木質材料学(後期開講)

対象学生(専修名および年次):
 応用生物学科(生物資源利用学3年次)

講座等(必修・選択別、単位数):木材利用科学(選択、2単位)

担当教官(所属、所在): 関野 登(応用生物学科、2号館1階)

授業の目標:
 
身近にある木製品を見てみよう。ケヤキ1枚板の高級テーブルや
神社・仏閣などに用いられる高級製材品を除けば、そのほとんどが
木材をベースとした複合材料(木質材料)である。それはなぜか。
近代から現代にかけての主要な工業材料である鉄、ガラス、コンク
リート、プラスチックの材料としての信頼性に近づけようと次々と新た
な木質材料(エンジニアリングウッド)が開発されてきたからである。
同時に、従来ならば燃料にしかならなかった廃材・低質材を有用な
材料に新生させ、木材資源の有効利用が進んでいるためである。
 この講義では最初に「木質資源の理想循環系」の中での木質材料
の意義を論じる。次に、木質材料の開発の歴史と各種材料の特徴を
概説する。続く各論では、比較的加工度の低い製材品や集成材に
始まり、加工度の高い熱圧成形材料に至る各種材料の製造方法と
性能を講義する。また、木質材料の主たる用途が建築材料である
ことから、建築材料として要求される性能を概説し、建築材料として
の適性を論ずる。

授業の概要: 授業目標に記載の通り

授業計画:
  
第1回: 木材資源の理想循環系・木質材料の意義
  第2回: 木質材料の分類と特徴の概観・木質材料開発の歴史
  第3〜4回: 製材品・種類と用途・品質基準、許容応力度
  第5回: 製造基礎理論・一般的製造工程・熱圧成形メカニズム
  第6〜
12回:各論
         ・一軸配向材料:集成材、
LVLPSLの製造と性能
         ・二軸配向材料:合板、
OSBの製造と性能
         ・ランダム配向材料:
          パーティクルボード、ファイバーボードの製造と性能
  第
13回:木質材料の複合化技術 
  
第14〜15回:建築材料としての適性

テキスト、教材、参考書:
 「木材科学講座8 木質資源材料」(鈴木正治・徳田迪夫編、
  海青社)を教科書として使用する。参考書は多数あるので、
  第1回の講義で紹介する。

授業の形式: ビデオ、スライド、OHPを多用した視聴覚講義。

成績評価の方法: 学期末のペーパーテストで評価。

履修にあたっての留意点:
 出席を毎時間とる。質問は随時受け付ける。
 本講義の受講に際しては、木材物理学、木材加工学の講義内容
 を充分理解していることが望ましい。