学び直して,アグリでキャリアアップ! IAFSは21世紀の農業を切り拓く意欲的な農業経営者を育てます

IAFS いわてアグリフロンティアスクール
 講義風景
「講義風景」では、実施した講義の様子を随時掲載していきます。 ※スクール修了生の方は、現地研修・演習以外の座講は聴講可能な場合もありますので、事務局(TEL019-621-6231)までお問合せください。
平成28年
8月18日(木)「地域担い手形成論」
8月17日(水)、23日(火)「会計財務管理と経営診断」
7月21日(木)「農場の衛生管理」
7月20日(水)「地域マネジメント論」
7月6日(水)「経営成長の管理」
6月29日(水)「病害虫管理」
6月28日(火)「食産業ビジネス論」
6月23日(木)「地域資源活動論」
6月21日(火)「土壌管理」
6月15日(水)「農業経営戦略論」
6月8日(水) 「人的管理・労務管理」
6月3日(金) 「農業経営の発展と農業協同組合」
5月26日(木) 「農業を巡る内外情勢」

平成27年 >

○ 8月18日(木)「地域担い手形成論」

[講師]東京農業大学名誉教授 門間 敏幸 氏

講師の門間先生は、東北農業試験場や筑波の農業研究センターで28年間農業経営分析・診断・予測手法の開発、住民参加型農村計画手法の開発等に関する研究を行っており、むらづくり支援手法「TN法」を開発・普及したことでも有名です。
東京農業大学に転出後は、企業的農業経営の分析・評価、経営者能力の解明、農商工連携による地域活性化などの研究に取り組まれています。
今年度から拡充された「農村地域活動」コースの主任講師をお願いしています。

「地域担い手形成論」は、以下の6つに課題を分けて説明されました。

  1. 課題1  わが国の水田農業の未来の姿を考える
  2. 課題2  担い手(優れた経営者)の育成を考える
  3. 課題3  農業ビジネスの成功者の取り組みから担い手の役割を考える
  4. 課題4  ネットワーク型農業経営の取り組みから担い手の役割を考える
  5. 課題5  担い手(優れた経営者)経営をどのように支援するかを考える
  6. 課題6  担い手を支援する人材の姿を考える
講義内容は門間先生が実施してきた地域の事例調査や地域活性化の研究などの豊富な経験をもとに導き出されたものであり、担い手育成に対する考え方は説得力のあるものでした。
特に、優れた担い手たるべき条件として、経営者能力を研究した成果として作成した リーダー度や社長度を診断できるチェックシートは興味深く、将来農業経営のプロとなる農業経営コースの受講生の皆さんも是非チェックしてみることをお勧めします!
途中、今後作成する「地域振興戦略計画」を策定するに当たっての解説やカードを使った演習なども実施し、非常に盛り沢山な1日となりました。

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○ 8月17日(水)、23日(火)「会計財務管理と経営診断」

[講師]八木橋美紀税理士事務所 八木橋 美紀 氏

IAFS全教科の中でも、最難関といわれる会計・財務管理の2日間の講義が行われました。
ふだん農作物の栽培や家畜の飼養技術については得意な受講生も、会計財務は専門用語も多く、苦手とする方が多いように思えます。
配付資料も大量 !! 以下の構成になっています。

第1章 貸借対照表第8章  家族農業経営における経営分析
第2章 損益計算書第9章  農業経営の診断と改善
第3章 キャッシュフロー計算書第10章 経営診断の方法
第4章 経営分析第11章 農業における原価のあらまし
第5章 貸借対照表の経営指標第12章 運転資金・資金繰り
第6章 損益計算書の経営指標第1章 貸借対照表
第7章 損益分岐点第13章 付加価値
講義は、1章が終わるごとに演習問題を行い、指名された受講生が回答して、講師が解説するというスタイルで進めたので、皆真剣な表情で取り組んでいました。
ほど良い緊張感のまま、あっという間に1日目は終了、2日目も講義と演習を繰り返しながら進められました。
理解度を上げるため、丁寧に説明しながら進めましたので時間が足りないようでしたが、最後は終了時間を大巾にオーバーしながらも損益分岐点を下げる以下の方法を学び、講義を終了しました。
  1. ①変動費の線の傾きを下げること。→変動比率を下げること。
  2. ②固定費の線の高さを引き下げること。→固定費総額の節約をすること。
  3. ③1個当たりの販売価格を上げること。
授業アンケートでは、講義レベルが「高い、やや高い」が4割以上いましたが、講義の感想をみると、「満足、とても満足」が8割と好評でした。
この2日間の講義の成果が、これから自らの計画に生かされることを期待しています!

