緑化用牧草品種の育種

 

研究の背景草地に使われているイネ科牧草は、草食家畜との共進化の結果獲得した、土をしっかりつかむ性質、頻繁な刈り取りに耐える性質、踏圧に強い性質を利用してゴルフ場やサッカー場等のスポーツグラウンド、道路法面、堤防等に使われています。芝生を美しく保つには頻繁な刈り取りと施肥を必要とし、多大な労力と費用がかかります。省力管理に適した品種にはどのような特性を持つ必要があるかを調べる必要があります。 

       

研究内容:北東北で栽培するには耐寒性が重要であることから、ドイツアルプスの高標高地から収集したエコタイプを育種材料に、盛岡近郊の高標高地で第一次選抜を行ない、発芽後の生育(初期生育)が旺盛、極早生で、あまり草丈が高くならない品種を育成して「クサボウシ」と命名し、現在、岩手県、秋田県、山形県、北海道の各地で試験栽培を行っています。

最近の研究成果:

1.      Saiga, S., A. Hiraga, K. Ihjima and K. Watanabe (1996) Characteristics of perennial ryegrass (Lolium perenne L.) ecotypes collected from alpine and subalpine regions in northeastern Japan and in southern Germany.  Grassl. Sci.  42: 1-6.

2.      雑賀 優・前嶋敦夫・金 まどか (1997)  緑化用ペレニアルライグラス品種育成のためのドイツエコタイプの特性評価, 日草誌(別号)43: 214-215.

3.      吉田匡宏・雑賀 優・前嶋敦夫・築城幹典 (2000) 道路法面用ペレニアルライグラス「クサボウシ」の特性評価 日草誌(別号)46: 100-101.

4.      干 卓・吉田匡宏・雑賀 優・築城幹典 (2000) RAPD法によるペレニアルライグラス品種の遺伝解析 日草誌(別号)46: 102-103.


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