授    業    科    目  :  制御工学 (後期開講)

対象学生 (専修名及び年次)  :  農業生産環境工学科 (生物生産工学 2年次)

講座等(必修・選択別、単位数):  専修共通 (必修・2単位)

担当教官(所属、所在)     :  鳥巣 諒 (農業生産環境工学科)(1号館3階)

 

授 業 の 目 標 :

 制御工学は、オートメーションの基礎となる学問で、我々の分野でも農業ロボット、農作業機械の自動制御、食品工業のプロセス制御など幅広い分野でその知識が必要とされる基礎科目である。即ち、制御工学は取り扱う対象が電気、機械、化学など広範囲にわたり、各分野に共通な概念や手法を統一的に論じる科学・技術であるため抽象的になりやすい。そこで、本授業は、自動化機械を制御の観点からできる限り具体的に講義する。その目標は、フィードバック制御理論を理解することにある。特にその基礎概念の理解を深めることにある。

 

授 業 の 概 要 :

 授業の構成は次の通りである。はじめに、制御とは何かを述べ、その中心技術であるフィードバック制御の説明を行う。続いてラプラス変換、伝達関数、ブロック線図等の基礎概念を説明する。次に、これらを用いてシステムの過渡応答、周波数応答を調べ、フィードバック制御系の特性解析を行う。次に、シンセシスとして制御系の設計を講義する。最後に、農業機械の自動制御について幾つかの応用例を紹介する。

 

 授 業 計 画   :

   第1回 フィードバック制御の定義と種類

   第2回 ラプラス変換概説

   第3回 微分方程式との関係:演習(レポート)

   第4回 伝達関数

   第5回 基本要素の伝達関数

   第6回 ブロック線図の等価変換:小テスト/演習(レポート)

   第7回 要素の応答/応答特性の評価

   第8回 周波数応答:小テスト/演習(レポート)

   第9回 フィードバック制御の特徴/安定性

   第10回 閉ループ系のステップ応答・閉ループ系の周波数応答

   第11回 安定限界/小テスト/演習

   第12回 制御系から見た機械の設定

   第13回 制御系から見た機械の設定(続き):演習(レポート)

   第14回 農業機械の自動制御

   第15回 最終評価(期末テスト)

 

教科書,教材・参考書 :

   教科書:小林伸明,基礎制御工学

   参考書:森政弘・小川廣一,初めて学ぶ基礎制御工学(東京電気大出版)

       示村悦二郎,自動制御とは何か(コロナ社)

 

授業の形式 :

  この科目も基礎力をつけるためには紙と鉛筆を持ったトレーニングが必要である。

  このため、演習とレポートを課す。

 

成績評価の方法 :

  レポート,小テスト,期末試験の合計評価に出席点を加味して総合評価を行う。

 

履修にあたっての留意点 :

  出席は毎時間とり,重視する。