イベント

2012年のイベント情報

第4回 セミナー

線虫C. elegansにおける個体群密度依存的な化学走性行動の変化
東京大学 大学院 理学系研究科 生物化学専攻 山田 康嗣
2012年1月27日 17:30-18:30
会場 農学部1号会議室
参加申込不要
動物は生活に適した条件の場所で集合、繁殖し、その場所での個体数を増やすが、周囲の仲間が多くなりすぎると、各個体がより広い範囲に拡散しようとする傾向が現れる。このような個体群密度に依存した拡散行動は、様々な場所での生存の可能性を探ることを可能とし、種全体としての利益につながる。我々は線虫C. elegansが集団内での仲間の数をフェロモンを介して感知し、匂いに対する応答を変えることで上記のような拡散行動を達成できることを見出した。本発表では、遺伝学的解析を通して明らかとなってきたその分子機構について紹介する。

第1回 シンポジウム(平成24年3月7日)

特別講演1(13:30-14:20)
におい分析におけるにおい識別装置の役割と実施例
(株)島津製作所 喜多純一
成果報告(16:05-17:05)
・ネコ尿臭生成とフェリニンの代謝機構
山下哲郎(岩手大学農学部)
・嗅覚コミュニケーション解明を目指したにおい分子の精製法と生理活性測定法の検討
宮崎雅雄(岩手大学農学部)
特別講演2(15:12-16:05)
フェロモン記憶のシナプスメカニズム
(財)東京都医学総合研究所 市川眞澄
成果報告(14:20-15:00)
・スギ材香り成分の分離およびその利用
小藤田久義(岩手大学農学部)
・醤油中の揮発性含硫化合物の香りへの貢献度と醸造中の生成
孟 琦・菅原悦子(岩手大学農学部)
・シカ類との衝突事故を減らすためのライオン排泄物由来忌避剤の研究
大橋真吾・出口善隆・小藤田久義・松原和衛(岩手大学農学部)
会場 農学部共通教育研究棟(生命系)1階7番教室
ポスターはこちらから閲覧できます。

第5回 セミナー

肛門嚢分泌物や尿のにおいを介したネコの嗅覚コミュニケーション
岩手大学農学部 特任研究員 西村貴志
2012年6月1日 17:00-18:00
会場 農学部1号会議室
参加申込不要
多くの哺乳動物は、尿や糞、皮脂腺などの分泌物に含まれるにおい物質をなわばり行動や個体間の嗅覚コミュニケーションに利用していると考えられている。我々に身近な動物であるネコも、尿や皮脂腺あるいは肛門嚢分泌物に含まれる多様なにおい物質を嗅覚コミュニケーションの媒体として利用していると考えられている。しかし、その科学的な根拠は限られており、実はよく分かっていない。そこで本研究ではまず、ネコが別の個体に出会った時に相手の肛門周辺のにおいを嗅ぐ行動に着目し、肛門嚢分泌物のにおい物質の同定とバイオアッセイによる機能解析を行った。次に、ネコの尿マーキング行動に着目して、尿から抽出したにおい物質をノラネコの糞尿被害防除や絶滅危機に瀕している他の野生ネコ科動物の保護活動へ将来的に応用可能か検証した結果について報告する。