦割りの7学科44講座体制から、平成3年度に4学科27講座に再編した。それはバイオテクノロジーや情報科学の先端科学技術及び環境問題等への社会的要請、生物の生産・管理・利用に係る総合科学としての農学の体系化、及び国際化時代に対応した人材養成と研究機能の拡大と共に地域社会への貢献等に応える体制作りのためである。この改組により、学生は履修科目の選択度が高まり幅広い専門性を修得でき、研究面では従来の講座の壁が低くなり関連分野の交流が深まる等の成果が得られた。しかし、学科や講座の編成や名称が学生に分りにくいことやこれまでの専門性を特化しにくい専修、及び実社会の産業構造や公務員試験の枠組みと整合しにくい専修を生じた。また、獣医学科及び附属施設の改組が見送られてきた。
この度の農学部改組は、平成3年度改組の趣旨をさらに深化させつつ、21世紀において直面する人口急増による食糧問題、地球温暖化に象徴される環境問題、膨大な電力消費やモータリゼーションに見られるエネルギー資源問題、及び廃棄物の処理問題等の解決に貢献する専門学部として、附属施設を含めて対応する教育研究体制を構築したものである。 このため、農学部を3学科・11大講座に改組した。他に4附属施設も協力講座として学部教育に参画している。なお、大学院修士課程の改組については、学年進行により検討中である。改組により、農学部の教育・研究分野を次の3点に集約した。
1.寒冷地における生物機能の解明と開発、動物及び植物資源の持続的生産技術と生物系廃棄物の処理・有効利用技術、及び健康増進を図る機能性食品の開発等を包含する生命科学分野
2.森林の広範な機能の解明と総合的な利活用技術の開発、食糧生産基盤(農地や用水)の整備と健全な地域環境の保全と創出技術、生物生産システムのエネルギー循環型持続的農業の追求及びこれらを総合化した社会科学の視点から、地域資源を基盤とした地域社会の維持発展を図る環境科学分野
3.動物の疾病予防、環境ホルモン等を含む食品の安全性、各種動物の諸疾病の診断・治療法、さらに人間と動物の絆の確立を図る領域や動物介在療法等に関する動物医学分野
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