寒冷バイオシステム研究センター
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研究概要


(a)「ジャンクDNAから転写されるノンコーディングRNAによる生命の温度感知システムを利用した遺伝子発現制御系の開発」

 高等真核生物のゲノムの95%以上は遺伝子をコードしていないジャンクDNAで占められている。ジャンクDNAはこれまで、その名が示すとおり機能をもたない「くずDNA」と思われてきた。しかし、網羅的転写産物解析から、これらのジャンクDNAのかなりの部分が転写され、ノンコーディングRNAとしてタンパク質をコードする以外の機能を有することがわかり始めてきた。ジャンクDNAから転写されるノンコーディングRNAには、いわゆるsmall RNAの前駆体となるものが多数存在している。すなわちmiRNAやその他近年次々と発見されてきているpiRNA, rasiRNA, nat-siRNA, ta-siRNAなどである。これらのsmall RNAは、RNAi機構を介して発生分化、ストレス応答などに関わる遺伝子発現制御に対して重大な影響を及ぼしていることが明らかになりつつある。これらのRNAi機構による遺伝子発現制御はジャンクDNAとともに、いままで見過ごされてきた制御系であり、セントラルドグマをも覆す解明すべき重要課題である。我々のこれまでの研究から、これらのsmall RNAのあるものによるノックダウン効果が温度変化に対して鋭敏に反応することを発見した。そこで、本研究では温度センサーとしてのRNAi機能の解明と、これを利用して、今までにないアプローチからの、温度に応答して遺伝子発現を制御する新機構の開発を目指す。

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