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○ 7月21日(木)「農場の衛生管理」

講師 田上 隆一 氏(一般社団法人 日本生産者GAP協会理事長)

今日は、農業生産を行うにあたり、今後最も留意すべき「農場の衛生管理」についての講義でした。

  1. 本来、研修等では3日以上かけて話している内容を、1日で講義してもらいましたので、講師も受講生も大変だったと思いますが、講義は分かりやすく、アンケートでも、「興味がわいた」が96%、「満足、とても満足」が92%、と好評でした。
  2. ひと口に「GAP」といっても、とらえ方は様々、認証団体もいくつかあり、私達が誤解して理解している面もあります。アンケートも、「今までの認識が違っていたことを知った」との声が多数ありました。
  3. 講義は、①はじめに−農業由来の環境破壊と健康被害−から始まり、②21世紀農業の課題−持続可能な開発と発展−へと続き、③GAPの意味、④GAP農場の認証、⑤農場認証の国際標準化、について解説、⑥世界標準と日本の対応、まで、GAPを巡る情勢について説明されました。
    そして、いよいよ生産者に直結する、⑦GAPの実践、⑧農場の評価、⑨GAP教育・評価システム、について説明され、最後に、IGLOBAL G.A.P.認証への取り組み、で締められました。
  4. とかく「認証」にとらわれがちな「GAP」ですが、認証取得はあくまでスタートライン、GAPが目指すのは「真の持続的農業」であり、日本と欧州との考え方の違いやオリンピックなどで否が応でも世界標準にならざるを得ない時代の趨勢を感じました。
  5. 「BAPをなくせば、GAPになる」、「リスク評価と改善が重要」ということがよく分かりました。

 
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○ 7月20日(水)「地域マネジメント論」

講師 広田 純一 氏
(岩手大学農学部食料生産環境学科 農村地域デザイン学コース田園計画研究室 教授)

本年度新たに開設した「農村地域活動科目群」の最初の科目です。県内市町村や県、省庁等の地域づくり等の委員を務めている広田教授から講義と演習をしていただきました。

【講義】「地域づくりの手順と方法」
  1. 地域コミュニティの基礎知識
    地域コミュニティは、①町内会、自治会等地縁によって形成された地域団体と②スポーツ・文化、防犯・防災、交通安全等目的(テーマ)によって形成された地域団体とがある。
  2. 西和賀町小繋沢地区の事例紹介
    お宝さがし→お宝マップづくり→お宝改善活用策の検討→夢語りの会→実践テーマの絞り込み→繋の郷づくり委員会の設立→各部会の行動(広報誌、ふるさと応援団事業、ふるさと便など)
  3. 地域づくりとは何か?
    1. 地域づくりの成功事例に共通する成果は「地域づくりを進める無形の力」=地域の共通の課題(目標)を協同で解決(達成)する力(地域力、住民力、ご近所の底力etc.)
    2. 地域づくりとは、地域の課題解決力を高めること→実践の積み重ね
    3. 課題解決力向上の手順と方法=動機付け→目標設定→体制づくり→そして実践
  4. 地域づくりの仕掛け
    1. ポイントは4つ=①目標、②参加者・対象者、③推進体制、④進め方。
    2. リーダー、支援者の心構え=①住民に感心を持ってもらう、②相手の話をよく聞く、③うまく進まない場合はやり方に無理がある。
    ※そもそも良い地域とは?→はらがくくれている地域(ないものねだりをしない、あるものを生かす)=「この地域で暮らしていくことへの覚悟」

【ワークショップ】
午後は2班に分かれ、「農業・農村の夢語り」をテーマにワークショップを行いました。
さすがに農村地域活動コース受講者のほとんどはワークショップの経験があるとのことでしたが、改めて原則(お互いを認め合う、批判しない等)を確認して取り組みました。
広田先生からは、受ける側でなく運営する側としてのコツも随所で教えていただき、色々なワークショップに参加してきた受講生の「今回は勉強になった」との声が印象的でした。
ワークショップの仕上げのタイトルは、1班が「明るい農村の処方箋」、2班が「岩手県民総活躍農業」となりました。

 
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○ 7月6日(水)「経営成長の管理」

今回は、午前中に経営成長の総論、午後にIAFSの大先輩である盛川IAFS同窓会会長をお招きし、経営成長の管理について事例紹介が行われました。

−午前−

1 経営成長の管理
 岩手県立大学総合政策学部 新田 義修 准教授

新田准教授からは、経営の成長の大前提として、何のために農業をやっているのかという「経営理念」が大切との指摘がありました。個別経営体であれば、所得やオリジナリティーの追求、集落営農組織であれば、担い手の確保や農地の維持など「経営理念」を踏まえた目標があると思うが、それ次第によって経営行動が変わってくるとのこと。
そして、ゴールである目標に向かって、現状を分析し目標の達成のための課題を解決していくことが経営成長の管理であると説明されていました。そして、経営成長のために必須な経営者能力の向上には、生産者能力、企業者能力(商品をどこに誰をターゲットにつくるか)、管理者能力(雇用者にサボらないで仕事をしてもらう仕組み作り、マネージメント)が必要と指摘されていました。

 

