---はじめに---

 演習林での実習では草刈、伐採などを行います。当然のことながらナタ、カマ、ノコなど金属製の刃物を使います。またチェーンソー、刈り払い機など人間の力以上の機械を使用する場合もあります。これらはよくメンテナンスされていて非常によく切れる状態になっていますので十分注意してください。


---カマ---

 実習で使用する下刈用のカマは、通常の家庭菜園や農業で使うものと違い、柄が1m、刃渡りが20〜30センチの大型のものです。振り回す程度でも細い木なら切ることも可能ですから人間に当たった場合は恐ろしいことになります。いたずら気分で振り回さないでください。
 
 具体的な使い方は実習時に教えますので、ここでは作業現場までの安全な運び方、休み方を説明します。

歩き方
 
歩くときはカマの刃を常に見える位置におきます。左写真のように柄の真ん中辺りを持ち刃先を下に向けて歩きます。右写真のようにすると楽に思えますが、誤って後ろの人にあたった場合に肩や首が切れてしまいますのでこのような持ち歩き方は絶対にしないでください。

正しい持ち歩き方

誤った持ち歩き方
休憩時
 
 休憩の時も刃は自分の見える位置におきます。決して刃先を自分のほうに向けないでください。刃を下に向けておくと歩き出したときに踏んだり、他人が踏んだりする危険性があります。実習時は多くの人が周囲にいますので刃を下にしておかないでください。どうしてもカマを手放してその場から離れる場合は切り株に立てかけ目立つようにする、友達に預けるなどしてください。置いてあることがわからず踏んでしまったり、自分で探せなくなって踏んでしまったりしないようにしてください。

正しい休憩ポーズ

誤った休憩ポーズ

人が回りにいる場合危険です。

置いておくと気がつかない人が踏むかもしれません


---ナタ、ノコ---

 除伐、間伐を行うときや測量で邪魔な枝を切るときなど使用頻度が高いのがナタとノコです。使用頻度が高いため慣れたと思い怪我をすることが多いのもナタとノコです。気を引き締めて使用してください。

ナタの基本的な使い方

 樹木の繊維は縦方向に並んでいます。まきを割ろうとした場合、横方向には割れません。細い枝でも横方向に切ろうとしてもなかなか切れません。ナタは木に対し刃を斜めに当てて繊維方向にくい込ませて切るという感じで使います。
 右利きの場合、右上から左下に振り下ろして使うのが基本です。振り下ろすとき左足は後ろに引いてください。左足を前に出しているとスパッと木を切ったとき勢いあまって自分の足を切る可能性があります。
 左から振り下ろして切ろうとすると、角度が浅い場合は刃先が木にうまく当たらず跳ね返り自分を傷つける恐れがあります。角度が深すぎた場合繊維に食い込まずうまく切れません。
 足場の悪い場合であっても、出来る限り基本に忠実に使用してください。
左利きの人のために刃が逆の左利き用のナタがあります。確認してください。


正しいナタの使い方:右上から左下に振り下ろす



危険なナタの使い方:左上から右下に振り下ろす

ナタとノコとの共通の注意点

 
切ろうとするものを押さえる場合には切るポイントの上を押さえてください。下を押さえると手を切りますので絶対に下を押さえてはいけません。

正しい押さえ方

誤った押さえ方

 鞘に入れる場合は刃が全部収まっているか確認してください。左写真のように飛び出したままのものをつかんで手を切った例もあります。
 またナタは重さがあるため足などに落とすと危険です。そういった意味でもきちんと鞘に収まったか確認してください。
---チェーンソー等---

 チェーンソー、刈払機などエンジン付きの道具を使用する場合があります。回転中の刃の部分には絶対触れないでください。ゴミが詰まったり、挟まってしまったりして刃が止まった場合はエンジンをストップさせてからゴミを取り除くなどしてください。エンジンの回転中は、刃の部分が回転していなくとも刃に触ってはいけません。