技術的な要素と経済的な要素 両側面からアプローチできる人間に育てる
農学生命課程
農学生命課程
農業経営・経済学分野
佐藤 和憲 教授
野菜や果物の流通や販売に関わる問題を対象に研究しています。野菜を作っている農家に対してこのままでいいのか、会社化すべきなのか、または、現在日本の流通は卸売市場を中心としていますが、農家や販売側の動向に合わせて仕組みを変えるべきか、というような提案をします。我々の研究は数字を使った解析やモデルを作る方法と、調査研究がありますが、私は調査が中心です。
岩手県では比較的冷涼な気候を生かした野菜や花の生産が十分に伸びきれていないと感じています。30年ほど前から岩手県でもレタスやキャベツ、ほうれん草の生産が伸びてきましたが、国内の産地の中心である長野県を脅かすほどの存在にはなっていません。いい条件があるのですから伸ばしたいと思い、資料を集めている段階です。
学生の皆さんには研究を通して幅広くバランスのとれた考え方を身に付けてもらいたいと思っています。農業経済は、経済的な面と農学の自然科学・技術的な面の両側面から見ることができることが一番の魅力です。農家に出向いて行う実態調査や、市場に行って調査をするのも大きな特徴。これらの作業は営業職のアポ取りや交渉事と同じプロセスですから、社会に出ても必ず生かされると思います。