−午後−

2 事例紹介

有限会社 盛川農場代表 盛川 周祐 氏
盛川先生からは、米の作付から始まった御自身の40余年に及ぶ営農活動を振り返って、これまでの経験をもとに御自身の経営について語っていただきました。
まず、農業経営者として、経営が失敗しないよう、天候不順によって米の収穫が減ったときのリスクヘッジの方法を考え、米以外の作目を作ることに着手されました。
そして、土地利用型農業で作業効率を考えると機械化することが必須と考え、作業の機械化に適した作目を選択するとともに、輪作により土地を最大限利用することを考え、小麦と大豆を選定したそうです。これにより、米、小麦、大豆と周年生産を達成されています。
米については、作業が多く人件費が高くなる作目であるが、最近、乾田直播の技術の確立により、作業時間を短縮して栽培できるようになったことから、米の作付面積を増やしているとのこと。
今後は、労働生産性を向上させ更に単収を上げていくのが課題として考えており、土地利用型農業は、国の政策や助成金次第で収入が上下するので、助成金に過度に依存しないことが重要と指摘されていました。

 

盛川先生の経験談は、現状の課題を分析し、それを解決するための方法を着実に実行する力が本当に農業経営に重要であることを感じさせました。
新田先生から、受講生に対して「農業経営の成長に重要なものはどこにあると思いますか」との問いかけに対し、「野心が全てです」と答えた受講生の心意気に、今後の岩手の農業の将来の明るさを見た気がしました。

 
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○ 6月29日(水)「病害虫管理」

−午前−

 「植物の病気」
 岩手大学農学部植物生命科学科 植物病理学研究室 吉川信幸 教授

植物の病気を中心に基本的な事項について講義いただきました。

  1. • まずは岩手大学の前身である盛岡農林高等学校と植物病理学、宮沢賢治と植物病院など、植物病理学の歴史が話され、特に、「医学は人間を救うが、植物病理学は人類を救う」という言葉が印象的でした。
  2. • 全世界で農作物の病害虫による損失量は41%、雑草による損失が29%あり、防除なしで得られる収量は3割しかない。これは世界人口の1/3が飢えに苦しんでいる食糧危機の中で、植物保護(病害虫防除)の重要性を表すものである。
  3. • アイルランドのジャガイモ飢饉やコーヒーサビ病の影響でイギリスで紅茶が飲まれるようになったことなど、人類の歴史を変えた植物の病気があることが紹介されました。
  4. • 植物に病気をおこす病原体として、ウィルス性病原(ウイルス、ウィロイド)、生物性病原(ファイトプラズマ、細菌、菌類)があり、それらの形態や生活環、病徴などが説明され、予防や防除についても講義いただきました。

−午後−

 「岩手県における環境に優しい病害虫管理技術」
 岩手県農業研究センター 環境部 病理昆虫研究室 大友令史 室長

  1. • 農業・農村は、食料など農産物の供給機能以外に、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全等多面にわたる機能を有している。
    一方で、農業生産では、施肥や防除等による環境負荷も与えており、これからは環境に配慮した農業(いわゆる「環境保全型農業」)が必須となってくる。
  2. • 農薬について、農薬取締法から始まり、その定義や登録のしくみ、適正使用について分かりやすく説明いただいた。
  3. • また、農薬の役割については、大幅な減収や病害虫が原因となる毒素の存在など、使われないことの「リスク」を考えるとともに、一定の品質を安定的に供給し、水稲除草等の重労働から解放するなどの大きな効果があることを理解し、決して一方的な報道やイメージだけで判断しないよう説明された。
  4. • そして、日本の農薬残留基準の厳しさや天然物が決して安全なものばかりではないことについても話された。
  5. • 以上を踏まえ、環境に配慮した栽培(有機栽培、特別栽培、エコファーマー等)について、岩手県が進める総合防除(IPM)とGAP(農業生産工程管理)も含めて解説された。
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○ 6月28日(火)「食産業ビジネス論」

今回は、午前中に6次産業化の総論、午後に実際に6次産業化に取り組まれている方々をお招きし、事例紹介が行われました。

−午前−

1 講義「食・農・人連携による6次産業化」
 ブランドストーリー代表 大平 恭子 氏

大平先生から、6次産業化は、作る力、売る力、情報の加工、管理する力のバランスが重要との指摘がありました。販路形成や商品の品質確保が難しいところですが、農業者が自身の顧客であるターゲットをどのように設定するかによって、販路や商品品質の程度が変わってくるとのことです。
そして、ターゲットの設定次第で、顧客の求める価値・ニーズの内容も異なってくることから、食材の安全・安心や品質だけではなく、2次産業・3次産業の技術やノウハウ、デザインにも目を向ける必要があるとの説明がありました。
特に、高級品を目指すのであれば、出口にいる消費者が欲しいと思うもの、買った自分に満足できるものという要素がデザインなどで求められるとのことです。
さらに、人に近い「食」という観点から農業生産を考え、地域の業界が欲しいだろうと思うものを作っていく「地消地産」、地域の個性、驚きの商品を消費者に訴求していく「ふるさと産品の名物化」、2次産業及び3次産業と連携して、地域ぐるみで地域の食文化を再構築していくグリーンツーリズムなど、競争相手の少ない「ブルーオーシャン」で事業を展開していくのが6次化として参入しやすいのではないかとの提案がありました。

