日常に溢れる危険因子を探り 健康に暮らすための環境を守っていく
動物医学食品安全教育研究センター
動物医学食品安全
教育研究センター
獣医環境衛生学研究室
佐藤 至 教授
人の健康に対して悪い影響を与える危害因子の中で、物理学的なものや化学的なものを研究しています。現在、化学的危険因子については岩手県の自然保護課と取り組んでいる「野生動物の重金属汚染に関する研究」や「環境汚染物質の毒性に関する研究」、「空気清浄機による肺のDNA損傷に関する研究」をしています。物理的危険因子については、体内に入った放射性物質を早く排泄する方法を探る「放射線内部被曝の低減に関する研究」、原発事故後、警戒区域に残った牛の体内のセシウム量を調査する「放射性セシウムによる牛の汚染状況ならびに健康影響に関する研究」、そして、県内でも問題になっている牧草地の土壌汚染の改善を目指す「放射性セシウム汚染土壌の除染ならびに牧草への移行抑制に関する研究」に取り組んでいます。
岩手大学に赴任し、放射線に関する研究を始めた頃はチェルノブイリの事故があって3年後くらいの時期でした。転ばぬ先の杖という気持ちで研究していて10年程、放射線の研究から離れていたのですが、東日本大震災を機に再開しました。環境汚染問題として、今一番重要な問題なので、少しでも解決に向けた対策を提示したい、一般の皆さんの不安を解消できるように少しでも力になれればと思い、取り組んでいます。