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作物学研究室研究室ホームページ イネを中心とした食用作物を対象に、高品質で生産性が高い作物やそれらの品種が備えるべき生理・生態・形態的特性とその遺伝的背景を明らかにするとともに、異常気象に負けない作物を育てるための基礎研究を行っています。 教授:黒田 榮喜(くろだ えいき)研究内容良質・良食味水稲品種の安定・多収栽培技術、寒冷地における飼料用水稲品種が備えるべき品種特性の解明を行っています。 担当科目植物生産学概論、食用作物学、生命のしくみ メール:kuroda(at)iwate-u.ac.jp 教員研究室の所在:2号館1階103号室 作物(イネなど)の乾物生産特性の解明とその応用 現在、東北地方はわが国の主要な稲作地帯の一つであり、1970年代半ばに単収550kg/10aレベルに達したものの、それ以降は停滞傾向が続いています。一方、1980年冷害を機に耐冷性の向上や良質・良食味品種の育成を目標に交配された系統の中から「ひとめぼれ」が選抜され、91年に奨励品種に採用され広く栽培されています。しかし、病気に弱く、倒れやすい等の欠点もあり、今後の規模拡大・低コスト化や食の安全・安心に適応した品種の育成と栽培法の構築が求められています。そこで、寒冷地における作物の収量成立過程とその潜在能力の解明および持続的栽培方法の構築を目指して研究をすすめています。 現在の主要品種と有望な育成品種の収量形成過程および乾物生産特性を比較した結果、(1)収量が高かった新規育成品種は、普及品種に比べて_当たり籾数、玄米千粒重を大きくするか或いは両者をともに改善することで貯蔵器官を大きくしていること、(2)_当たり籾数が増加しても登熟歩合の低下が少ない乾物生産・分配特性を備えていること、(3)稈基部の挫折強度は品種による相違が大きく、茎の太さや硬さと密接な関係のあること等が明らかになっています。今後、個々の品種レベルでその生理・生態・形態的要因を解明し、新たな育種目標の構築に繋げたいと考えています。 一方、1993年の大冷害であっても周辺農家に比べて被害が明らかに小さい事例があり、基肥を減らし疎植条件で栽培することの有効性が示唆されました。2003年冷害においても、耐冷性程度が小さい(低温の影響を受けやすい)品種ほど上記の条件で栽培することにより被害程度は小さいことが認められています。今後、栽培法の違いにより低温の影響を受ける程度が異なる生理的要因の解明をすすめるとともに、これらの基礎的知見を通して、冷害常襲地帯における良質米の安定生産技術の改善や栽培理論の構築などに貢献できるものと考えています。
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