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金山 素平

自己紹介

ファイル 11-1.jpg学歴・職歴:
1997年 九州大学農学部農業工学科 卒業
1999年 九州大学大学院農学研究科農業工学専攻修士課程 修了
2002年 九州大学大学院生物資源環境科学研究科博士後期課程修了
2002年 九州大学大学院農学研究院学術特定研究者
2003年 九州大学生物環境調節センター研究機関研究員
2005年 九州大学大学院農学研究院助手(平成19年助教に配置換え)
2013年 岩手大学農学部共生環境課程准教授(現職)

最終学位:博士(農学)

 現在まで行ってきた研究を継続し、「農業用施設・構造物と農用地の維持管理および環境に配慮した施工技術の開発」に従事したいと考えています。そして、この成果を、日本でも農業生産量の高い東北地方の農地の保全・改善のための最適管理、持続的な農業生産に役立てればと思っています。


研究紹介


 研究の一例ですが、早期の沈下実測データに基づいた沈下予測手法の検討を行っています。軟弱地盤上に築造される盛土構造物の沈下は古くから地盤工学上の重要な問題であり、数多くの研究者によって幅広く研究されてきました。軟弱地盤は、その高い圧縮性と低い透水性のため、築造後も長期間にわたって沈下が継続します。オランダは、ライン川下流の低湿地帯に位置し、国土の多くをポルダーと呼ばれる干拓地が占めています。国土の1/4は海面下に位置し、はるか昔から絶えず洪水の危険にさらされ、堤防を築き、運河を張り巡らせて治水を行い、干拓によって国土を広げていった歴史的経緯があります。このことから堤防の建設・管理・維持することは、人々の様々な活動を保証する意味において重要です。本研究では、過去に構築したニューラルネットワークモデルによる沈下予測手法を使用しオランダ国内の盛土地盤沈下の予測を行い、モデルの改良と予測精度について検討を行っています。予測値の変動係数を規準とし予測値を教師データとして採用した結果(Fig.1)、予測精度が大幅に改善され、とりわけ平均予測率の変動係数が顕著に減少しました。現時点では、2週間程度の観測値(図中の3点)を用いて1年後の沈下量を精度良く予測することができます。これらの結果から、予測値を学習に取り込んだネットワークモデルは早期の沈下予測に高い精度を有することが分かります。

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西向 めぐみ

自己紹介

ファイル 10-1.jpg学歴・職歴:
1996年 北海道大学農学部生物機能化学科 卒業
1998年 北海道大学大学院農学研究科博士前期課程 修了1998~2001年 株式会社アデカクリーンエイド 東京開発研究所
2001年 北海道大学大学院農学研究科博士後期課程 入学
2004年 北海道大学大学院農学研究科博士後期課程 修了・学位取得
2004年 北海道大学創成科学共同研究機構 戦略重点プロジェクト学術研究員
2006年 同上 特任助手
2007年 同上 特任助教
2008年 北海道大学大学院農学研究院 文部科学省知的クラスター創成事業 博士研究員
2012年 帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科 講師
2013年 岩手大学農学部動物科学課程 准教授(現職)

最終学位:博士(農学)

 これまでは、ラット、マウス、ヒトを研究対象として研究をおこなってきましたが、これからは家畜動物にも研究の幅を広げていきたいと考えています。


研究紹介

機能性リン脂質の役割に関する基盤的研究
 私たちが食事として摂取している脂質の中で、摂取量として最も多いのは中性脂質ですが、その次に多いのはリン脂質です。また、リン脂質は生体膜の構成成分としても、非常に重要な物質です。リン脂質には様々な種類があり、生体内での動態、食品としての機能性のどれをとっても、研究対象として面白い物質です。
 リン脂質の中でも主にプラスマローゲンというリン脂質について研究をおこなっています。プラスマローゲンは、脳や心筋など酸素消費量の多い組織に多く含まれています。プラスマローゲンのsn-1位のアルケニル基(ビニルエーテル基)はラジカル感受性が高く、組織局在性と合わせて考えると、酸化傷害から細胞を守る役割を持つことが考えられ、アルツハイマー病や動脈硬化症など酸化ストレスが関係する病態の防御因子としての機能が示唆されています。しかしながら、その生理機能の探索はいまだ不十分です。私は、これまで、動脈硬化症と体内プラスマローゲン濃度の関連の検討や体内プラスマローゲン濃度を増加させる物質に関する研究を行ってきました。現在は、皮膚にもプラスマローゲンが多く含まれていること、また、皮膚は体の最外殻にあり、常時、酸素に暴露されていることから、皮膚のバリア機能におけるプラスマローゲンの役割を検討しています。皮膚のバリア機能を解明し、皮膚バリア機能を強化・保護することは、ヒトばかりでなく動物にも広がっているアトピー性皮膚炎の予防や軽減に有効な手段にもなると考えています。
 また、その他の動物由来、植物由来の脂質に関しても、吸収を含めた生体内での動態に関する研究をおこなっています。
 イメージ的にはあまり良くない脂質ですが、生体に必要不可欠な成分です。畜産物を含め自然界に存在している様々な脂質(脂溶性成分)の有用性、新たな機能性をもったリン脂質の研究基盤を構築し、ヒトや家畜を含めた動物の健康維持に貢献していきたいと考えています。

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