その生態と渡りのナゾに迫る
共生環境課程
共生環境課程
保全生物学研究室
東 淳樹 講師
タカ科の渡り鳥「サシバ」は、森林伐採や里山の環境変化などによって近年その生息数が急激に減少(絶滅危惧種U類)、保全のための対策が求められている猛禽類です。繁殖には田んぼと雑木林が接する場所を好みますが、そうした場所でも姿を見ない地域があるのは何故か? そこで研究室では、盛岡周辺と秋田県が北限とされている繁殖分布の境界を中心に調査したところ、「ヤマセ」の影響を受けるエリアとサシバの北限とは、ほぼ一致することが判ってきました。
また別の研究では、冬も水を張る「ふゆみず田んぼ」と生物多様性の関係を研究中。ふゆみず田んぼ、有機水田、一般的な水田の3つの田んぼで生物相調査を行い、生物にとってのメリット・デメリットをそれぞれ明らかにしていきます。
これからの時代はますます「人と野生動物の共存」が求められます。この研究室では種を保存するために必要な条件を生態学的見地から研究し、人との共存を念頭においた土地利用計画に役立てていきます。