授業科目

対象学生 (講座及び年次)

必修・選択別、単位数

  担当教官 (所属、所在)

森林生化学

(前期開講)

農林環境科学科

(森林科学講座4年次)

選択、2単位

小藤田久義

(農林環境科学科)

(2号館2階)

〔授業の目標〕

 

 

 

 

樹木は太陽エネルギーのみをエネルギー源に用いることにより、極めて効率的に有機物の生産および変換を行っている。すなわち、その静かな外見からは窺い知ることのできないダイナミックな生命活動が樹木細胞を主体として営まれた結果、森林が生み出されるのである。また、一方では同じ森林の中で朽ち果てていく樹木があり、そこでは森の分解者であるキノコなどの微生物が旺盛な活動を行っている。本講義では森林の主体をなす樹木の成り立ちと、木質成分の分解に関わる様々な生命活動を、細胞レベル、分子レベルで考える。

〔授業の概要〕

はじめに樹木を構成する各種成分の生合成のメカニズムと、これに関与する酵素の生成・制御について学ぶ。次いで、ややマクロな視点から樹木組織の形成と分化、早材・晩材および心材の形成と制御について、植物ホルモンとの関わりを含めて論ずる。最後に樹木の腐朽過程における担子菌の役割と、関連する酵素の性質および発現と制御の機構について学ぶ。

〔授業計画〕

第1回  樹木の組織構造および成分

第2回  一次代謝と二次代謝

第3回  樹木成分の生合成:多糖類(1)

第4回  樹木成分の生合成:多糖類(2)

第5回  樹木成分の生合成:シキミ酸経路

第6回  樹木成分の生合成:リグニン(1)

第7回 樹木成分の生合成:リグニン(2)

第8回 樹木成分の生合成:抽出成分(1)

第9回 樹木成分の生合成:抽出成分(2)

10回 樹木組織の形成と分化

11回 樹木の腐朽形態と腐朽菌

12回 木質系多糖類の分解に関わる酵素

        およびその発現と制御(1)

13回 木質系多糖類の分解に関わる酵素

        およびその発現と制御(2)

14回 リグニンの分解に関わる酵素

        およびその発現と制御

15回 成績評価

 

 

教科書、教材

  参考書

参考書

 ”木質分子生物学”(樋口隆昌編著、文永堂出版)

 ”木質生化学”(樋口隆昌著、文永堂出版)など

授業の形式

講義主体で、必要に応じてスライド等を用いる。随時小テストを課す。

成績評価の方法

学期末のペーパーテストおよび授業中の小テストで評価する。

履修にあたって

森林資源化学、植物生理学および有機化学、生化学関連の科目を履修しておく

 の留意点

ことが望ましい。