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岩手大学農学部Faculty of Agriculture, Iwate University
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大学院生インタビュー

連合農学研究科

 寒冷圏生命システム学専攻 柿崎 祐介さん

柿崎 祐介さん
充実の設備が探究心を後押ししてくれます

 実際に研究を始めてみて気が付いたことなのですが、ハード面がすごく充実しています。機器が無い、技術的な解析が出来ないという点でやりたいことを制約されることはほとんどありません。例えばバイオテクノロジーのように日々進んでいく研究をしていてもその流れに遅れるようなことはなく、先端的の研究ができる環境にあると思います。私の研究テーマは植物における呼吸の制御。最も代謝の基礎となる呼吸には多様性があり、適応力の高いメカニズムを持っています。そこに惚れ込んで研究をしています。研究ってひとつわかると、次に生まれる疑問はひとつではなく、いくつも疑問が出てきます。そこで辞めても誰かがその研究を続けると思うのですが、やはり自分でその先を見たいと思うんですよね。そういう気持ちで研究を続けています。

自分にとって岩手は研究に適した土地

 岩手に住んで約10年になりますが、ずっと住みたいと思っています。この後、岩手を離れることもあると思いますが、いずれは帰ってきたいですね。住みやすいというのも岩手の魅力だと思います。研究に集中して疲れた時に、ふっと外に出ると、山が見えて焦っていない雰囲気があって。良い深呼吸をして、研究室に戻れるんですよ。そんな大学の空気が好きで気に入っています。

 寒冷圏生命システム学専攻 高橋 大輔さん

高橋 大輔さん
植物の冬支度の仕組みを解明したい

 実家が米と枝豆の農家をしています。子どもの頃から農業に対して親しみと強い思い入れがあり、深く学びたいと思い岩手大学に入りました。現在は植物が寒さに対してどのように適応しているのかを、細胞膜に着目して研究しています。植物は冬になる前に低温馴化という冬支度します。その時に自ら細胞レベルで成分を変えるなどして冬に適応しているのですが、そのメカニズムはあまりわかっていません。岩手県は寒さの影響を受けやすい県です。冷夏を克服すること、より寒い地域でも食物を育てられるようにすること、急な気候変動にも対応できる植物を作ること、この3つが私の研究の目標です。

海外の大学院生との出会いに刺激をもらい、なりたい自分をみつけました

 修士の2年生の時、国際学会でルクセンブルクに行き、各国の大学院生が集まり授業するというプログラムに参加しました。そこで話した色々な国の大学院生は、論理的に考えて自らの意見を主張し、研究のプロセスもしっかりしていて、将来の見通しも立てている。そういう考え方にとても感動し、自分もそんな研究者になりたいと思いました。始まりは実家の農業でしたが、今は俯瞰的なところから細胞レベルまで、広い目で農業を見られるようになりました。細胞レベルの研究を応用に結びつけることは簡単ではありませんが、実際に応用に結びついた時のインパクトは大きいと思います。

 吉田 潤さん

吉田潤さん
生活習慣病を予防する食材の「チカラ」を見つける

 私は天然物生化学研究室に所属し、山菜などの食材から生活習慣病に有効な機能性物質を見つける研究をしています。普段食べている食材の持つチカラを見つけ出し、それがどう体に作用するかといった生命現象を解明して、最終的には健康食品などに実用化されることを目指しています。
 農学部では珍しい、化合物の分子レベルでの作用を研究できるのが特徴的で、1年生のときから「この研究室に入りたい」と思っていました。なによりこの研究の魅力は、まだ存在が知られていないものを見つける可能性が誰にでもあるところ。将来、自分が見つけた物質が実用化され、多くの人が癌や糖尿病を予防できるようになればいいなと思っています。

幅広く学びたい人に、農学部はおすすめです

 高校時代から「薬をつくること」に興味がありました。薬学部ではなく農学部を選んだのは、化学合成で薬をつくる薬学よりも、植物や食物、環境などいろんな視点から考えられると思ったからです。実際、この研究は医学や薬学、有機合成化学など、幅広い分野の知識が必要です。勉強は大変ですが、このように幅広い分野のいろんなことを学べるのが、農学部でこの研究を続ける魅力のひとつだと思っています。

