低炭素社会、循環型社会、自然共生社会
3つの要素を融合した社会作りを目指す
共生環境課程
共生環境課程
地域生態管理学研究室
原科 幸爾 講師
地域をベースに持続可能な社会を作ることを目指し、生物保全、物質循環、生物資源の利用という3つをテーマに研究しています。ツールとして使用しているのが、GIS(ジオグラフィックインフォメーションシステム)という地理情報システム。標高や川の図など地図になる地理情報をコンピュータ上で扱い、気象や生物分布などの環境要素を合わせて相互解析するシステムです。ただしこれだけではなく、コンピュータを使って空中写真から地域を見るなどの"広域スケール"、また実際に現場に行ってデータを取る"詳細のスケール"の研究も大切にしています。データの精度を高めるために、現場に行ってデータを取ることは重要なので、現地調査も行っています。
生物保全のひとつの例として、日本鹿の生息地の変化を研究しています。90年代までは岩手県の五葉山周辺にしか生息していなかった日本鹿が拡大して農業にも被害を与えるようになりました。どのようにして拡大したのか、地理情報の狩猟データと積雪、道路、土地利用などのデータを組み合わせて、広がり方を予測するようなモデルを作っています。他には物質循環の事例としてインドネシアの窒素循環、生物資源については木材や家畜の糞尿などのバイオマス資源の循環型利用なども研究しています。