畜産各論(選択、2単位)は、2年次後期から3年次前期にかけての、次の4つの集中講義から構成されるので、成績は4つの講義を総合して判断する。



授 業 科 目

対象学生 (講座名及び年次)

必修・選択別

担当教官(所属、所在)

畜 産 各 論
養 豚 論
(後期開講)

 農 業 生 命 科 学 科
 (動物科学2年次)

選択

 鷲盛 精
 非常勤講師
 農業生命科学科

授業の方針                    
 飽食の時代の中、消費者は消費行動が多様化し、求められる食品は量から質へと変化している。とりわけ、安全で健康に良い物という、いわば食品の機能に更に信頼感と充足感が期待されている。ここで地域の発展と農家経営の安定につながる高品質・高付加価値の豚肉生産を目標に、養豚技術の基本及びこれからの養豚のあり方について述べる。


授業の概要と計画
 ○ 海外の養豚事情

特に日本が多く輸出している台湾、デンマ−ク、アメリカ。今後輸入が多くなると予想される中国の養豚。

 ○ 消費者ニーズへの対応

高品質、安全・健康な豚肉の生産。豚肉はコレステロール含有量が少なく、ビタミンB1が多い。

 ○ 生産性向上と経営改善

記帳・記録に基づく経営改善。飼養管理技術の高位平準化。生産コストの低減。負債原因の把握。後継者養成。

 ○ 育種改良

国内の系統造成と国産ハイブリット豚の生産。外国産ハイブリット豚の進出。

 ○ 銘柄豚の生産

確かな素豚、一定の交雑・飼料給与・出荷条件。イワテハヤチネポーク(南部ロイヤル)など産直の事例

 ○ 豚群清浄化による安全性及び生産性の向上

豚病発生による経済損失と消費者イメージの低下。防疫対策とワクチン摂取。清浄豚への集団変換技術。

 ○ 畜産環境保全対策

糞尿処理方法及び排泄量の低減。

 ○ 養豚における革新技術の開発研究

遺伝子を応用した強健、多産、美味豚の作出等。

       

テキスト、教材、参考書

テキストは講師が配布する。参考教材も講師が持参する。

授業の形式

プリント、ビデオ、スライド等を利用する。

成績評価の方法

レポートに授業中の演習問題等を加味。

履修にあたっての留意点

出席を毎時間とる。
質問は授業中及び休憩時間。



  • 授 業 科 目

    対象学生 (講座名及び年次)

    必修・選択別

    担当教官(所属、所在)

    畜 産 各 論
    家 禽 論
    (後期開講)

     農 業 生 命 科 学 科
     (動物科学2年次)

    選択

     大内輝昭
     非常勤講師
     農業生命科学科

    授業の目標                    
     家禽を応用動物としての視点でとらえ、遺伝、栄養、疾病等、その生物学的基礎を環境条件との関わりにおいて理解することに重点を置く。さらに、その結果として得られる性能を経済との関わりにおいてとらえ、家禽産業の中での家禽を単に生物としてではなく、経済と関連させて理解できる考え方を育成する。

    授業の概要
     経済利用を目的として飼われる家禽の生物学的側面と家禽産業との関係についての概念について述べる。
      講義は、家禽の中でも代表的な鶏を中心として述べる。
      経済的側面としては、わが国における養鶏産業の発展の歴史をとおして、経済の発展が養鶏産業を変化させ、飼育管理方式だけではなく、遺伝的な改良をとおして鶏の性能までを変えていく流れを学ぶ。この流れの中から、鶏病の問題化、公害の発生、過剰生産、産地移動、流通の変化、性能に対する需要の変化等の諸変化をとおして、鶏と養鶏産業のダイナミックな関係を学ぶ。
     このような、理解に立ったうえで、鶏の生物学的側面を環境と関連させた生理学のかたちで理解する。 