 

 

−午後−

2 事例紹介とパネルディスカッション

〈事例1〉「宮古の海が育んだ潮風のハーブ」
宮古市 潮風のハーブ園代表 古館 富士子 氏
古館さんは、訪問ホームヘルパーと兼業でトウモロコシ等を栽培されていましたが、震災で御主人を亡くされ、御義母様の介護、鳥獣被害など諸般の事情があり、農地を守るためハーブへの転作を決意されました。約20年前、県農政部主催のハーブ講座を受け、その後も自主的にハーブに係るグループ勉強会をしていたことがハーブ園を立ち上げる契機になったとのことです。
ハーブ園の農地は、ちょうど太平洋側からの潮風が通るところで、古館先生は、無農薬と自然乾燥にこだわって、ハーブティーを製造されています。味・香りのよいハーブを育てることができ、ハーブによって人に癒し・リラックスの時間を提供できたら嬉しいと御自身の事業を説明してくださいました。
昨年10月には、新しくハーブ工房が完成し、地域の憩いの場になっているとのこと。訪問ヘルパーや被災の経験があることから、これからハーブ工房を障害のある方や被災された方の癒しの場にしていきたいと仰っていたのがとても印象的でした。

 

〈事例2〉「フルーツほおずきの挑戦」
岩泉町 (有)早野商店取締役 早野 由紀子 氏
早野さんと「フルーツほおずき」との出会いは、2004年にフランスを旅行した時、料理の付け合わせとして食べたのが最初。どことなく懐かしい味がして気になり、国内の種苗会社から「フルーツほおずき」の苗を購入し、翌年から栽培を開始。岩手県産の「フルーツほおずき」を目指されました。
早野商店は、元々、酒小売と昆布巻きの製造販売に取り組んでおり、ほおずき栽培の技術はなかったものの、売り先への繋がりは持っていたことから、「フルーツほおずき」の加工や販売について、農商工連携の形態を採用されたとのこと。「フルーツほおずき」のPRのため、これまで県内の企業と様々なコラボ商品を発売し、商品発表会を盛岡市内のホテルで実施されてきました。
これにより、レバレッジ効果を生むとともに、各ホテルの料理人・パティシエの方とチャンネルができ、「フルーツほおずき」の販路が拡大していったと説明してくださいました。
現在では、フルーツほおずきのスイーツを食べた方から、青果の「フルーツほおずき」の人気が広がってきているようで、夢がさらに広がります。

 

〈事例3〉「地域の海の幸を使った『釜石海まん』」

釜石市 KAMAROQ株式会社 代表取締役社長 中村 博充 氏

中村さんは、関西の御出身。地域おこし協力隊として、震災後に釜石に定住されました。地域の人口が減少する中、地域が元気になるとはどういうことなのかを考えた上で、「海まんじゅう」の製造に着手し、釜石に収益が落ちる仕組みを作ることにより、Uターン、Iターンの定住者の受け皿を目指されています。
釜石地域の将来について危機感を持った地元企業のリーダーが集まり、それぞれの企業の強みと未利用資源の利用という観点から、まず「魚介類を使ったまんじゅうを作ってみよう」ということで6次産業化の取組が始まったそうです。釜石をPRする食ブランドとなるよう、「泳ぐホタテのアヒージョ」など首都圏の若い世代向けにメニューを設定したとのこと。
中村さんからは、これまでの取組を通じた気づきの点・課題ということで、以下の興味深い指摘がありました。
まず、各企業のリーダーがそれぞれ個別に事業を持っている中で、地域連携の難しさがあるとのこと。顧客となるターゲットの設定や商品開発についても、各リーダーに、それぞれの成功体験に基づく判断基準があり、メンバーの「気づき」の点を見える化し共有する必要性を感じているとのことです。
また、企業の強みを活かすという発想からプロダクトアウトで「海まんじゅう」の製造販売に着手したものの、季節性が強く、冷凍が必要という点をあまり考慮していなかったとのこと。今後は、各企業の「本当の強み」は何か再度精査するとともに、売り手や流通を視野に入れた商品開発が必要と説明されていました。

※6次産業化については、少し前まで「イノベーション」と「バリューチェーン」であると説明されてきました。新しい創意工夫により「新機軸」をつくり、良いものと良いものを繋ぐことで付加されていく価値を農業者に落としていこうという発想でした。
制度が始まってから、数年経ち、加工食品を作るという6次化だけでなく、グリーンツーリズムを含めて地域の食文化を発信していくというように6次化の動きも深化しているように思います。
特に、古館さんの「癒し」をテーマにした6次化というのは、今までになかったものと言えるでしょう。6次化の夢の広がりと難しさの双方を感じさせる講義でした。


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○ 6月23日(木)「地域資源活動論」

①農業生産法人有限会社柑香園(観音山フルーツガーデン)
 代表取締役会長 児玉 典男 氏

児玉先生は、和歌山県紀の川市で「観音山フルーツガーデン」を営み、柑橘等の栽培及び柑橘等を原材料とした商品の製造・販売をされています。
御自身の「観音山フルーツガーデン」で製造・販売しているみかんジュースなどの商品サンプルを持ってきていただき、先生から次のような質問が受講生に対してありました。

