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研究室・教員一覧
産業動物内科学研究室准教授:岡田 啓司(おかだ けいじ)研究内容アニマルウェルフェアに基づいた食料生産動物の疾病予防および生産性向上手法の開発を行っています。 担当科目獣医衛生学、獣医内科学、臨床獣医学 メール:keiji(at)iwate-u.ac.jp 教員研究室の所在:5号館3階305号室 家畜のQOL向上による疾病予防・生産性向上に関する研究 国際獣疫事務局(OIE)は2004年に “動物福祉の原則に関する指針”を明らかにしており、そこには “畜産動物の福祉の改善は、生産性と食の安全を改善する可能性があり、従って経済的な利益を生み出すことが可能である”と記されています。これ以降、家畜福祉は獣医療の中で重要な位置づけとなりました。これが生産獣医療の依って立つ根拠になります。 生産獣医療は、疾病にかかった動物を検査・治療したのでは手遅れであるとの認識のもと、健康な動物集団の検査を通じて飼養管理上の問題点を見つけ出し、それを改善していくものです。これは獣医学と畜産学の谷間を埋めるものであり、これを支えるために生産獣医療学があります。生産獣医療学の基本は、家畜のQOL(Quality of Life生活の質)を正確にモニターすることです。これは“家畜福祉の計量化”とも言えます。これによって家畜の満足度、ストレス度などを評価することが、家畜のQOL向上のスタートになります。
研究としては、血液による代謝プロファイルテストを用いて、牛の分娩前後の代謝疾病やその他の生産病の発生を予知し、それを回避できるような飼養管理プログラムを作ることを行っています。そのために、各牛群から抽出した健康な牛20〜30頭の分析を行い、現在、その基礎データを蓄積しながら研究を進めています。 また、牛の歩き方や立ち方を加速度センサでモニターし、その結果としての栄養状態を代謝プロファイルテストで評価することで、四肢の潜在性疾病の摘発や牛群管理に関する研究を行っています。欧米では牛の歩き方がその牛群の家畜福祉のレベルの指標とされており、これから重要になってくる分野です。 新生子牛では母乳が重要な栄養源になりますが、母乳の質や量、給与方法、子牛の消化器機能などについてまだまだ未知の部分が多くあります。これを代謝プロファイルテストや画像診断により研究中です。
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