学び直して,アグリでキャリアアップ! IAFSは21世紀の農業を切り拓く意欲的な農業経営者を育てます

IAFS いわてアグリフロンティアスクール
 講義風景
「講義風景」では、実施した講義の様子を随時掲載していきます。 ※スクール修了生の方は、現地研修・演習以外の座講は聴講可能な場合もありますので、事務局(TEL019-621-6231)までお問合せください。
平成29年
6月28日(水)「食品ビジネス論」
6月27日(火)「病害虫管理(防除・農薬)」
6月22日(木)「地域資源活用論」
6月21日(水)「土壌管理」
6月14日(水)「農業経営戦略論」
5月23日(火)「農業を巡る内外情勢」

平成28年 >

○ 6月27日(火)「病害虫管理(防除・農薬)」

IAFS事務局です。
6/28の講義は「食産業ビジネス論」でした。
事例発表では、「らしさ」の徹底や「プロモーション」の構築といった中身を通じて、6次産業化ならではの付加価値を加えている事例だと感じました。

◆概要(総合討論の内容も含む)

  1. ○ ブランドストーリー 大平 恭子 氏
    1. 戦略計画作成時には3C分析(自社・顧客・競合)を意識して、目的と目標(出口)をしっかり設定してほしい。
    2. 戦略を作る時は、身の丈に合った経営、持続可能な経営を考えること。
    3. 商品の価値は、品質と価格のバランスで変わるが、6次産業化ではそこに「自分たちの強み(人柄や作柄、地域柄などの経営資源)」を追加して価値を高めていくことが大切。
  2. ○ 松本りんご園 松本 直子 氏
    1. りんごの生産に加え、「mi cafe」というカフェを経営。
    2. 農地にカフェを建てる許可を得るために4年間役場や大学など関係機関を回った。
    3. カフェを建てる時に気をつけたことは「らしさ」。農家だからできることを意識し、りんご畑やそこからの景観を活かすことや、現場の話をしながら食事提供し、そのメニューの背景(ストーリー)をお客さんに理解してもらっている。
  3. ○ 佐藤ぶどう園 佐藤 徹 氏
    1. 一房枝付きレーズンの販売についての話がメイン。
    2. 最初のパッケージはイベントに出品したが評価が低かったため、市場調査を「食」のみから「衣・食・住」に変えてプロモーションを再構築した結果、「世界にも通用する究極のお土産」品評会で金賞を受賞し、大手の取引先との販路の拡大に繋がった。

◆講義「食産業ビジネス論」

講師:ブランドストーリー 大平 恭子 氏
松本りんご園 松本 直子 氏
佐藤ぶどう園 佐藤 徹 氏

 
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○ 6月27日(火)「病害虫管理(防除・農薬)」

6月27日に開講した病害虫管理の講義概要を紹介します。

 

−植物の病気−

岩手大学農学部 植物生命科学科 植物病理学研究室
吉川信幸 教授

  1. ○ 植物病理学会は、獣医学会に次いで歴史が古く、102年経過している。
  2. ○ 医学は人間を救うが、植物病理学は人類を救う。
     例えば、穀類(イネ、ムギ)の病害による損失は約2.6億トンで10億人分の食料に匹敵すること、アイルランドのジャガイモ飢饉で人口800万人のうち100万人が餓死して150万人が北米へ移民したこと、コーヒーサビ病でセイロンのコーヒーが生産できなくなったためイギリスで紅茶を飲むようになったこと、などが紹介されました。
  3. ○ また、農作物の病気の原因となる、ウィルスや細菌、菌類による病気の種類や感染の仕組みなどが説明されたほか、最近問題になっているマツ枯れの原因の線虫やウメ輪紋病などについても話していただきました。
  4. ○ 後半は、吉川先生が開発した「ウィルスベクターを活用した果樹・花弁類の開花促進技術」について説明していただきました。
    1. 「桃栗3年、柿8年・・・・」と言うが、りんごも開花・結実まで6〜10数年かかります。
       例えば、「ふじ」は品種になるまでに20年以上かかっていますが、米国で黒星病抵抗性を持つりんごを作るのに7世代68年かかった例もあります。
    2. この実の成らない期間(幼若相)を短くできれば、品種育成が飛躍的に向上します。
    3. これを可能にしたのが吉川先生の研究です。りんご実生の開花促進効果の研究事例では、播種後2カ月で開花し、その後結実したものから種子を取って播種すると発芽し、そこからウィルスは検出されませんでした。
    4. これは、その他の品目でも応用ができ、色々な品目で研究に取り組んでいるとのことです。
       花では、現在八幡平市との共同研究として、「花弁の開くエゾリンドウ」を開発中とのこと。

