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ネコにもエイズがあるんです

免疫機能の強化をめざす研究を人間の医療にも

動物病院
動物病院
獣医小動物内科学研究室
佐藤れえ子 教授

 近年イヌやネコなど伴侶動物と呼ばれる動物たちの病気は、人間と同じように多様化しており、治療法など医療も大きく進歩しています。

 獣医小動物内科学研究室では、附属動物病院での臨床実習を行いながら、イヌやネコなど伴侶動物の内科病の研究を行っています。佐藤れえ子教授や学生のみなさんが取り組む研究の一つに、ネコのエイズ:ネコ後天性免疫不全症候群の研究があります。

 これはネコ免疫不全ウイルス(FIV)感染によって起こる病気で、ネコにしか感染せず、ヒトエイズに酷似した症状を示すため、ヒトエイズのモデル疾患と言われています。

 免疫機能を低下させるネコエイズで、いかにして免疫力を高め病気の進行を遅らせるかというのが、研究の主なテーマ。新しい治療法を施すことで、リンパ球や好中球、サイトカインなど免疫機能の働きを分析し治療効果を調べています。また同時にプロポリスやラクトフェリンといった免疫調整剤の開発にも取り組んでいます。

 FIVへの効果的な治療法が見つかれば、HIVへの応用という可能性も視野に入ってきます。ペットを飼っている人だけでなく、人類全体の医療にも貢献しうる研究と言えるのではないでしょうか。

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