人と伴侶動物がより幸せに暮らすために 病態を解明し、治療法を探る
共同獣医学科
共同獣医学科
小動物臨床獣医学分野
小林 沙織 助教
午前中は本学農学部附属動物病院で犬や猫の診察をし、午後は研究や講義をしています。診療の際は内科学に所属している学生さんと動物看護師の方とチームを組んで、治療にあたります。研究は2つのテーマで進めています。一つは好中球機能不全症という白血球の病気です。実際に病院にいらした患者さんから新しい病気を見つけ、原因や治療法を研究・発見し、治すことができました。もう一つは、猫の腎臓に袋が沢山できる多発性嚢胞腎と言われる病気について取り組んでいます。生まれた時は症状がでないのですが、年を取るにつれて袋が大きくなり数も増えるという遺伝病です。今は治療法がないので、なんとか治療したいと思い、研究を進めているところです。
臨床の研究は今実際にどんな病気があって、そこにどのような問題点があって、何が望まれているか、現場で動物や飼い主の方との触れ合いの中から見つけ出し、研究していきます。まだまだ治療法や診断法が確立されていない病気はたくさんあるので、自分が研究した成果を動物のために返したいですね。また、より多くの人に動物に対して関心を持ってもらえたら、研究も進み、様々な病気を防ぐことができると思います。特に遺伝病は気づかず広がってしまうことも多いので、まずは知ってもらう、興味を持ってもらうことが大切だと思います。