 

 

−病害虫管理(防除・農薬)と岩手県における環境に優しい病害虫管理技術−

岩手県農業研究センター環境部 病理昆虫研究室
大友令史 室長

  1. ○ 農業農村は、農業生産のみならず、洪水や土砂崩れを防いだり、地下水を作る生物のすみかになる、景観を保全する、文化を伝承する、などの多面的な機能がある。
  2. ○ 一方では、農業生産に伴う環境への負荷もあるので、特に農薬については、リスク削減のための方策を考える必要がある。
  3. ○ 農薬を使わないと3割しか収穫できない。→雑草で29%、害虫で23%、病害で18%の損失。
  4. ○ 生産場面における農薬の役割は、①安定的に食料を供給、②病害虫により生産される毒素やアレルゲンによる健康被害を低減、③農家を過重な労働から解放、などがある。
  5. ○ 近年、農薬を減らすための動きがあるが、その理由としては、①生産コストを下げる、②化学物質の環境への放出量を減らす、③病気や虫に抵抗性がつかないようにする、④消費者ニーズに応える、などがある。
  6. ○ 農薬を使うことに対する誤解もあるので、考えてみる必要がある。農薬の残留基準はかなり厳しいレベルで決められている。むしろ、天然物でも危険なものはたくさんある。通常に農産物を食べて農薬のせいで死んだ人はいない。むしろ微生物が危険!
  7. ○ 「安心」と「安全」は別物!安全は技術によって担保されているもので、安心は気持ちによるところが大きい。
  8. ○ 環境保全型農業
    1. 有機栽培−無化学合成農薬・資材、化学肥料で2年以上経過、堆肥等による土づくり。
    2. 特別栽培−化学合成農薬及び化学肥料(窒素)を慣行栽培に比べて5割以上削減。
    3. エコファーマー−都道府県が策定した「持続性の高い農業生産方式の導入方針」に基づき、「持続性の高い農業生産方式の導入計画」を作成して知事認証を受けた農業者。

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○ 6月22日(木)「地域資源活用論」

【講師】
ホシノ・アグリ・コミュニケーション研究所 代表 星野 康人 氏〈午前・午後〉
有限会社秀吉 取締役営業企画部長 渡邊 里沙 氏〈午後〉
やまに農産株式会社 代表取締役 橋 医久子 氏〈午後〉
※午後は上記講師3名のほか、佐藤和憲 岩手大学農学部教授と共に総合討論も実施。

【概要】
皆さまの地域資源にはどういったものがあるでしょうか?
講師の先生からは「当たり前と思っていることも資源」「みなさんの周りにあるものは全 て資源」といった発言もありました。今一度、地域資源について考えてみてはいかがでしょうか。

  1. ◆「地域資源活用論」(星野氏)
    地域資源は大きく分けると、①経営理念、②風土や文化、③品目や品種、④技術(栽培や加工)の4つ。ただし、資源だけでは価値がなく、ニーズと結びつけることで商品コンセプトとなり、価値が生まれる。
    農商工連携を行う際には、農林水産物と工業製品の違い(安定した納品が困難など)を理解してもらい、圃場見学を行うなどして相互理解を深めていくことが成功のカギ。
  1. ◆「地域資源を活かし一次産業を繋ぐ活動」(渡邊氏)
    「CHEF'S WANT」という飲食店向けの食材販売事業(生産者と飲食店を繋ぐ中卸のような事業)を行っている。飲食店では一般の消費者と求めている食材が異なる(新鮮、希少、生産者が見える食材など)。他業種との連携は「想いが一致する」ことが継続していく上で重要。
  1. ◆「地域資源活用の取組について」(髙橋氏)
    地域の特色を活かした農産物生産・加工品販売・観光農園を通じて、地域活性化に役立つ農業を行っている。西和賀で昔から食べられていたわらびという資源を大切にし、育ててきた。新たな資源を育てることも大事だと思い、カシスにも取り組んでいる。
    わらびは地域内で連携して取り組んでいるが、連携継続には利害関係が一致し、利益のみに走り過ぎないことが大事。