「このみかんジュース、いくらだったら買いますか?」

先生は、同様の質問を地元・和歌山と東京で、消費者の皆さんに聞いてみたそうです。すると、和歌山では200円、東京では800円との回答が多かったようです。
このことは、地域や場所によって、商品に付ける価値が異なるということを意味しています。「観音山フルーツガーデン」では、このみかんジュースを500円でインターネット販売をしているとのことですが、インターネットを使用すれば、高く買ってくれる需要者の元へ直接商品を訴求できるということを、実例をもとに説明してくださいました。

また、農業者が持っている固定観念を自ら打破していく重要性について指摘がありました。
ある時、某CM製作会社から、「黄色いレモン」がないか、電話で問い合わせがあったそうです。その時期は、周辺地域でも「緑色のレモン」があるのみ。

その時、先生は、直感的にCM製作会社が方々に電話を掛けて断られていることを察知し、農業技術的にレモンを黄色くできるアイディアがあったので、こう言ったそうです。

「何とかします。」

結局、約1週間後には、自然の発色による美しい「黄色いレモン」をCM製作会社にお届けできたそうです。

このエピソードから、先生は、固定観念にとらわれず、顧客のニーズに対して、自身の努力や周辺の人の知恵を借り、対応していくことが顧客の信用を獲得するには重要と説明されていました。先生は、顧客のニーズに対して、「それはできません」とは決して言わないようにしているようです。

先生は、講義の中で、地域資源の活用の鍵は、「気づき」であると何度も指摘されていました。その「気づき」とは、顧客との対話の中で、ニーズを捉まえて生まれてくるものであり、そのためには、常に新しい発見を大切にし、やわらかい頭になることが重要と指摘されていました。


②有限会社 秀吉 取締役営業企画部長 渡邉 里沙 氏
 「地域資源を活かし一次産業を繋ぐ活動」

渡邉先生は、盛岡市の㈲秀吉で飲食事業に携わる一方、食材事業部を立ち上げ、岩手の食材を全国の飲食店に向けて販売するとともに、一次産業を持続可能なものとすることを目指して、オーナー制での食材販売(牡蠣の一本買いなど)に取り組んでいらっしゃいます。

地域資源という点では、岩手にある全てのものが資源であり、岩手の食材等を、どのように人に伝え繋ぎ、活かすかが重要ではないかとの指摘がありました。その意味では、人の繋がり・ネットワークが一番の資源ではないかとのこと。

具体的に、先生は、グリーンツーリズムなどイベントを実施することで、需要者を岩手に呼び寄せ、生産者と直に触れ合ってもらう機会をつくり、岩手の食材の訴求力を高めているそうです。

需要者にとって、生産者と直に接したという体験は、岩手の食材を購入する強い動機付けになっているようで、イベントの開催は、岩手食材のファンをつくり、その価値を多くの人に伝達する機会になっているとのこと。
また、イベントで、岩手県外の方に来ていただき、その方々に岩手の魅力や岩手食材の価値を認識し評価してもらい、対外的に発信してもらうことで、地域資源に「気づき」易くなるのではないかとの指摘がありました。


③やまに農産株式会社 代表取締役 高橋 医久子 氏
 西和賀町における『わらび』への取り組み」

高橋先生は、西和賀町で主に「わらび」等の栽培と観光農園の経営に取り組んでいらっしゃいます。

先生は幼少の頃、全国を転勤していたという経験をお持ちで、西和賀町産の「わらび」が、他の産地の「わらび」と比べて味が良いと気づいたことが、「わらび」に着目するきっかけになったとのことです。

そして、わらびを栽培するようになってから、わらび粉の活用を考えていたときに、地元のお菓子屋さんから100%国産のわらび粉による「わらび餅」がないことを教えてもらったことが、地元のお菓子屋さんと「わらび餅の里づくり協議会」を結成する契機になったそうです。このような農商工連携の取組は全国的にも珍しく、今では毎年、マスコミからの取材があり、「わらび餅」のPRになっているそうです。

高橋先生からは、地域資源に「気づき」、それを「育てること」(いいものを作りPR等すること)が重要との指摘がありました。そして、その「気づき」は、いろいろな人の話を聞き、顧客に喜んでもらえるにはどうしたらよいかという視点によって生まれるのではないかとのことでした。
そして、岩手には、食文化として、それぞれの地域に長い冬を生き抜いてきた知恵があるはずで、その伝統を現代風にアレンジすることで、地域資源をより魅力あるものにできるのではないかとお話されていました。

 

