授    業    科    目   :  農業システム工学  (後期開講)

対象学生 (専修名及び年次)  :  農業生産環境工学科 (生物生産工学 3年次)

講座等(必修・選択別、単位数) :  専修共通 (必修・2単位)

担当教官(所属、所在)     :  武田純一 (農業生産環境工学科) (1号館3階)

 

授 業 の 目 標 :

 農業生産は,作物や家畜等の有用生物を対象とし,多くは農地という自然環境あるいは施設農業や家畜飼育舎等の,幾分は人工的な制御が加味された環境のもとで生産活動を行うために,生産に及ぼす多数の要素や条件が絡み合っている。これらを合理的に取り扱い,かつ最適に制御するには,コンピュータの援用により農業に関する膨大な資料のデータベースを構築し,更にシステム工学を駆使して複雑な生物生産の数学モデルの最適解を見出す必要がある。本講義では,これまで巨大プロジェクトなどの科学工学分野で培われてきたシステム工学を,生物生産の分野に導入するにあたり,システム工学の概要と各モデルの特性と利用法について講義する。

 

授 業 の 概 要 :

 システム工学的な考え方と,アポロ計画などの実例を紹介し,農業生産分野へのシステム工学の利用可能性を講義する。更に,これまでに使用されてきた各種システムモデルの特性について,農業への応用例を挙げて詳述する。次に,農業機械・施設のシステム化,及び農作業体系における機械利用システムの作業計画,機械利用コスト,営農計画のシミュレーションモデルとその最適化について解説する。

 

授 業 計 画   :

  第1回 システム工学の歴史と思考法

  第2回 農業システムの概念

  第3回 農業に関するデータベース

  第4回 システムモデルの種類

  第5回 農業生産システムのモデル化

  第6回 確率モデルと待ち行列理論

  第7回 システム分析とシミュレーション

  第8回 スケジュリングと動的計画法

  第9回 システムの最適化

  第10回 システムのシーケンス論理制御

  第11回 システムの信頼性

  第12回 農業機械利用による作業計画

  第13回 農業機械の利用コスト

  第14回 機械化農作業体系の最適化

  第15回 期末試験

 

教科書,教材・参考書 :

   教科書:小中俊雄著,「農業システム工学」(朝倉書店)

   参考書:図書館に「システム工学」に関する多数の本がある。

 

授業の形式 :

   黒板及びOHPを用いて,できるだけ視聴覚を利用する。随時レポート課題を課し,提出させる。

 

成績評価の方法 :

   学期末のテスト,授業時に課したレポート及び出席状況で評価する。

 

履修にあたっての留意点 :

   出席を毎時間とる。