食餌による骨格筋タンパク質の合成と分解の調節機構
食餌による骨格筋タンパク質の分解の制御機構骨格筋は体重の40%を占める体の中では最大の組織で、運動を行う重要な器官であると同時に、量的に多いことから骨格筋タンパク質が体タンパク質代謝の調節に重要な役割を担っている。我々は摂食により骨格筋タンパク質の合成が短時間で顕著に促進され、また分解が抑制されることをマウスやラットを用いて見出した。合成の調節には食餌摂取によるインスリンの分泌が影響されていることが示唆された。また分解はインスリンなどのホルモンだけではなく、食餌中のタンパク質が重要なファクターである可能性を示している。
主要業績
T. Nagasawa, N. Hashiguchi and R. Onodera. Effect of stravation on the plasma Nt-methylhistidine concentration in goats. Biosci. Biotech. Biochem., 57: 517 (1993)
長澤孝志 筋肉タンパク質の分解機構に関する栄養生化学的研究.日本栄養・食糧学会誌, 48: 347-355 (1995)
T. Nagasawa, F. Yoshizawa and N. Nishizawa. Plasma Nt-methylhistidine concentration is a senstive index of myofibrillar protein degradation during starvation in rats. Biosci. Biotech. Biochem., 60: 501-502 (1996)
F. Yoshizawa, T. Nagasawa, N. Nishizawa and R. Funabiki. Protein synthesis and degradation change rapidly in response to food intake in muscle of food-deprived mice. J. Nutr., 127: 1156-1159 (1997)