野菜は常に身近にあるもの 日々の暮らしに活きる研究を
農学生命課程
農学生命課程
蔬菜花卉園芸研究室
加藤 一幾 助教
野菜の栽培から遺伝子レベルまで幅広いスタイルや手法を用いて、野菜の生理・生態、ならびに栽培技術の研究をしています。現在は野菜の中でも世界的に生産量の高いトマトを主に扱い、果実になる前の段階の花成制御について研究しています。トマトは中性植物といって昼の長さに関係なく花が咲く植物です。中性植物がどのような機構で花が咲くかが分かると、果実、果菜類や花の収量の増大など有効利用できます。また、久慈市と連携してほうれん草の研究も行っています。久慈市はほうれん草に加え、しいたけの菌床栽培も盛んです。しいたけを栽培した後の廃菌床は産業廃棄物になるのですが、その廃菌床を上手く利用してほうれん草の栽培に活かしたいと考えています。廃棄物をリサイクルして、無化学肥料・無農薬の有機農法的な生産ができればいいですね。他にはオゾン水を使った野菜の生育促進、LEDを利用した花成の促進、大根の色素に関する研究も始めています。
また、震災で津波被害を受けた沿岸地域の農地の復興のために、園芸学の分野から塩害や農作物の生産の役に立ちたいと思っています。プロジェクトを立ち上げ活動を始めていますが、これから長い目で見て地域に貢献出来るような取り組みを進めていくのも課題のひとつですね。