農林地質・地形学

農工学科地域環境2年次選択B,農工学科生物生産専修選択,農林学科森林生産専修選択(2単位)
担当教官:今井 功(非常勤講師)



授業の目標
 地質学と地形学は密接な関係にある。現在の地形は種々の地質現象に起因して形成されつつあるものである。従って、農林業に関係の深い現在の地形を知るためには地質学の習得が避けられない。このような見地から地質と地形学とを結びつけた内容を解りやすく講義し、それらが実際に役立つようにすることがこの講義の目的である。

授業の概要
 農林業に関係を持つ地質学と地形学について講義する。具体的には第1.回から第5回で地質学の基礎的必要知識を説明し、第6回で地形地質と気候との密接な関わりについて述べる。第7回から11回までは地質学と関連する地形学を説明し、第12回で岩石の崩壊過程を、第13回と14回で土壌を構成する表層堆積物の種類や性状について解説する。

授業計画
第1回 地質学と地形学:    1.地質学の性格  2.地形学の性格
第2回 地殻の構成:      1.構成物質の組成と分布  2.日本列島の特徴
第3回 岩石とその組成:    1.堆積岩  2.火成岩  3.変成岩
第4回 地質構造:       1.地質構造の規模と型  2.構造区(帯)
                3.断層と褶曲  4.破砕帯
第5回 地質年代:       1.放射年代と地質年代区分
第6回 地形地質と気候:    1.地質区と気候区  2.気候帯  3.気温と気圧
第7回 地殻変動による地形:  1.沈降盆地と隆起地塊  2.段丘
第8回 火山活動による地形:  1.火山の形態  2.噴火による地形変化
                3.せき止め湖  4.カルデラ  5.火山砕屑物による埋設地形
第9回 河川による地形変化:  1.河川勾配  2.河川争奪  3.扇状地  4.河成平野
第10回 海岸地形:       1.海浜地形と堆積物  2.リアス海岸  3.海岸段丘
第11回 平地:         1.沖積平野  2.台地  3.丘陵  4.段丘
第12回 岩石の崩壊過程:    1.風化の要因とタイプ  2.山崩れと地すべり
                3.崩壊地形  4.土石流
第13回〜第14回  表層堆積物: 1.火山砕屑物  2.腐植土  3.黄土  4.沖積土
                5.風化母岩  6.腐植土  7.泥炭土  8.土壌とロ−ム

教科書,教材,参考書
 授業ではテキスト、参考書類は使用しない。講義を補完し得るような適切な図書については講義中その都度教示する。

授業の形式
 口述、板書が主で、随時関連プリントを配布する。

成績評価の方法
 学期末試験(ペ−パ−テスト)を行う。出席状態も採点に加味する。

履修にあたっての留意点
 毎回ノ−トをとること。ノ−トだけで理解できない点は指定図書などで補うこと。
 試験にはノ−ト持ち込み不可。