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花咲か遺伝子のヒミツ

日の長さを判断して花を咲かせるメカニズム

農学生命課程
横井修司 准教授
農学生命課程
生命資源科学コース
植物育種学研究室
横井修司 准教授

 毎年春になると必ず話題に上るのが桜の開花時期。早い遅いと一喜一憂するのは人間ばかりですが、カレンダーや時計を持たない植物はどのようにして花を咲かせるのでしょう。

 日が長くなると開花するシロイヌナズナには、開花を促す3つの遺伝子があることがわかっていました。シロイヌナズナは、日が長くなったことを感知し、A遺伝子→B遺伝子→C遺伝子というように、順々に遺伝子を働かせて開花させます。

 イネの場合もこの3遺伝子が関わり開花することがわかっていましたが、イネはシロイヌナズナとは逆に、日が短くなると開花する植物です。そこで植物育種学研究室の横井修司准教授は、この遺伝子の働き方を詳しく研究。イネが開花しない長日条件ではA遺伝子がB遺伝子を働かせ、イネが開花する短日条件ではB遺伝子がC遺伝子の働きを抑えることを突きとめたのです。

 日長のほかにも植物には、温度や環境ストレスなどさまざまな条件に応じた開花のメカニズムがあり、徐々に分子レベルでの解明がなされつつあります。横井准教授は、高畑義人教授や学生とともに、このメカニズムを明らかにしていく研究を行っています。その成果を利用することで、10〜20年の歳月を費やしていた品種改良をより容易にしたり、気候変動や環境の変化に対応できる作物の開発、食糧の安定供給につながることが期待されています。

「研究者の前に農民であれ」というのがモットー。学生には、田植えや稲刈りなど実際の農作業を通じて農業の現場を理解し、植物に向き合うことを求めています
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