授業科目名 : 木材物理学
対象学生(専修名及び年次):応用生物学科 生物資源利用学専修2年次
講座等(必修・選択、単位数):木材利用科学(必修、2単位)
担当教官(所属、所在):澤辺 攻 (応用生物学科)(2号館2階)
授業の目標:
木材はセルロース、ヘミセルロース、リグニンを主要成分とする
吸湿性のある多孔材料であり、生物材料の特徴である組織・構造に
起因して、木材の方向によって種々の性質が異なる異方性を有する。
木材のこのような特性は、その加工・利用に際して重要となる物理的、
力学的性質において、多の材料とは大きく異なる。
本講義では、内容を木材の物理的性質と力学的性質に大別して、
それらの特性と性能発現機構について無機材料や合成高分子系材料
との相違点を明示しながら、木材の物理・力学特性について講義する。
授業の概要:
授業内容は次の2部門から構成される。
(1)物理的性質に関しては、比重や空隙特性、水分特性、吸湿性、
膨潤・収縮性、熱・電気・音に対する特性など、他材料では見られない
木材の特性を 講義し、その利用に仕方について考察する。
(2)力学的性質については、外力に対する物体の応答の仕方について
基礎から論じた後、木材の弾性、粘弾性、強度に関する特性、および
それらに及ぼす種々の影響因子と影響の仕方について講義する。
本講義を通じて、材料として木材を利用する場合の適正な基礎的知識
の修得と応用力の発展が可能となろう。
授業計画:
第1回 木材の比重特性
第2回 木材の空隙特性
第3回 木材の水分特性
第4回 木材の吸湿性
第5回 木材の膨潤・収縮性
第6回 木材の膨潤・収縮性
第7回 木材の熱・電気・音に対する特性
第8回 中間テスト
第9回 物体の外力に対する応答(弾性、粘弾性、強度)
第10回 木材の弾性的性質
第11回 木材の弾性的性質
第12回 木材の強度的性質
第13回 木材の強度的性質
第14回 木材の粘弾性
第15回 期末テスト
テキスト、教材、参考書:
「木材科学講座3 物理」(高橋・中山編、海青社)を教科書とし、
同時に図表プリントを配布して講義内容を補強する。
授業の形式:講義が主体で、随時演習、実験実習を課す。
成績評価の方法:出席点、学期中間および学期末のペーパーテストで評価。
履修にあたっての留意点:
出席を毎時間とる。質問は随時受け付ける。受講に際しては計算機の携行を勧める。
また木材基礎科学の講義内容を充分理解していることが望ましい。