    テキスト、教材、参考書

    プリントは講師により作成。

    授業の形式

    8時間(1日)集中講義。OHPを用いておこなう。

    成績評価の方法

    レポート提出。授業内容を重視し、独自性のあるものを評価する。模倣と認められるものは減点対象とする。

    履修にあたっての留意点

    時間ごとに出席をとる。



    授 業 科 目

    対象学生 (講座名及び年次)

    必修・選択別

    担当教官(所属、所在)

    畜 産 各 論
    乳牛論
    (前期開講)

     農 業 生 命 科 学 科
     (動物科学3年次)

    選択

     戸 田 忠 祐
     非常勤講師
     農業生命科学科

           
    授業の目標                    
     第二次世界大戦後、商品経済活動が活発化するとともに、世界の貿易事情もめまぐるしく変わってきた。この動きの中で、農畜産物も重要な戦略商品としての性格が強まった。この農業をめぐる変動への対応姿勢には、先進国によって違いがあり、欧米は的確に素早く対したのに比べて、日本は決定的な遅れをとった。この授業ではこのような対応が生んだ農畜産業の弱体化の中で、努力すべき日本酪農のプログラムについて考察する。

    授業内容
     1 戦後の日本農業史観
        1) 戦後酪農をめぐる全国及び岩手農政の変遷
        2) 日本農業が欧米に遅れをとったいくつかの背景
        3) 日本農業再建の試み
        4) 欧米に比較する日本農業の実力
     2 EU内農業国における農村環境整備への取り組み
        1) フランスに見る農業環境整備
        2) オランダに見る「農地開発整備計画の概要」
      dairy-Business Program
        1) 酪農の成立・維持に貢献している要素の仕組み
        2) 酪農経営のタイプ
        3) 酪農経営設計事例
        4) 酪農経営の健全性をチェックする方法
         (1) 牛群改良の流れと成果
        (2) 新全総による入植酪農家がたどった足跡

    テキスト、教材、参考書

    テキストは講師が配布する。参考教材も講師が持参する。

    授業の形式

    プリント、スライドなど。

    成績評価の方法

    レポ−ト。

    履修にあたっての留意点

    授業中であっても、活発な意見交換意志表示を図ること。



    授 業 科 目

    対象学生 (講座名及び年次)

    必修・選択別

    担当教官(所属、所在)

    畜 産 各 論
    肉 牛 論
    (前期開講)

     農 業 生 命 科 学 科
     (動物科学3年次)

    選択

     山岸敏宏
     非常勤講師
     農業生命科学科

    授業の方針                    
     肉用牛、特に和牛の展開課程をみるとともに、輸入牛肉の攻勢が続く中でのわが国の育種改良事業及び繁殖・肥育経営の実態を解脱し、今後の肉用牛生産のあり方を述べる。

    授業の概要
      和牛の展開課程

    和牛の4品種の成立過程。役肉牛から肉用牛への転換。飼養頭数の変遷。種牛の改良と改良組織。

       最近の肉用牛をめぐる情勢

    牛肉生産量と輸入量。アメリカ・オーストラリアの対日輸出戦略。和牛のアメリカ・オーストラリアへの流出。子牛価格・枝肉価格の動向。子牛の生産者補給金制度。

       肉用牛の育種改良事業

    能力検定による種雄牛の造成。育種組織。育種価による淘汰選抜。

       肉用牛(繁殖・肥育)経営の実態

    複合経営及び専業経営

       今後の肉用牛の展開方法

    川下から川上へ−消費者と提携した生産−産地直結(直送)。産肉情報収集による育種改良事業。繁殖・肥育の地域(個別)一貫生産事業の追求。

       肉用牛生産への新技術導入

    受精卵移植、超音波測定、牛DNAによる育種
            

    テキスト、教材、参考書

    テキストは講師が配布する。参考書は特になし。 

    授業の形式

    プリント、スライド等を利用する。

    成績評価の方法

    出席率とレポートの成績を加味する。

    履修にあたっての留意点

    出席は午前・午後にとる。質問は授業中及び休憩時間。