森林計測学(後期開講)



授業の目標

 森林を維持しながら,人間が森林資源を利用するためには,まず「森林がどのような状態にあるのか(質と量)」,そして,「ある期間に森林はどのくらい変化したのか(変化量)」を把握することが重要である。本授業では,これまでに提案されてきた「森林の状態とその変化を把握する」ための計測法を紹介し,森林の計測法に関する理論とその理論が生み出された背景,各手法の利点欠点を理解することを目的とする。


授業の概要

 まず,樹木の樹幹の形態,量および成長量の計測法と理論について説明する。次に,林分を「樹木の集団」,森林を「林分の集団」として捉え,その量および成長量の推定法と理論について説明する。さらに,ランドスケープを「森林をはじめとする地表被覆物の集合体」として捉え,ランドスケープの構造およびその変化の計測法と理論について説明する。計測機器の使用法や計測法の習得,および得られたデータの集計法については,森林環境管理学実習Iの中で説明,演習を行う。


授業計画

  1. 講義の概要.観察に基づく樹木,林分の状態把握

  2. 樹木の計測 (幹形,および伐採木の計測)

  3. 樹木の計測 (立木の計測)

  4. 樹木の計測 (樹齢,成長量の計測)

  5. 林分の計測 (毎木調査による林分材積の推定)

  6. 林分の計測 (林分構造の調査)

  7. 森林の計測 (標準地法とプロット法)

  8. 森林の計測 (プロットレスサンプリング)

  9. 森林の計測 (リモートセンシング1)

  10. 森林の計測 (リモートセンシング2)

  11. 樹木,林分の成長予測

  12. ランドスケープ構造の計測


参考書

「森林計測学講義」大隅眞一 編著,1987年,養賢堂
「測樹学」南雲秀次郎・箕輪光博 共著,1990年,地球社
「景相生態学」沼田 眞 編著,1996年,朝倉書店
「森を調べる50の方法」日本林業技術協会,1997年,東京書籍


授業の形式

OHPを用いて授業を行う。また,OHPと同じ資料をできる限り配布する。

成績評価の方法

期末レポート,および授業時提出のミニレポートにより評価を行う。

履修にあたっての留意点

 このシラバスは99年春時点で作成されたものなので,若干の変更が生じることもある。詳細については第1回目の授業で説明する。講義内容に関する質問は授業中,研究室にて,あるいは電子メールにより随時受け付ける。

その他

この講義に関する問い合わせは國崎貴嗣(2号館4階:kunisaki@iwate-u.ac.jp)まで。

森林経営学研究室ホームページへ