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岩手大学農学部Faculty of Agriculture, Iwate University
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研究室・教員一覧

農畜産環境保全学分野

教授:築城 幹典(ついき みきのり)

研究内容

農畜産業における環境影響の定量的評価および、衛星リモートセンシングデータを用いた農業環境の評価を行っています。

担当科目

農業生態学、農業環境評価論、生物産業科学実験

メール:tsuiki(at)iwate-u.ac.jp

教員研究室の所在:2号館3階311号室

農業の環境影響評価

 農業は、その生産基盤を自然の物質循環機能に依存し、環境への適切な働きかけ(正の環境影響)によって環境を積極的に管理しながら生産が行われてきました。しかし、近年は、農薬や化学肥料など石油を原料とするさまざまな資材の使用、機械化や施設栽培化による大量のエネルギー消費などが進行し、農業が環境に与える負荷(負の環境影響)が増大しています。また、最近注目されているバイオマス利用においても、その環境影響を適正に評価する必要があります。本研究室では、さまざまな農業生産活動によって生じる正と負の環境影響を客観的に評価する手法を開発し、それに基づいて、これまでの農業技術を見直し、全体としての環境への正の影響を最大化するような農業技術の開発に貢献することをめざしています。
1.ライフサイクルアセスメントによる農業の多様な環境影響の適正評価
 ライフサイクルアセスメントは、農業生産に伴う環境影響だけではなく、使用する資材や施設の生産から廃棄物の処理まで広範囲の環境影響を評価する手法です。この手法を用いて、輸入飼料と国産飼料、有機農業と慣行農業など異なる生産体系間での環境影響の違いをより公正に評価することができます。
2.人工衛星などのリモートセンシングデータを用いた環境モニタリング
 技術革新により、人工衛星からでも1メートル以下の解像度で農地の様子を見ることが可能になっています。この技術を用いて、牧草地の生育状況や雑草の侵入などのモニタリングを行っています。
3.牧草地における放射性物質の動態解明
 岩手県内では、放射性物質の暫定許容値を超える牧草や稲わらがみつかり、畜産業に大きな影響を与えてきました。今後、牧草への吸収、放牧家畜による採食とふん尿、採草、堆肥施用、土壌下層への移動、土壌表面流亡などにより放射性物質が移動し、新たな問題が生じる可能性があります。そこで、岩手県内牧草地の放射性物質の汚染状況を調査するとともに、その動態解明を行っています。

准教授:前田 武己 (まえだ たけき)

研究内容

農畜産業における生物資源の循環、農畜産業に由来する環境負荷の低減について研究しています。

担当科目

生物資源利用論、生物産業科学実験II、ものづくり実習

メール:maedat(at)iwate-u.ac.jp

教員研究室の所在:3号館1階116号室

生物系未利用資源の管理・利用に関する研究

 食物を生産する農業ですが、その一方で作物残渣や家畜排泄物といった廃棄物も大量に排出されています。このような廃棄物は、不適切な取り扱いがなされると地球温暖化ガスの発生や水質汚染といった環境負荷の原因となり、また不衛生な環境は私たちの健康にも影響をおよぼします。このため近年は、このような廃棄物を「生物系未利用資源」ととらえて、廃棄するのではなく、できるだけ有効に利用しようとする気運が高まってきています。
 生物系未利用資源には多様なものがあります。燃料としてエネルギー回収のできるものから、逆にエネルギーを投入して無害化しなくてはいけないものもあります。したがって、素材としての特徴を把握することはもちろんのこと、どのように利用するのかを考えながら対処する必要があります。このような背景のもと、堆肥化を中心とした資源化についての研究を行っています。
 堆肥化(コンポスト化)は古くから畜産農家に限らずさまざまな所で行われ、経験に基づいた技術の蓄積があります。しかし、堆肥化時にはアンモニアや温暖化ガスなどの環境負荷物質が発生するため、その低減が必要となります。また、堆肥の高品質化や安全性を確立するためにも、未解明なことを明らかにして改善していく必要があります。堆肥化は野生の好気性微生物による有機物分解反応であり、材料温度が常温から場合によっては70℃以上にまで上昇するため、その反応速度は材料温度や含水率、酸素供給速度などによって大きく変化します。このため、こうした要因が反応速度にどのように作用し、その結果として材料品質がどのように変化していくのかを、実験や理論解析によって評価することが研究の課題となります。


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