新機能豆腐の開発研究

1. イソフラボンを多く含む豆腐の製造とその生理機能性研究

 まず第一に、盛岡市は全国一の豆腐を消費している地域であり、新規の豆腐開発で一層の地域や全国的な市場の活性化を期待できる。

 大豆加工食品には、豆腐、納豆などの多くの製品があるが、大豆には未だ多くの潜在的生理機能性があるものと考えられている。しかし、このような大豆の機能性が製品に充分に活用されているとは言えない。

 大豆には、イソフラボン配糖体成分が多量に存在している。これらのイソフラボン類の含量は、東北地方などの寒冷地での栽培で、有意に増加すると推定されている。最近、成人病予防に効果的に作用すると考えられる種々のイソフラボン成分の生理活性が、特にダイゼイン、ゲニステインで多数報告されている。その一つは、女性ホルモンのエストロジェン活性であるが、エストロジェンには骨吸収抑制、いわゆる骨からのカルシウム溶脱抑制作用や血中の善玉コレステロ-ルであるHDL-コレステロ―ル値を高める作用があリ、イソフラボン成分を多く含む食品の日常的摂取による骨粗鬆症や動脈硬化症の予防や軽減化が期待される。これらの一部は大豆加工食品製造工程で、また一部は人体での消化、吸収及び代謝の過程で生理活性の強いダイゼインやゲニステイン等のアグリコンに変換するものと考えられる。しかし、配糖体からアグリコンへの変換率が加工条件によってどう変わるのか、また、実際の大豆加工食品にどの程度のエストロジェン活性があるのか不明である。

 本研究の目的は、大豆加工条件とエストロジェン活性の関係を明らかにし、東北地域で生産されるイソフラボン配糖体成分含量の多い大豆からイソフラボン含量の高い機能性豆腐を開発して、豆腐屋さんの協力で地域ブランド名の豆腐を商品化することを目指している。

 

2. 豆腐屋さんに、お願い

 上記のように、大豆の機能性成分であるイソフラボンの多い豆腐作りを目指していますので、”おらほの豆腐は”や”大豆は”、なじょだえ、と思っていたら、その豆腐と大豆をク-ル宅急便で、西 澤までお送り願いたい。

3. 新機能豆腐の研究資料

2回の学会発表

平成9年度日本食品科学工学会での成果発表

平成9年度日本栄養・食糧学会での成果発表

連絡先:西澤直行