今回の講義では、それぞれの講師の先生方から、地域資源を消費者に対して、どのように訴求していくのか、そのヒントがちりばめられていたように思います。

3人の先生ともにフットワークが軽く、出会った人の繋がり・御縁を本当に大切にされていることを感じました。

 
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○ 6月21日(火)「土壌管理」

①午前−「土壌の基礎」
 岩手大学農学部 応用生物化学科 土壌学研究室 准教授 立石 貴浩 氏

  1. • 土壌は岩石の風化物に腐植が加わり、それに気候や生物が作用してできたもので、地球全体で平均18cmの厚さしかない非常に貴重なものである。
  2. • 土壌はその種類によって性質が大きく異なり、例えば日本全国に分布する黒ボク土は、腐植を多く含むが、リン酸吸収高く、改良しないとススキ位しか育てない。
  3. 土壌動物、土壌微生物には多くの種数があり、有機物の分解や植物との共生など、色々な役割を担っている(「抗生物質」は、もともと土壌微生物が出していたもの)。
  4. 土壌を介して生態系の炭素や窒素の循環が行われているが、世界各地で土壌荒廃が進んでいるのが懸念される。
  5. ※土壌サンプルや土壌生物の回覧、土壌の保水力や色素吸着等の実験により、土壌の物理性・化学性・生物性を分かりやすく説明いただきました。

 


②午後(前半)−「植物の栄養と土」
 農研機構 東北農業研究センター 生産環境研究領域 土壌肥料グループ長 三浦 憲蔵 氏

  1. • 連作障害の原因は、大別して、土壌に蓄積した養分による過剰症と土壌伝染性病害となるが、対策としては輪作や土壌診断に基づく施肥管理等が挙げられる。
  2. • 植物の生育に必要な必須元素は17元素あり、うち炭素、水素、酸素等9元素が多量に必要な要素、更にそのうちの窒素、リン、カリウムは土壌中で不足することが多く、肥料の三要素として施用する。
  3. • 化学肥料単用による土壌化学性、収量の変化、有機質資材15年連用による土壌理化学性、収量の変化等がグラフで説明された。
  4. • 水田の生産力の維持・向上管理として、水稲は稲わら連用あるいは稲わら堆肥や厩肥連用の場合、地力が高まり増収する(窒素とカリウムの過剰蓄積に注意)。
  5. • 大豆は、2年目以降の減収要因に応じた対策が必要で、特に湿害対策や土壌の酸性化対策が必要となる。

 


③午後(後半)−「岩手県における環境にやさしい土壌施肥管理技術」
 岩手県農業研究センター 環境部 生産環境研究室長 島 輝夫 氏

  1. • 県内の耕地には、リン酸やカリが比較的多く蓄積されている(特に野菜畑)ので、減肥できる可能性がある
  2. • 肥料を少なくすることで、コストが削減されるほか、環境へのダメージを少なくする効果もある。
  3. • 環境にやさしい土づくり・施肥技術として、①緩効性肥料の利用、②局所施肥、③有機質資材による土づくり・化学肥料代替、④施肥基準・減肥基準の遵守による適正施肥、などがある。
  4. • 岩手県には、牛糞、鶏糞等の家畜由来有機物をはじめ多様な有機質資源が豊富にあるので、有効活用するとともに、養分の過剰蓄積にならないよう、土壌診断を実施して、肥料の施用量を考えましょう。

 


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○ 6月15日(水) 「農業経営戦略論」

「農業経営と経営者の役割・農業経営の経営戦略」
IAFS副校長 岩手大学農学部 佐藤和憲 教授

  1. <概要>
  2. • 農業経営者は経営理念・目標を行動指針として、戦略や計画を実行に移すことが求められる。特に、金融機関からの資金調達の際には、自らの経営理念に基づいて何をしたいのか、説明出来なければならない。
  3. • 経営理念・目標を達成するために、経営を取り巻く環境を考慮しながら、自らの資源を利用して、経営活動するための長期的な計画・方策、経営活動を行っていくうえでの指針・ルールが経営戦略である。

佐藤教授から、新規就農者の事例を用いて、農業経営者には企業者的能力(使命感・自由な発想など)が必要であるものの、将来にわたって経営規模を大きくしていくためには、管理者能力が必須になってくるということが分かりやすく紹介されていました。経営管理的な素養である簿記や数字の読み方の重要性について、受講者のこれからの気付きに期待したいところです。



午後は2人の先輩から戦略についての考え方を聞き、総合討議を行いました。お二人の経営概要等は次のとおりです。

1. 菊池亮喜(H23アグリ管理士・奥州市)〈蔦の木営農組合 組合長〉

  1. ○戦略
  2.  ①農地を守るため、可能な限り国の交付金を得る対策をとる。
  3.  ②農作業は機械化するが、レンタル機械を活用し、設備投資を極力控える。
  4.  ③集落住民を巻き込んだ共同作業や行事を通して、農村環境の保全に努める。
  5. ○16年程前に公葬地や河川沿いに梅の苗を植栽し、管理しながら花見など行ってきたが、年々良い梅の実がとれるようになってきたため、IAFSの同窓の漬物屋さんに委託して梅漬を作って「瀬谷子梅」としてブランド化を進めている。
     →クロステラスやアネックス川徳等10店舗で販売。
  6. ○梅で収入をと考えた訳ではなく、共同の作業等で地域がまとまることを考えたもの。