農学生命専攻

 生産基盤工学研究室 砂金 優さん

砂金優さん

 農業車両で土が締め固められると、作物の生育に悪影響を及ぼすことがあり、これを低減するため、タイヤと土との関係を研究しています。実はこれまでに学術的な研究がほとんどされていない分野のため、参考文献やデータに乏しく、先生と共に試行錯誤の日々です。しかし、新しい発見がすぐそこにある裏返しでもあり、大きな魅力を感じます。卒業まで短い時間ですが、少しでもデータ測定の体系を進歩させるように頑張りたいです。

応用生物化学専攻

 応用生物化学専攻 佐藤 友紀さん

佐藤 友紀さん
人の役に立ちたい気持ちがモチベーションに

 骨格筋萎縮に対するアミノ酸の効果について研究しています。どれだけ分解を抑えられるかというところに重点を置き、アミノ酸を与えたものとそうでない筋肉の重量を比較したり、タンパク質の分解速度を測るなどしています。実家の祖父が病気をしまして、横になっている時間が多くなると一気に筋肉が落ちていきました。散歩に行くのもやっとの状態。実際に筋萎縮を起こして辛い思いをしている姿を見てきたこともあり、自分の研究で少しでも困っている人の役に立ちたいと思っています。

研究は常に自分で考え行動する作業  自然と能動的な自分になっていきました

 高校の理科の教師になりたくて岩手大学農学部に入り、教員免許も取りました。しかし、実験などを経験しているうちに研究をしたいという気持ちが強くなり、今は研究者を目指しています。大学に入るまでの自分はただなんとなく流されてやってきたところがあったのですが、研究室に入ると受身ではなく自分から行動するようになりました。実験はひとりで黙々とやっているイメージがありますが、そうではなくチームプレーなところもあります。協調性が付き仲間意識がすごく強くなりましたね。ここに来なかったらここまで成長できてなかったと思います。また、岩手大学はキャンパスがひとつに集合しているので、文系の考え方が違う人と交流する機会が多く、価値観を広げることにつながっています。

 応用微生物学研究室 玉内 大士さん

玉内大士さん

 土など自然界にあるものから、人間の生活に有用な酵素を作る微生物を探し出し、仕組みを分析したり利用方法を探る研究をしています。現在扱っている酵素は抗生物質などの薬品を作る過程で利用できるタンパク質なんです。研究では思う通りの結果が出なくて苦労することもありますが、なぜこうなるのか? このやり方ではどうだろう?と自分なりに疑問や課題を解決していくところが面白さでもあります。

共生環境専攻

 北條 紗希さん

北條 紗希さん
大学に入って見つけた目標。「岩手の農村を元気に!」

 私は、一関市厳美町にある農村地域・本寺地区をフィールドに「地域マネジメント」の研究をしています。 大学に入学してしばらくは、「農学部で学びたいこと」がはっきりせずにいました。でもあるとき、本寺地区に農家レストランや産直をつくるためのワークショップに参加し「これだ!」と思いました。卒業論文の研究テーマに「地域マネジメント」を選んだのも、このときの経験がきっかけでした。
 大学院でも研究を続けようと思ったのは、卒業論文ではまだ不十分で、もっときちんとした研究の成果を残したかったからです。また、何度も通ううち、今や「第二のふるさと」のようになった本寺地区のがんばりを見届けたい、という思いもありました。
地域に根付く大学だからこそ、大学の外でもたくさんのことを学べる大学の数自体があまり多くないせいか、岩手大学は地域とのつながりが強いと感じています。地域の人たちとのかかわりを通して、大学の外で学ぶこともたくさん。「地域密着」であることは、岩手大学の魅力のひとつだと思います。
 研究やフィールドワークを通じて、地域おこしはそこに暮らす人だけが取り組むのではなく、行政の的確なサポートも大切だと感じました。だから将来は公務員として地域とかかわり、一緒に岩手の農村を元気にしていきたいと考えています。

