寒冷バイオシステム研究センター
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概要
>現在の研究活動 [  沿革 | 設置目的と研究分野 | 主要設備 ]

1.細胞複製研究分野

[セルソーター]  多細胞生物の体は一つの細胞(受精卵)が分裂を繰り返して構築されます。この過程で細胞は、設計図である遺伝子を正確にコピー(複製)して娘細胞に伝達しながら、 一方でその機能はいろいろに変化します。そうして、例えば、肝臓や脳や皮膚が、また、花や葉や根が出来ます。
 本研究分野では、この過程、すなわちどのような複製の仕組みによって細胞機能が変化したり維持されたりするのかを動物(ラット)や植物(イネ)を材料にして、低温 との関連を考えながら研究しています。動物細胞では、遺伝子の複製が染色体のどの位置からおこるかが、その細胞の形質発現に関わることがわかりました。この分野の研 究は、生物体のいろいろな部位で分裂細胞集団がつくられる仕組みやそこからいろいろな器官や組織がつくられる仕組みの解明に役立ち、育種への応用も期待されます。

2.寒冷シグナル応答研究分野

[オオムギ]  温帯から亜寒帯に生息する生物は、寒冷な気候に適応するための様々な自己防御システムを備えています。特に植物は、進化の過程で、低温順化や休眠等の寒冷耐性機構 を獲得しております。ムギ類のように低温を花芽形成のシグナルとして有効に利用(低温春化)している植物もいます。このように、多くの植物が、寒冷という環境シグナ ルに応答して自らのライフサイクルを制御する素晴しい仕組みを備えているのです。
 本研究分野では、これらの有用形質(寒冷耐性や低温春化等)が発現する仕組みを分子レベルで明らかにし、寒冷地農業に適した作物等の育種に応用するための研究を展 開しています。低温春化に関する研究では、低温春化したオオムギの茎頂分裂組織で特異的に働いている遺伝子を同定しており、春化機構の解明につながるものと期待され ます。

3.生体機能開発研究分野

[ザゼンソウ]  植物は様々な環境の変化に柔軟に対応するため、環境シグナル変化に反応して特定の遺伝子を発現させ必要な物質を作り出すことにより耐性を増大させることがわかって 来ました。地球規模での気候変動や人口増大による食糧危機が現実化する現在、植物が持つこれらの多様な機能・素材を調べ有効に利用することが重要です。
 本研究分野では、植物が示す低温環境への適応現象を理解することを目的に、・低温下で起こる凍結耐性増大に伴う生体膜成分(脂質・タンパク質)の改変機構や細胞内 への糖やアミノ酸などの蓄積機構、・寒冷地に生息する発熱植物の発熱反応に関する遺伝子とその発熱メカニズムの解析、・低温感受性植物における冷温傷害発生とその回 避機構、などの研究を行っています。これらの研究は、凍結あるいは冷温耐性植物作出のための重要な基礎的知見を与えると同時に、植物由来のバイオ発熱素材の開発にも つながるものと思われます。
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