授業科目名: 植物生理学(後期開講)
対象学生: 農業生命科学科(植物生産学講座、生物機能科学講座)農林環境科学科(森林科学講座)
担当教官:
河合成直(農業生命科学科)(4号館1階107号室)
授業の目標:
この講義では、高校で学んだ生物学の基礎をもとに、植物の生理的機構、つまり、生命維持の機構を、植物に関連したより専門性の高い分野へ進むための基本的な内容として主に物質の代謝経路を中心に易しく解説する。この分野は広範な内容を持つが、半期の講義で扱えるのは最も基本的な内容のみである。学生一人一人がなぜ植物が生きていられるのかという素朴な疑問を持ち、教科書、参考書により意欲的に学んでくれることを期待している。なお本講義の知識を基礎として、分子生物学、生物化学、育種学、病理学などの専門分野の勉強をすることをお勧めする。
授業の概要:
本講義では、最初に細胞の構造を説明し、続いて個体生理としての水の吸収について述べる。さらに、エネルギー代謝の基本である解糖経路、TCA回路について概説する。また、植物生理の重要な点である光合成の機構について説明する。植物栄養の点において最も重要である窒素の代謝については、吸収された窒素の初期同化過程、つまり、硝酸からアミノ酸へ至る同化経路を説明する。さらに、生体内の2次代謝産物である脂溶性物質の生合成経路について概説する。
授業計画:
第 1-2 | 回 | 細胞の構造 | |
第 3 | 回 | 水の動き | |
第 4-6 | 回 | 呼吸とエネルギー | |
第 7-9 | 回 | 光合成 | |
第 10-11 | 回 | 窒素代謝 | |
第 12-14 | 回 | 二次代謝産物 | |
第 15 | 回 | 試験 |
教科書、教材、参考書:
「植物生理学(改訂版)」門」(桜(清水 碩著、裳華房)を教科書として使用する。
「植物生理学入井英博他著、培風館)を参考書とする、こちらのほうがやや内容が難しい。
授業の形式: 講義を主体とする。
成績評価の方法: 学期末の試験で行う。
履修にあたっての留意点:
基礎的な、生物学、化学の知識が必要であるので、日頃の広い勉強が重要である。また、生物が好きであることが重要である。