授業科目名:木材科学基礎実験

 

対象学生(専修名及び年次):応用生物学科(生物資源利用学専修2年次)

講座等(必修・選択、単位数):木材利用科学(必修、1単位)

担当教官(所属、所在):

  澤辺 攻  (応用生物学科)(2号館2階)

  太田 路一 (応用生物学科)(2号館2階)

  関野 登 (応用生物学科)(2号館1階)

  小藤田久義 (応用生物学科)(2号館2階)

 

授業の目標:     

 木材は再生産可能な身近な資源として、有史以来多様な用途に利用されてきた。
人類の歴史が続く限り木材の利用は継続されるものであるが、今後は地球環境に
優しく、省資源的、合目的な未来材料としての利用形態へと収斂されることが確
かである。このような木材利用の将来動向を見るとき、木材科学の分野もさらに
高度化する必要がある。「賢明な利用はその特性を知って初めて可能になる」の例
えのごとく木材科学の推進のためには、「樹の成り立ち」を知り、「木材を科学する
方法」を学習することが第一段階である。

 このような観点から本実験では、木材科学の初習者に対して生物体としての樹木
の本質を実感し、それを生物的、工学的および化学的に利用する場合の科学的基礎
技術について体験してもらうことを目的とする。 具体的には、(1)実際に樹や木
に接し《観察力》を養うこと、(2)観察を通じて得られた現象を具体的に評価す

るための《計測・分析方法》を学習することが重要な習熟目標となる。

 

授業内容:

 木材基礎科学の講義内容の理解を一層深める目的で、実際の「林」の中での
樹姿観察から始まり、実際に伐倒した木の生長経過や肉眼的・顕微鏡的観察、

生理的営みの証を検証すると同時に、光合成の結果としての生産物質(成分)
の種類と量およびそれらの樹体内での役割等について、実験的に検討する。

 

授業計画:

第1回 ガイダンス

第2回 森林・林木の観察(演習林)

第3回 林木の形質観察と供試木採取(演習林)

第4回 樹木の生長経過(樹幹析解)

第5回 樹木の生長経過(樹幹析解)

第6回 木材組織の顕微鏡観察

第7回 木材の比重と膨潤・収縮

第8回 同上 + 繊維長測定

第9回 木材の繊維長測定

第10回 木材化学分析用試料調整

第11回 抽出成分の分離・同定

第12回 酵素・リグニンの検出とそれらの樹幹内分布

第13回 糖類の検出と樹幹内分布およびその加水分解

第14回 予備日

第15回 予備日

 

テキスト、教材、参考書 :テキストとして実験マニュアルを配布する。

 

授業の形式: 実験・実習の後、各項目毎にレポートを貸す。

 

成績評価の方法:出席回数およびレポートの内容で評価する。

 

履修にあたっての留意点 :

 実験マニュアルを予習しておくこと。出席を毎時間とる。質問は随時受け付ける。