物理というツールを使用し 津波被害を受けた水田の現状を知る
共生環境課程
共生環境課程
農村環境デザイン学コース
施設機能工学研究室
山本 清仁 准教授
物理探査による水田の塩分濃度評価手法の研究ということで、津波で浸水した水田や地盤沈下して海水が入ってくる水田の塩分濃度の測定を、陸前高田市内の水田で行っています。今後水田として利用するために盛り土するわけですが、その盛り土に塩が上がってくるかどうか、検討資料の一つになればと。この研究は今すぐに役立つというものではありませんが、水田が津波によって海水に浸かるという例はあまりないので、今ある科学の目で記録することは重要だと考えています。また、地元の大学ということで、継続して調査できるという利点もあります。今後2年は続け、しっかりと記録し、有効な知見として残したいと思います。
震災以前は、農業水利施設や溜池などの維持管理の研究をしていました。コンクリート材料や土などを調べるための非破壊検査手法の中で物理探査の研究をしていたので、その手法を水田の調査に生かしています。物理探査とは、電磁波や弾性波などを利用して測定する手法です。物理と聞いて苦手意識を持つ学生さんも多いようですが、農学部のカリキュラムを学んでいれば、十分に理解できるものなので、先入観は捨てて、ぜひ挑戦していただきたいです。