2.南幅清功(H25アグリ管理士・盛岡市)〈キートスファーム㈱代表〉

  1. ○戦略
  2.  ①盛岡近郊の利便性を最大限に生かした販売・納入戦略の確立。
  3.  ②緑肥や野菜残滓有機物等を使った土づくり。
  4.  ③減農薬栽培など差異化の実践でお客様から選ばれる野菜作り。
  5. ○借地を中心とした400aの農地を回転させ、効率的な栽培を行っている。
     →輪作、マルチの2作使用、施設化など。
  6. ○系統出荷のほか、市内スーパー等の産直コーナー(35ヵ所)、飲食店への直接販売等、多様な販売ルートを確保してきた。
  7. ○栽培は23品目にも及び、更に加工品にも積極的に取り組んでいる。(トマトジュース、野菜パウダーを利用したロールケーキ、パスタ等)
  8. ○後継者が残るようにするためにも、活性化した儲かる農業を構築してみせる必要がある。
 

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○ 6月8日(水) 「人的管理・労務管理」
  1. ① 午前 − 横山 信英 氏(社会保険労務士・行政書士)
  2. ② 午後 − 葛西 信昭 氏(㈲かさい農産 代表取締役)

第3回講義は、「人的管理・労務管理」をテーマとして、お二方を講師に迎え行われました。
キーワードは、「なぜ?」、「どうして?」。

① 「人事・労務管理から人的資源活用(Human Resources Management)へ向けて」
  社会保険労務士 横山 信英 氏
横山先生からは、農業には機械・施設の導入など、大きな資本投下が必要であり、需要や時勢の流れを捉まえて、時代の先を読み取る力が大変重要であること、そのためには、「なんで?」、「どうして?」という物事の本質を自分の感覚で読み取る力が必要という指摘がありました。
その上で、農業経営者として、研究、企画開発、商品設計、営業、購買、生産・加工・組立、物流、販売、アフターサービスという一連のバリューチェーンの中で、自己の優位性をどの分野に求め利潤を追求するのか、経営理念や経営方針に従って自己決定していく重要性が説明されました。
また、組織を動かしていくためには、経営者として中間指導職能の人材の適正な配置が要であることとの説明があり、特に農業分野では中間指導職能としては、簿記の習得、農業技術に係るある程度の専門性、機械修理の習熟が必須であり、そのことを考えて、将来農業経営者として、人材を適切に配置して組織を運営してほしいとのアドバイスがありました。



② 「戦略的経営へ~人材・組織編~」
  ㈲ かさい農産 代表取締役会長 葛西 信昭 氏
農業とは、どういう仕事ですか?
なぜ、あなたは農業を職業として選択したのですか?

葛西会長から突然、受講生に対して投げかけられた質問です。

「農業とは何か?」、「なぜ農業を仕事としてするのか?」、「そもそも仕事とは何か?」。

答えは、個々人のこれまでの経験や人生観により様々です。
「組織」についても、これと同じことが言えます。

葛西会長からは、経営戦略や人材育成は、その組織の「理念」、「行動指針」、「目的」をどう設定するのかにつきるとの指摘がありました。「なぜその行為・仕事をするのか」の理由付け・答えの全てに、その組織の「理念」、「行動指針」、「目的」が絡んでくるということです。

また、「農業とは何か?」という答えについても、「組織」が農業をどのように捉えるのかによって違ってきます。

葛西会長からは、農業について、食料供給産業であると同時に、障害者の方々の生き生きとした生活・仕事を支える福祉産業の側面や食育といった教育産業の側面があるとの指摘がありました。そして、農業を「組織」として、いかなる定義付けをするのかが起業家的視点であり、世の中の変化に応じて、顧客に対してどのような価値提案ができるのかを常に考えていかなければならないとのことでした。

お二人は、「経営理念」の重要性をともに強調されていて、「なぜ?」、「どうして?」という視点を経営に活かすのが大切ということを御自身の経験等になぞらえて説明されていました。受講生の皆さんによい「化学反応」が生じるのではないかと思っています。

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○ 平成28年6月3日(金) 「農業経営の発展と農業協同組合」

6月3日(金)の講義は、「農業経営の発展と農業協同組合」をテーマとして、お二方を講師に迎え行われました。

  1. 「担い手支援を基軸としたJA事業戦略の再構築と連合会機能の発揮」
    JA全農茨城県本部管理部監理役(茨城県農業総合センター駐在) 関 良男 氏

     関先生からは、JAグループ全体の全事業利益について、1998年を100とすると、2013年には約80になっていること等、様々な指標を用いて現在のJAの経営状況について説明があり、その要因として、消費者サイドの「食の外部化」、実需者サイドの業務用生鮮食品の需要の増加とそれに伴う商品に係る「定(低)価格、定品質、定時、定量」といったニーズへの対応の遅れが課題となっていると指摘がありました。
     JA全農茨城県本部では、課題解決への方向性として、法人など多様な担い手との連携強化、業務用・加工需要に対応できる販売体制の確立が必要と考えているとのことでした。

