●ブドウえそ果病の病原ウイルス (Grapevine berry inner necrosis virus, GINV)
ブドウえそ果病 ブドウえそ果病は、葉に奇形やモザイク(左図)、果実には果肉の内部にまで達するえそ斑点を生じる病気です。主に巨峰系のブドウ品種に発生します。ブドウハモグリダニによって伝搬されることが最近明らかにされました。 本病の発生は、青森、秋田、栃木、茨城、埼玉、山梨のブドウ園で報告されていますが、海外での発生の報告はありません。わが国特有の病気です。 ウイルスは、幅12nm、長さ740〜760nmの屈曲性に富んだひも状の形態をしております(下図)。ゲノムは1本鎖RNA(7.2Kb)からなり、外被タンパク質のサイズは22キロダルトンです。 ゲノム構造を解析したところ、GINVゲノムには3つのタンパク質読み枠(ORF)が存在し、それぞれ複製関連タンパク質(MET、P−PRO、HEL、POL)、移行タンパク質(MP)、外被タンパク質(CP)をコードしています(下図)。 |
GINV粒子 |
感染細胞の細胞質のウイルス集塊 |
GINVのゲノム構造 |