産業動物から野生動物まで 様々な動物の多様性を学ぶ
動物科学課程
動物科学課程
動物遺伝育種学研究室
松原 和衛 准教授
当研究室では3つのテーマに取り組んでいます。一つは超早期妊娠因子(Super-EPF)。受精後24?48時間以内に母体の血液中に出現する物質で、人を含め多くの哺乳類から検出されるものです。妊娠の初期段階で、母親と受精卵の情報伝達の機構を解明することが私のライフワークになっています。二つ目は始原生殖細胞という全能性を持っている細胞の研究です。ウシやヒトは精子や卵子を凍結保存できますが、ニワトリの場合は、精子は保存できても卵の冷凍保存ができません。メス側の遺伝子源を保存する唯一の方法として始原生殖細胞を保存し、復元できることがわかっています。しかし、復元はできても確率が低いので、今は実用可能な技術にすることを目指しています。三つ目は、ライオンの糞をシカが嫌がるという研究で、シカが電車にぶつかる事故を減らすために始めたものです。ライオンの糞に忌避効果があることを実験で立証しました。シカはライオンを見たことがないはずなのになぜ避けるのか、とても不思議でした。
私は動物育種・生殖学が専門なのですが、大学は面白いところで、好きなことなら何でも研究できます。ですから、色々なものに興味を持って勉強してほしい。無駄なものは何もありません。全て吸収し、それを糧にして生きていける人間になってほしいと思います。