  2.  地域によって主たる作目がJAごとに異なるので、地域の実情に応じた対応方向の可能性があることを実感させられる講義でした。


  3. 「農業経営の発展と農業協同組合」
    福島大学経済経営学類教授 小山 良太 氏

     小山先生からは、儲かる農業にしないと担い手が確保できないこと、儲かる農業経営とするためには、北海道のように産地形成によって農業者の手取りを増やすパターンと、加工業者・農協等との連携により農業者の手取りを増やすパターンが考えられるとの指摘がありました。
     そして、現在、全国的に取り組まれている6次産業化の推進は、後者のパターンであり、その中でも @特産品の加工による土産品の販売といった移出代替のカテゴリーと、A日常品の加工等、地域内で消費される移入代替のカテゴリーがあるとのことでした。
     全国的には@の方向による6次産業化の取組が多いところですが、Aの方向であれば、地域内の消費者が日常的に必要なものを作ることになるので、顧客を確実に確保できることから、岩手県内で日常の消費量が多い加工品を地域で製造販売する枠組を作ってみてはどうか、との提案がありました。

    Aの移入代替による6次産業化の取組は、新しい視点で、6次産業化のこれからの可能性を感じさせる講義でした。
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○ 平成28年5月26日(木) IAFS第1回講義「農業を巡る内外情勢」

 例年第1回の講義では「農業を巡る内外情勢」と題して、農林水産省幹部の方から講義していただいています。今年は公開講座として以下のとおり開催しました。

○ 日 時 平成28年5月26日(木)13:00~16:00
○ 講 師 農林水産省大臣官房付研究調整官 安岡澄人氏
○ 参加者 受講生、修了生等75名

講師の農林水産省大臣官房付研究調整官 安岡氏公開講座としOBも多数参加

○ 内 容

  1. 日本農業の現状
    1. • 国内生産額(H25 928.9兆円)のうち、農業・食料関連産業分97.6兆円(10.5%)、そのうち農林漁業分は11.4兆円(1.2%)のみ。
    2. • 地方では食品製造業の位置付けが大きく、それを地域の農業が支えている。
    3. • 日本の人口は減少する一方で老齢人口は大きく増加、生産人口は大きく減少する見込み。
    4. • 林水産業就業者数も年々減少、担い手が高齢化(H27 基幹的農業従事者数175万人、平均67.0歳)。
    5. • 農業総産出額も年々減少(H26 8.4兆円)、米の割合が減少し、野菜・畜産が増加。
  2. 世界農業の動向
    1. • 世界の穀物の生産量の増加は今までのような伸び率は期待できない(地球温暖化、水資源の制約、土壌劣化などの不安要素)。
    2. • 世界の人口の増加が止まらない(2010年69億人→2050年96億人予測)
    3. • 日本の人口は減少する一方で老齢人口は大きく増加、生産人口は大きく減少する見込み。
    4. • 中国による大豆、米の輸入の増加(大豆2.9倍 2016/2006(世界の64%)、米2.8倍 2016/2012)
    5. • 穀物等の国際価格の変動(大豆、とうもろこしは2012年史上最高値、翌年以降低下)
  3. 農林水産行政の展開方向
    1. • 平成25年に決定された「農林水産業・地域の活力創造プラン」に基づき、産業政策と地域政策を車の両輪とする農政改革を進めてきた。
    2. • TPP協定では、日本は他の参加国に比べて かなりの農林水産物を守ったと自負。
    3. • 「強くて豊かな農林水産業」と「美しく活力ある農山漁村」を実現するための政策を推進。
      <産業政策>−農村水産業の成長産業化
      ①需要フロンティアの拡大
      農産物輸出の拡大、戦略的インバウンドの推進、新たな国内需要への対応 等。
      ②バリューチェーンの構築
      ファンドの活用、次世代施設園芸の推進、ロボット革命、6次産業化 等。
      ③生産現場の強化
      農地中間管理機構創設、米政策見直し、法人化推進、経営所得安定対策の見直し 等。
      <地域政策>−美しく活力ある農山漁村の実現
      ①多面的機能の維持・発揮
      日本型直接支払制度の創設、農山漁村の活性化 等
  4. イノベーションによる攻めの農業の展開
    ~日本の強みを生かしたスマート農業等の展開~
    1. ① 品種・新技術による「強み」のある農産物づくり
      1. 変化する需要や需要構造、拡大する世界の食の市場規模に対応。
      2. ラーメン用小麦、加工適正のある玉ねぎ、ブランド化、変色しないりんご、多収苗 等。
    2. ② ロボット、IT等を活かした「スマート農業」の展
      1. 超省力、大規模生産(GPS導入等による自動走行等)
      2. 作物の能力を最大限に発揮する栽培(ドローンやIT技術を活用したきめ細かな環境等の制御)
      3. 危険作業、重労働からの解放(アシストスーツ、除草ロボット等)
      ※ロボット等の技術は、動画による紹介で、最新技術がよく分かりました。
ドローンを活用したほ場や作物のセンシング畦畔法面用除草ロボット
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