森林資源を有効に生かす システムづくり
寒冷フィールドサイエンス教育研究センター
寒冷フィールドサイエンス
教育研究センター
森林管理学
澤口 勇雄 教授
地球温暖化が問題にされている今、その解決策として期待されているのが化石エネルギーから森林バイオマスエネルギーへの転換です。この研究室では、森林環境を守りながら森のエネルギー利用を促進するための森林管理について研究しています。
そのひとつが、山林の路網整備。山から木を伐採し運び出すのはとても大変です。輸入材との競争などで木材の価格が下がっている現状を考えると、現在の日本の林業は労力がかかるわりに利益が薄い産業です。しかし山の中に網の目のように高密度な作業路をつくれば、これらの問題を解決する事ができ、ひいては林業の活性化にもつながる、と考えています。もちろん、むやみに道をつくるのではなく、気候や地層、木の生え方などを考慮することが重要です。そのため、大学の演習林を試験地にして実際に作業路をつくり、作業効率やコスト、道路の耐久性などについて検証し、データを集めています。
この研究は道をつくって終わり、ではありません。ゆくゆくは伐採から輸送までの一連の作業をシステム化することを目指しています。効率がよく、低コストのシステムを開発することで、環境と調和しながら長期的な森林の維持管理ができるようになれば、と考えています。