授 業 科 目 | 対象学生(専修名及び年次) | 講座等(必修・選択別、単位数) | 担当教官(所属、所在) | |
森林経営計画学I (前期開講) |
森林生産学専修3年次 | 森林環境管理学(必修、2単位) | 比屋根 哲(農林生産学科) (2号棟4階) |
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授業の目標 これまでの林業における木材生産活動を中心とし た森林経営のあり方に関する理論と方法について、 主として従来の理論および森林経営の歴史の紹介の 中で学習する。ここでは、すでに確立された理論お よび方法としてではなく、従来の森林経営の歴史や 経営の諸理論を検討することで、既存の森林経営の 実態から批判的に学ぶ能力、および将来の森林経営 のあり方を自ら考え得る基礎的な能力の養成を目標 としている。 とくに今後における総合的森林利用のための森林 管理のあり方について、何が課題かを自ら考え得る 能力の養成をめざしている。 授業の概要 森林経営計画学Iの講義では、はじめに森林に対 する人間のはたらきかけとしての森林施業について 我国における森林施業の展開過程の具体例を基に概 説する。また、この事例紹介のなかで、森林経営の 基本理念としての森林の場所的および時間的秩序付 けについても解説する。森林の場所的、時間的秩序 付けに関する諸理論の具体的な説明では、森林区画 生産期間、収穫規整法等について、具体的な事例の 中でその役割が理解できるように解説する。最後に 現在の国有林の施業体系についても概説し、森林経 営計画のあり方について議論する。 |
授業計画 第1回 森林経営計画学 I の概要説明 ビデオ等:我国国有林経営の戦後史 第2回 我国の森林施業の具体例の解説(1) (主として皆伐作業について) 第3回 我国の森林施業の具体例の解説(2) (主として択伐作業について) 第4回 林業の生産手段、経営からみた森林 生産の長期性から派生する林業経営の特徴等 第5回 森林作業法の概説 皆伐作業、択伐作業、漸伐作業 等 第6回 理想的森林状態としての法正林の概念 法正林の4つの要件、法正林思想の考え方等 第7回 施業仕組の解説(その1) 森林の場所的秩序付けとしての森林区画 林班、小班、事業区、作業級等 第8回 施業仕組の解説(その2) 森林の時間的秩序付けとしての生産期間 伐期齢、輪伐期、回帰年、更新期等 第9回〜第10回 施業仕組の解説(その3) 林業の収穫規整 区画輪伐法、材積配分法、平分法 齢級法、林分経済法、法正蓄積法等 第11回 照査法の理論と具体例の解説 非皆伐施業としての照査法の施業構造 第12回 国有林経営・森林施業の諸問題 森林の機能類型、生産群等 第13回 森林経営計画学の将来 森林計測学との統一的発展の展望と課題等 注)講義の順序、回数は合併・変更することがある。 |
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テキスト、教材 参考書 |
定まったテキストは使用しないが、主な参考書は”森林経理学”(井上由扶著、地球社) ”照査法”(クヌッヒェル著・山畑一善訳、都市文化社)、”人間にとって森林とは何か”(菅 原 聡著、講談社)等がある。前2つは、図書館に所蔵。3つめは講読を推賞する。 |
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授業の形式 | OHPと配布資料を併用して講義を行う。また、ビデオ等も活用して具体的なイメージを つかめるよう配慮する。講義時間中にミニレポートの提出を求めることがある。 |
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成績評価の方法 | 学期末のペーパーテスト、講義の出席状況、および講義時提出のミニレポートの内容を総 合して評価を行う。 |
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履修にあたっての 留意点 |
試験の内容は最低限の知識を問う出題の他に、講義内容を受けて自らの考え方の提示を 求める設問を課す。したがって、履修にあたっては講義内容を批判的に理解する姿勢が要 求される。学期末のペーパーテストでは、参考書、ノート類の持ち込みは不可。 |