授 業 科 目:食 品 化 学(前 期 開 講)
対象学生(専修名及び年次):応用生物学科(生物資源利用学2年次,専修共通必修2単位),応用生物学科(生物機能開発学2年次,専修外選択2単位),農業生産環境工学(生物生産工学年次指定無,専修外選択2単位)
担当教官(所属・所在):長澤孝志(応用生物学科,4号館308号室),西澤直行(応用生物学科,4号館307号室)
授業の目標:
コムギも米も穀類であるが、米からはパンはできない。パンの食感はコムギのどの成分によるのだろうか。脂肪の取りすぎは成人病の原因となるといわれているが、脂肪の中には成人病の予防になるEPAやDHAも含まれている。食物繊維は1日20g摂取するようにといわれているが、食品の成分のうちどれが食物繊維なのだろうか。最近、われわれの身の回りにはいろいろな食品に含まれる成分名が登場してくるが、どれだけ正確に理解しているだろうか。この講義では日常摂取する食品を中心に、それがどのような成分でできているか、その化学的特性と機能および健康との関係を紹介し、2年次後期以降の関連科目の基礎となるようにしたい。
授業の概要:
この講義では食品に含まれる物質を中心に、炭水化物、脂質、タンパク質の化学を、実際の食品を例に挙げながら説明する。また、他の関連科目であまり取り上げられないビタミンとミネラルについても解説する。
授業計画:
第1回 炭水化物(1) 単糖類と少糖類の性質と甘味料の関係
第2回 炭水化物(2) 多糖類。デンプンとセルロース。食物繊維とは。
第3回 タンパク質(1) タンパク質の性質と構造。タンパク質の性質と料理との関係。
第4回 タンパク質(2) 核酸 アミノ酸と核酸の性質と構造。旨味調味料の正体。
第5回 脂質(1) 中性脂肪と脂肪酸。EPAとDHAの栄養。
第6回 脂質(2) リン脂質とコレステロール。天然 の乳化剤レシチン。
第7回〜第8回 ビタミン(1) 水溶性ビタミン。ビタミンB群。ビタミンC。
第9回〜第10回 ビタミン(2) 脂溶性ビタミン。ビタミンA、Dの新しい機能。
第11回〜第12回 ミネラル。スライド。
第13回 食品の機能性入門。身近な食品はどのように健康に作用しているか。機能性成分の化学。ビデオ。
第14回 機能性食品とは−そのヒトにおける生理機能:スライド
第15回 試験
教科書、教材、参考書:教科書として食品栄養学(吉田昭、木村修一編、文永堂出版)を用いるが、これは後期以降の栄養化学、食品機能学などでも使用する。生物化学に関する著書にも参考書として目を通しておいて欲しい。
授業の形式:できるだけ実際の食品を用いて講義を行なう。毎回OHPあるいはスライド、ビデオを使用する。
成績評価の方法:学期末にペーパーテストを行い、出席と合わせて評価する。
履修にあたっての留意点:平成8年度以前の入学生の場合は食品生化学の講義に対応する。平成8年度以前の入学生に対する食品化学の講義は別途(後期)行なう。