農作物の利用の幅を広げる乾燥技術・装置の開発
農学生命課程
農学生命課程
農産物流通科学研究室
折笠 貴寛 准教授
農業の6次産業化に関する技術の開発を目指し、これまでとは違った手法でのアプローチを考えています。流通に乗らない規格外野菜を加工し、付加価値をつけることができれば、農家さんの利益向上と廃棄物の削減につながります。そのための加工技術として、遠赤外線とマイクロ波を利用した青果物の乾燥技術について研究しています 。
遠赤外線は青果物に照射すると直接水に吸収される性質を持っています。直接水に熱が伝わり、乾燥サンプルに余計な熱を奪われることがないので、熱のロスが少ない乾燥法です。マイクロ波とは電子レンジで使われているもの。マイクロ波を、圧力を下げた状態であてる事で、沸点が下がり、低い温度を保ったまま水分を飛ばすことができます。マイクロ波の大きな利点は乾燥速度が速いこと。そして、低温で処理をするので栄養成分も保たれます。遠赤外線、マイクロ波ともに、どうしたら早く乾かすことができて、栄養価を多く残せるかを実験している段階です。また成分のデータを数学的な手法を用いて解析もしています。工学的な手法を取り入れた解析はこの研究室の特徴の一つです。
現在は岩手町と共同で野菜の乾燥粉末を商品化し販売していますし、陸前高田市のクッキングトマトの加工方法の研究もしています。トマトの研究をきっかけに、乾燥装置の商品化にも取り組んでいくところです。乾燥などの加工技術でアプローチすることで、地域の活性化につなげたいと思い、研究に取り組 んでいます。農業の活性化・地域振興に少しでも貢献できれば 嬉しいですね。