動物科学専攻

 黒沼 智さん

黒沼 智さん
地域の産業を守る研究に、やりがいを感じています

 私はニワトリについて研究しています。将来精子や卵子になる始原生殖細胞を、他の品種の卵の胚盤や血管内に移植すると、卵巣や精巣の部分に到達することが現在わかっています。その始原生殖細胞によるキメラ作出も多くの研究者ができるようになっているのですが、技術的に難しいことが問題点です。そこで、新しい作出法や、孵化率を上げる方法を探しています。この研究の目的は絶滅危惧種の保存です。始原生殖細胞を卵から取り保存することで、絶滅した際に復元が可能となります。今は秋田県畜産試験場に協力いただき、秋田県の固有ブランド・比内鶏の保存のために、研究を進めています。

研究に関わること全てが大事な経験に

 私の所属する研究室では、他の院生はウシのタンパク質や野生動物というように、それぞれが全く別のテーマの研究をしています。自分の研究では知ることができないことも知れるので、とても刺激になります。私の研究は4、5時間かけて実験をすることがあります。おかげで集中力があがりました。また、始原生殖細胞を用いたキメラの作出時期が限られているので、そのタイミングに合わせて、移植や解剖のスケジュールを組まなければなりません。結果によってスケジュールを組み替えたりと、計画的に行動する力も身に付いていると思います。秋田県の方とのやり取りや、実際に先方に出向いての実験、これからは学会での発表もあるので、これらの経験もまたプラスになっていくのだと思います。


 家畜生産生理学研究室 佐藤 由香里さん

佐藤由香里さん

 牛など反芻家畜の排出するメタンガスは、温暖化に影響を及ぼすとして問題視されています。牛と同じ反芻家畜である羊を使い、ガスを減らすための研究を進めています。羊の胃の中にはメタンガスを発生させる微生物がいて、この働きを弱める飼料を与え、どう影響するかを実験しています。人口が増え続ける中、食料の確保は人類共通の課題です。その中で、環境負荷に配慮した畜産物の供給に役立てればと思っています。

バイオフロンティア専攻

 岸上 隆介さん

黒沼 智さん
最新の技術を用いた研究に取り組んでいます

 植物ウイルスの研究をしています。ウイルスが原因とされている「りんご奇形化病」と「りんご輪状さび果病」という病気がありまして、その病原ウイルスの解明、何が原因で病気を引き起こしているのかを研究しています。私の研究室の先生が開発した「りんごの開花促進技術」というものがあります。りんごが持っている病徴を起こさないウイルスに植物の開花を促進する遺伝子を組み込んで、りんごの種子杯に植え込むと、通常りんごの実ができるまでに5年から10年かかるところを、約1年に短縮できるという技術です。この技術を使った研究をしたいと思い、このテーマを選びました。

様々な実験に挑戦してスキルアップを

 今のところ、ウイルスの単離には成功しています。果樹にはウイルスがたくさんあって、混合感染している状態なのですが、それぞれの病気の対象のウイルスを取り出すことができました。これから病原ウイルスを、開花を促進する遺伝子の組み込まれたウイルスと一緒にりんごに植え込み、病徴を見ていく作業になります。他の研究室には無い技術を使う研究ということで、自分が先駆者になることができるのでとても光栄に思って取り組んでいます。遺伝子関係が好きなので、色々な実験ができることが面白いと感じます。植物の種類はもちろん実験方法も経験できます。将来は農学の技術関係の仕事をしたいと思っているので、研究を通してたくさんの技術を身に付けたいですね。

 生命適応機能分野 古戸 あかりさん

古戸あかりさん

 夏と同じ環境下で育てた植物を、急に氷点下の環境に置くともちろん枯れてしまいますが、徐々にその温度に近づけていけば、氷点下になっても生きていくことができるんです。これを低温馴化といい、このとき植物の細胞内で何が起こっているのかを分子レベルで調べる研究をしています。植物が持つ適応能力のメカニズムが解明されれば、より寒い地域でも作物を育てることができ、北国の農業に貢献できるかもしれません。

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