授業科目:栄養化学(後 期 開 講)

対象学生(専修名及び年次):応用生物学科(生物資源利用学2年次,食料栄養科学講座,必修・2単位),応用生物学科(生物機能開発学3年次,専修外,選択・2単位)

担当教官(所属・所在):長澤孝志(応用生物学科・4号館308号室)

授業の目標:

 牛乳は消化吸収に優れた食品といわれるのに飲むとおなかがゴロゴロする。食品としては炭水化物を摂るのに、体の中には炭水化物は少ない。血液中の糖の濃度はどのようにして一定に保たれるのか。このような疑問に答えるため、食品成分がどのように消化、吸収され、体の中で利用されるのかについて、その概観をつかみ、健康に生きるための基礎知識を得ることを目的とする。

授業の概要:

 まず栄養化学の実験法について考える。次いで食物の消化、吸収の機構と調節について説明する。さらに各栄養素、すなわち糖質、脂質、タンパク質の吸収後の運命について述べ、生体が常に一定の状態に保つことができる(恒常性)機構について触れる。講義で感じた疑問点はどしどし質問して欲しい。

 授業計画

第1回 栄養化学の実験法。ヒトから遺伝子まで。

第2回 消化・吸収(1) 口から胃まで。

第3回 消化・吸収(2) 小腸と大腸における消化、消化管ホルモン。

第4回 消化・吸収(3) 吸収の機構

第5回 糖質の代謝と栄養(1) 解糖系と TCA回路。

第6回 糖質の代謝と栄養(2) 電子伝達系、糖新生と糖質代謝の調節。

第7回 脂質の代謝と栄養(1) 脂質の生体内における流れと脂肪酸の酸化。

第8回 脂質の代謝と栄養(2) 脂肪酸の合成。コレステロールの代謝。

第9回 タンパク質の代謝と栄養(1) タンパク質の合成と分解。タンパク質の必要量。 

第10回 タンパク質の代謝と栄養(2) アミノ酸の代謝。

第11回 ミネラルの代謝

第12〜14回 代謝調節。ホルモンによる調節。代謝の相互関係。病態と代謝。

第15回 テスト

教科書、教材、参考書:教科書としては「食品栄養学」(木村、吉田編、文永堂出版)を用いる。その他参考書は講義で紹介する。

授業の形式:OHPなどを用いた講義する。

成績評価の方法:セクションごとの小テストと学期末にペーパーテストを行い、出席と合わせて評価する。

履修にあたっての留意点:質問は随時受け付ける。OHPを用いた授業に慣れること。