家畜は種々の生命活動を通じて生産行為を営んでいる。家畜栄養学実験では、生理機能、消化・吸収過程および血液成分の測定を通じて家畜の生命現象の一端を知り、測定の理論と技術を修得させることを目的としている。主として以下の3項目について実習を行う。
課題1 採食に伴う生理反応、血液成分およびルーメン内VFA濃度の変化
ヒツジを用いて採食行動とそれに伴う生理機能がどのように変化するのかを観察し、合わせて血液成分、ル−メン内で産生される揮発性脂肪酸
(VFA) 濃度を測定する。
課題2 消化率の測定
家畜が栄養素を体内に取り込むために、消化管での消化・吸収機能が重要である。本実験では全糞採取法と指示物法により飼料の消化率を測定し、家畜の消化吸収機能と飼料の栄養価を評価する。
課題3 グルコース注入に伴う血漿グルコース濃度の変化
血糖値は、生体内で極めて恒常性の保たれているものの一つである。本実験では、ヒツジの血中にグルコースを注入し、血漿グルコース濃度がどのように変化するのかを酵素法を用いて測定する。