農山村には、農林業生産の基盤としての環境ばかりでなく、それぞれの風土に合った農林業をベースに、地域に固有の生活文化を育んできた社会が存在しています。これらの総体としての地域環境を維持・発展することが,農林環境科学の課題となっています。また、このような視点は地球規模での環境保全に連がるものといえます。なぜなら現代の農林業においては、環境に調和した生産様式ばかりでなく、環境修復という積極的な役割も期待されているからです。
本学科では、地球生態系でのエネルギーと物質のフローに基づいた、(1)森林、農地、水域などから構成される地域環境システムの解明、評価、設計、(2)持続的なリサイクル農林生産技術や、バイオマスなどのリサイクルエネルギーの生成、(3)豊かな自然と文化,景観および地域社会の健全な維持発展、(4)これらの活動を通じての地球環境の維持等のための理論、技術および政策について、教育研究を展開しています。また、附属演習林および附属農場を利用した実践的なフィールド教育も本学科の特長です。
本学科は地域マネジメント学、森林科学、地域環境デザイン学,リサイクル生物生産工学の4講座から成り,互いに連携しながら研究教育を推進しています。