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○ 6月21日(水)「土壌管理」

<午前>
 「土壌の基礎」
  【講師】 岩手大学農学部応用生物化学科 土壌学研究室 准教授 立石 貴浩 氏

「そもそも『土壌』とは?」講義では、土壌の成り立ちから、その機能まで実験を含めて
詳しく説明していただきました。

  1. 土壌の三つの機能
    ①物を育てる機能(すみかの提供、養分の供給)
    ②水を維持する機能(土壌中のすき間に水)
    ③有機物の分解や物質の循環
  2. 土壌の特性
    ①物理性−気相・液相・固相で構成
    固粒を形成→保水性・通気性・透水性の改善。
    ②化学性−土壌粒子表面に正又は負の荷電→養分の保持
    陽イオンを吸着し、植物への養分供給源として貢献
    ③生物性−土壌動物と土壌微生物により構成→落葉、落枝の分解
  3. 土壌と食料問題・環境問題
    ・世界中の食料の増産が人口の増加に追いついていない。
    ・土壌の荒廃が世界中で起きている。
最後に「土壌」の文字の意味を説明され、宮沢賢治の得業論文(卒論)
「腐植質中ノ無機成分ノ植物に対スル価値」についての紹介がありました。

 

<午後>
 「植物の栄養と土」「岩手県における環境に優しい土壌施肥管理技術」
  【講師】岩手県農業研究センター 環境部 生産環境研究室 室長 島 輝夫 氏 

「植物の栄養と土」

  1. 県内農耕地土壌の養分含量の推移
    ・昭和54年から調査している「土壌養分含量」の推移をみると、全般的に野菜では、リン酸、カリとも土壌堆積量がかなり多く、過剰堆積している可能性がある。
  2. 物の生育と施肥管理
    ・作物それぞれの吸収パターンが異なり、生育特性に合わせた施肥管理が必要。
    ・肥料、土壌改良資材には多くの種類があるので、その特性を理解した上で使いこなすことが必要。

[環境保全型農業への取組]
 肥料が多すぎると農業経営や環境へのダメージの問題があるので、次のような環境にやさしい土づくり、施肥技術を行っている。

  1. 緩効性肥料の施用
    ・化学合成緩効性肥料(CDU、IBなど水に溶けにくく、微生物分解されにくい)
    ・硝酸化成抑制剤入肥料(ASUなど、微生物活性を抑え硝酸化成を抑制)
    ・被覆肥料(LPなど、被覆材を使い成分の溶出をコントロール)
  2. 局所施肥
    ・畝内施肥、畝内部分施肥→施用量の減(専用のみ機械が必要)
    ・点滴かん水施肥技術→塩類集積の回避、かん水・施肥の自動化(水かけ当番)
  3. 有機質資材利用による土づくりと化学肥料代替
    ・有機肥料・たい肥の効果→物理性、化学性、生物性の改善→増収、品質向上、安定生産
    ・有機質肥料や堆肥の特徴を把握しておくこと。→多投は、リン酸、カリ過剰の一因にも
  4. 施肥基準、減肥基準の遵守による適正施肥
    ・補給型施肥基準(県)−土壌から持ち出された肥料成分量を肥料で補給するという考え方→土壌診断による施肥設計が必須

 
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○ 6月14日(水)「農業経営戦略論」

【講師】

  1. 岩手大学農学部教授 佐藤 和憲 氏 <午前・午後>
  2. 農事組合法人おくたま農産 代表理事組合長 佐藤 正男 氏 <午後>
  3. キートスファーム株式会社 代表取締役 南幅 清功 氏 <午後>

【概要】
今回はIAFSの目玉と言っても過言ではない「戦略計画」についての講義でした。
 午前は戦略計画策定に向けたスケジュール、具体的に経営戦略を作る前には、しっかり現状把握をしておくことが大切です。より良い「戦略計画」を立てるためにも、今から準備を進めていきましょう!

<午前>

  1. 「戦略計画策定に向けたスケジュールと準備」
  2. ・夏までに準備しておきたい事項
  3. → 自家経営の現況把握
  4. → 社会・経済の動きの自分なりの整理
  5. → 主幹部門・作物の動向の整理
  6. → 地域農業の動向(特に土地利用型経営の人)

  1. 「農業経営と経営者の役割」
  2. ・経営戦略とは、経営理念・目標を達成するために経営を取り巻く環境に考慮しながら、自らの資源を利用して、経営活動するための長期的な計画。

<午後>
  1. 「実際の法人経営の事例発表」「総合討論」
  2. ・計画を立てる際には、社会情勢を踏まえた「シミュレーション」を行うことが大切。
  3. ・スタート時の計画が大事だが、背伸びしないで実現できる計画を立てることが重要。

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