林政学 II

・開講時期---後期
・対象学生---農林生産学科3年次
・担当講座---農林経済学(林政)

・単位等-----選択(2単位)
・担当教官---土屋俊幸/伊藤幸男

授業の目標

 「林政学 II」は、実際に自分で事実を調べ、それに基づいて考え、討論することにより、森林、林業をとりまく様々な問題について、その構造と解決のための政策を立体的に理解することを目標とする。
 政策は、その時々の短期的、中期的、あるいは長期的な目的に応じて、様々な事情を反映しつつ決定される。従って、理論的にはその時点での最善の策であるはずであるが、実際には、様々な失敗もあったことは歴史が示すとおりである。アプリオリに現在採用されている政策が唯一無比のものであると理解することは危険である。また、たとえ、最善の政策であったとしても、あらゆる政策には、政策実施がもたらす、プラスの効果の裏側にマイナスの影響があることを認識すべきである。
 こうしたことを比較的容易に認識する道具として、本授業ではディベートという手法を採用する。

授業の概要

 林業政策、森林政策、山村政策、環境政策などにおける主要な論争点について、ディベート形式で授業を行う。ただし、ディベートの勝ち負けは、評価とはまったく関係しない。
 理解が難しい問題については、教官が事前に授業形式で問題点の絞り込みを行う。

授業計画

 ディベートは、ある命題について、是とする立場のグループ、非とする立場のグループが、それぞれ、立論・反論・反対尋問・最終弁論を行い、どちらが論争における主張として優れていたかを第3者のグループが判定する、いわば模擬論争である。
 ディベートの題目は毎年変わるが、1997年度の例を示せば以下のようだった。

 ・白神山地世界遺産地域の入山規制論争
 ・国有林の分割・民営化論争
 ・山村振興の意義
 ・外材の大量輸入・大量消費の是非
 ・グリーンツーリズムの意義
 ・木材の工業資材化の是非
 ・日本のODAとNGOの活動との関係
 など。


テキスト・教材・参考書  参考書は、適宜指示する。林政学および周辺領域の書籍、雑誌、統計書など多数。

授業の形式  3班程度に分かれてのディベート形式での発表・討論。発表形式のため、授業時間外に、グループ内での打ち合わせ、教官との討論、資料の作成等が必要となる。

成績評価の方法  上記ディベートでの発表、発言内容。

履修にあたっての留意点  本科目の履修にあたっては、「林政学 I」(2単位)を履修しておくことが望ましい。