動物の筋肉から情報を解析し「おいしさ」をわかりやすく数値化
動物科学課程
動物科学課程
動物資源利用学研究室
村元 隆行 准教授
動物の筋肉には、実はいろいろな情報が詰まっています。この筋肉の持ち主は何歳で、どんなところで生活し、何を食べていたのか。筋肉が持つこれらの情報を、組織を破壊することなく、筋肉の状態のまま解析する研究をしています。カモシカなどの野生動物の筋肉から、行動範囲などの生態を調べることもありますが、ここでは主に、食肉の「おいしさ」の情報解析を行っています。この研究室は2006年に開設しましたが、それまで食肉や筋肉を掘り下げて研究しているところはなく、岩手大学にとって新しい分野の研究といえます。
これまで、食肉の品質を評価する方法は、成分などを分析する「理化学分析」か、実際に食べてみる「官能検査」が主でした。しかしこれらの方法で「これはおいしい肉です」と評価されても、肝心の肉はもうそこにはありません。
もし、肉をそのままの状態で解析することができれば、これから食べる肉がおいしいかどうかの判断ができるようになります。そこで、肉の色素や交流抵抗による脂肪の組成、やわらかさなどを非破壊的に調べ、肉の品質やおいしさを総合的に評価するための研究を続けています。将来、パック詰めで売られている肉の情報から、消費者がおいしさや適した調理法などを判断できるようになればいいな、と考えています。